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【世界との対話】Show Up!自分が自分であることで、世界に波紋を起こす。〜ABBAから、オーストラリアの同性婚合法化へ〜

自室から出てきたら軽快なABBAの「ダンシング・クイーン」がテレビから聞こえてきた。母が見ていたNHKの番組。何だろう、この曲を聞くと、つい惹きつけられて、心がアップテンポになる。そこで語られていたのは、私の知らないABBAの歴史とそこからの波紋。「自分である」ことを貫くことが、予想もつかない場所で世界を変える。

当時のスウェーデンでは恥ずかしいものとされていたABBA

派手な衣装とポップな曲。当時のスウェーデンでは、ABBAが好き!というのは恥ずかしいものだったらしい。ビートルズのように老若男女に響く曲を作りたいと思っていた思いが伝わらず、国内では批判的に受け止められ、当時のファンはタンスにアルバムを隠すほどだった。売れるためにやっていた訳ではないのに、そう見られていた。それを理解しながらも、自分たちの音楽を貫き通したABBA。その最大のヒット曲が思わぬ場所で世界を変える。

オーストラリアで同性愛者が立ち上がる

ABBAが活躍した1970年代後半のオーストラリアでは、同性愛であることを公言できず、バーやクラブで隠れて集まる日々。そこに繰り返し流れていたのが「ダンシング・クイーン」だった。

"See that girl /  Watch the scene / Digging in the Dancing Queen" この曲に勇気をもらった人は、「バーを出て、街へ出よう!」とデモ行進を行った。今では信じられないけど、この時、警官がこのデモ隊を取り押さえただけでなく、新聞に実名と住所が公表され、職を失った人がたくさんいたらしい。

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落とされた波紋は広がり続ける

苦しく痛みを伴う結果になった「ダンシング・クイーン」からのデモ行進だったけど、世界最大級のLGBTQIの祭典に発展して行った。

そして、2000年のシドニーオリンピックでは、地元の歌手カイリー・ミノーグがその「マルディグラ」を模して「ダンシング・クイーン」を歌い上げる。

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あの時、警官に囲まれ、新聞に晒されて、自分であることで、痛みを追った人はどんな思いでこの光景を見ていただろうか。

そして、同性婚合法化へ

あのデモ行進から約40年後の2017年、オーストラリアで同性婚が合法化する。

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あのデモだけのことではないだろう。時代の流れもあっただろう。でも、「ダンシング・クイーン」がなく、デモ行進がなく、マルディグラがなければ、成立の仕方も、時期もインパクトも違っていたのではないだろうか。

自分であることが世界を変える〜Show Up! 誰よりも世界のために〜

ABBA自身が、自分の曲がオーストラリアで起こした波紋について予測していただろうか。いや、まさかそんなことはないだろう。ただ、自分たちのやり方で自分たちの音楽を追求する、それを全うしたことが、思わぬ変化を生んだ。

そう、この変数の多い世界の中で、私たちは自分の行動が起こすことの結果など、想定しきれない。しかし、人間の内に眠っている熱には共通の振動がある。だから、自分であることが、どこかの誰かに響くんだ。自分でいることは、自分のためじゃない、世界のためなんだ。

当時、デモ行進に参加した人は、辛い出来事だったけど、自分であり続けたことを誇りに思い、今の若い人の自由になっていればいい、と。

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だから、さあ、Show UP!

あとがき

最近、友達に日食なつこの「レーテンシー」を勧められた。

そりゃ待ってりゃいつかは来るさ痺れを切らした未来の方から
待ってるだけしか能の無い奴の面を拝みにさ

いつだって必要なことは起こり、時代は変わって行く。だから、待ってたっていいのかもしれない。ABBAの曲がなくても、デモ行進がなくても、いつかは同性婚は合法化されただろう。

でも、それでいいのか?自分であることを先延ばしにしていいのか?それは、誰よりも、私に対する問いだ。

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