売ることへの心理的ハードル！？

目に見えないサービスを買う人ってどんな人？

　コンテンツ販売、目に見えないものを仕事として販売している立場を10年以上やってきて、「目に見えないものを買う」ことに対して抵抗がない私。
　でも、周りにある「コンテンツ販売」や、ネット上に転がっている「高額教材」を見て、違和感を覚えることがたまにあります。

　世間では、「このノウハウがあれば○○が叶う」として、数万円～数百万円の教材が普通にネット上で売られているし、セミナーでも、１日数十万円のものだったり、半年サポート100万円というものをよく見聞きします。

　そんな「コンテンツ」、たとえばどういうものかと言うと…。
・二度とリバウンドしないダイエットサプリ
・このノウハウがあればモテまくる
・講師の資格を取得して、副収入を得ましょう
などなど、人間の欲求を的確に突いてくるものが多いです。

　では、こういう高額な教材を買う人って、どんな人なのか考えてみると、
・二度とリバウンドしないダイエットサプリ
→自力でダイエットができない人で、手軽な方法で成功できるダイエット方法を探している人
・このノウハウがあればモテまくる
→ノウハウがないとモテないと思っている人、素のままでモテたことがない人であって、モテたいと切実に願う人
・講師の資格を取得して、副収入を得ましょう
→生活が苦しいので副収入を生活の足しにしたい人、単純にお金を稼ぎたい人

　能力の一部だけに自信がない、もしくはブロックがかかっている人であって、コンテンツがあれば、数少ない欠点を克服できるような人であれば、こういうコンテンツも有効でしょう。
　でも、おそらく、こういうコンテンツを買ってしまう人って、お金を稼げていない＋モテていない＋自己管理ができない…など、複合的に「できていない」ポイントのがある人なのではないでしょうか。

そこまでの責任を取れるのか？

　たまに、借金までして高額コンテンツを買う人がいます。
　提供する側も、「あなたの人生を変えることができますよ」という売り文句を使って誘導するので、借金をしてでも買う価値があると勘違いしてしまうのでしょう。

　でも、本来支払える額を超えた金額を払うのは、「自分の人生以上のものを賭けている」のと同義なのではないかと思います。
　借金のせいで、生活が成り立たなくなってしまう可能性すらあるのに、自分の生活を後回しにしてまで買う価値のあるコンテンツなんて存在するのでしょうか。

　そもそも結婚相談所と同じで、どの分野でも、きちんとした成果を挙げられる人は一握りです。そして、成果を挙げられる人というのは、元々、その分野に関して能力があった人なのです。

　成果を出せる可能性が低いにも関わらず、「あなたの人生を変えることができます」と言い切って購入させるのは、提供側の「売りたい」という気持ちが強いからだと思います。

　でも、自分が支払える額に対して、かなりの割合の額を支払う人は、それに見合う際立った成果を出してもらわないと、”人生を賭けた”意味がありませんよね。成果が出ないのなら、せめて、フォローをしないといけません。

　提供する側は、そこまで考えてコンテンツ販売をしないといけないのではないか、と思ってしまいます。

売ることに対する心理的ハードル

　上に書いたような思考回路があるので、私個人としては高額コンテンツ販売なんてできないなと感じてしまいます。

　「人生を変えたいならお金で覚悟を見せろ」と言い切って買わせてしまうのは個人事業主の販売の基本かもしれません。
　でも、本当に目の前の人の悩みを救いたいのなら、別の方法もあると思うのです。
　何より、数十万円の金額を払わないと悩みが解決できないということは、お金持ちしか悩みを解決する資格はない、と言っているのと同じなのではないでしょうか。
　お金をある程度稼げている人って、ある程度、自分の中の悩みを解消している人ですよ？最低限の自己肯定感がないと、稼ぐための一歩が踏み出せないですもん。そういう人って、お悩み解決のコンテンツがほとんど要らない人なのですよね。

　本当に人を救いたいなら、興味を持ってもらえるように、払いやすい金額で提供をする。もちろん、自分の負担にならないような方法で。
　本気で時間をかけてやって欲しいという要望があったら、それなりの金額でやってあげるといいけれども、その時に、本人の経済状況も確認することが必須だと思っています。
　もちろん、自分もの負担にならない程度に。負担が大きいからお金をたくさん取りますよ、という方法は今の私にはできないし、やるつもりもない。

　たまに、こういう思考がいけないのかなぁと、大金を稼いでいる人を目の前にすると思ってしまいますが、まずは、自分の体にも心にも負担のない方法でゆるーっとやりたいなぁ。