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はじめての炭酸

炭酸飲料を初めて飲んだのはいつだっけ。
数十年分の記憶を遡ってみた。

そういや小学校高学年になる頃には
「コーラを飲んだら骨溶けるよ!」と
母親に言われて、コーラすなわち炭酸飲料を
飲んではいけないモノと認識していたっけ。
飲んでみたいけど
ダメだダメだ!と葛藤した日々。
でも欲に勝てなくて
友達の家で出してもらったコーラをひと口。
「お母さん、ごめん」と罪悪感を抱きながらも
美味しさのあまり飲み干した、とある日。

うん、懐かしいなあ…
そう思い出に耽っていたのだけど
「あれ…なんか違うような?」
脳内にノイズが走る。
あの日の感動と罪悪感は確かにあったこと
なのに。たしか、もっと前に…

…なにか瓶のイメージが頭に浮かんだ。
記憶を辿ってみる。

玄関扉をあけ、洗面台で手洗いうがいをして
リビングへ。懐かしい匂いがする。
ああ、祖父母の家だ。
台所の左隣には食器棚、白い冷蔵庫。
そう、冷蔵庫の中段に瓶が入っているのだ。

記憶の中の私は、踏み台に乗り中段をあけた。
そこには黄色の瓶と茶色の瓶がずらり。

CCレモンとオロナミンCがぎっしり並んでいた。

そうだ、祖父母宅へ行くと必ず飲んでいた。
私はオロナミンC派だった。

え、炭酸飲んでるじゃん…
しかも低〜中学年の頃か
踏み台が必要だったということは…

私のはじめての炭酸は栄養ドリンクだった。

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