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アジア圏の社会課題は文化的背景に共通項もあるからもっと一緒に議論するべきだと思った話(day1)

from g0v summit2018 day1 

CODE for JAPANというシビックテック領域のNPOのボランティアスタッフをやっている関係で、台湾版のg0vのサミットに参加しています。(CODE forは世界中にあり、CODE for JAPANとg0vは従兄弟とか兄弟みたいなものです)

g0vは台湾のひまわり学生運動から始まっていて、今では政府と協力してシビックテックとしてとても上手に機能している組織です。

メインステージは大きくて話も聞きやすいのですが、ずっと受け身なのも勿体無いので、午後は参加者同士の議論に混ざりたく、#CodeforGender design thinking workshop for gender issue by Merci Kuo  性的少数者のための活動をしている人たちがデザイン思考を使ってワークショップをするというので、これに参加しました。

漢字のスライドなので躊躇いましたが、同時通訳があったのでイヤホンで聞きながら(多分「性別平權」ってアライのことだなとか思いながら)

世界中で起きていることはやはりインターネットを通じて若干のタイムラグや独自の変化を生みながら各国で起きているんだと実感したり、

「技術を通じてジェンダーの問題を解決するにはどうすればいいか?」は、SOCIAL FIGHTER AWARDで取り上げてもいいなと思ったり

彼らが行なっている活動の一つはハッカソンで、エンジニアリングを通じて解決策を模索している様子。

そのハッカソンでも使うメソッドを使ってアイデアソン的なワークが始まりました。

「紙2枚と、ポストイットと、脳みそを使います。」インフォグラフィックって本当に便利だなと痛感しつつイントロダクションが終了し、ワークへ。

1.ブレインストーミング
アイデア出し自体は得意だし、慣れている議題だと思っていたものの、中国語が飛び交う中で英語で文脈も含めて伝わりそうな課題やアイデアを出すのが結構難しく、心理的安心が足りないとアイデアはポンポン出てこないものだなぁと思いながら事例をいくつか捻り出し、それを隣にいた人たちとシェアする工程へ…

2.課題シェア
隣にいたのが台南(台湾の南側)の大学の先生(Wen-Lingさん)で、その隣にいたのが中国広州からきている若者(周夏さん)でした。周夏さんは中国語、Wen-Lingさんは英語と中国語で通訳しながらなので、他のチームより0.6倍くらいの進度にはなるものの、話したいことはお互いあるからできる限りスピードを出しつつ3人で話していきました。

Wen-Lingさんの挙げていた課題は、「高等技術領域における女性の少なさと、それに対してどれくらいのサポートと促進が必要なのか」「女性の働きながら家族を支えることへの援助や仕組みの作り方」で、周夏さんが挙げていたのが「東南アジアから連れてこられた女性の人身売買」「子どもに対する性教育」でした。(私が挙げたのは「男性が多い会社で働く女性のセクシャルハラスメント」「母親が女性を育てるときの”女性らしさ”の強要」)

3.課題設定
お互いの課題の背景を共有する中で、周夏さんからは「大学の専門家たちが性教育に関する動画を作ってインターネットにアップしても国内のコントロールによってブロックされるので人が見れなくなる」「出版するにしても障壁があって、なんとか広げようとすると法的にグレーなやり方になってしまう」という話があって、なんとなく知っていたものの事実として制限があるということに驚いたり、Wen-Lingさんからは「自分たち新しい世代が変えようとしていても、世代の異なる母親・祖母たちには理解されずに実現できないということが多い」という話があり、似たようなことがどこでも起きるんだなと共感しながら話し合っていきます

3人で課題を共有する中で、子ども・子どもを育てる親・子どもに教える先生たちのどこをアプローチするかは後で考えるとして、教育的側面に設定しようという話になり、

どこからリーチするか、彼らの抱える環境は何か、どんな手段があるかの話を進める中で、「TVやインターネットにある商業的なコンテンツによってステレオタイプ的な男女が使われ続けていることが課題なのではないか」「商業的なコンテンツであれば国の制限を潜り抜けられるものもあるのではないか」「かつ、性教育と銘打ってしまうのではなく、要素として出せばいいのではないか」という話に至り、

解決したい課題:脈々と引き継がれるステレオタイプから子どもを解放する
対象:親と子どもと教育者
使う環境:日常でのエンターテイメントのなかに織り交ぜる
解決策:①登場人物に男性・女性・他の性の人たちを混ぜる②ヒーローは必ずしも男性じゃなくてもいい③でも、強調しすぎると見る側に疑問を抱かせすぎるのであくまでナチュラルに④性の多様性や選択肢の肯定ができるものにする

というアイデアに帰結し、みんな満足してタイムアップ。いくつかのチームから共有があり、いくつかインフォメーションがあって、おしまい。

3人で3カ国の背景を織り交ぜながら話をしたけど、結果やりたいことは国内で同期と話していたこととすごく近いところになっていったのが面白かった(決して誘導はしていないw)。

同じ課題感と解決したいという欲求があれば、文化的な背景とか歴史的なあれこれとかを一旦置いておいて、すごくフラットに議論したり共感したりすることができるということを短時間ながら実体験としてできたこともすごく面白かったし、Wen-Lingさんと帰りに話したのは、「ヨーロッパは共通言語としての英語があるから国境を超えた大きな圏として動くことができているけど、私たちは言語の壁があったり海を超えての物理的かつ精神的な距離もある。でも、考えていること・向き合っている課題・考えうる解決策には共通するものがあるから、もっと関わりながら一緒にできることを増やせたらいいよね。」と話していて、本当に本当にその通りだなと思った。

男性の参加者から後で聞いた話には

興味はあったから参加したけど、いざ参加して自分の抱える課題を書けと言われたら、自分が性別に関して困ったことが全くなかったことに気がついて全然アイデアが出なかった。

という意見がいくつかあり、男性に向けられて発せられる言葉の中で起こりうるセクシャルハラスメントや「男性らしさ」みたいなことの話をしたら

そもそもそういうことが起きたとしても自分がそれで違和感や不快になることに気付けてすらいないかも。

と言われて、接すること・考えること・知ることは感情を伴う内的な変化がないとそもそも始まらないのかという発見もあり、すごく面白いワークでした。日本でもいろんな人を迎え入れてこういうワークやりたい。

この記事が参加している募集

シビックテックのCode for Japanで働きながら、小児発達領域の大学院生をしながら、たまにデザインチームを組んで遊んでいます。いただいたサポートは研究や開発の費用に充てさせていただきます。