あの子もあの子も消えたのに、わたしが生まれた3月という月

春の夜、風がどんどん温かくなっている。
昨日までは冷たいと思った夜風も今日は暖かいというか温い。
学生の頃を思い出す
この風の中で生きていたんだなって
風の匂いを嗅いでみる
この匂い。
なんだかわたしをどこか知らない遠い遠い場所に連れて行ってくれそうな風の匂い、夜の空気。
今はまだ何処にも連れて行ってはくれないし、この匂いはサンパルの匂いなだけだし。
でもわたしは結構本気で思ってる。
いつかこの春の夜風がわたしをどこか違う場所に連れて行ってくれるって。
全て大丈夫になる、さよならのない世界へ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?