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妹の卒業のおはなし。

妹が高校を卒業した。
彼女のプライバシーが侵されない範囲で、姉として思うことを残しておきたいと思い、この場を借りて記していこうと思う。

まず、卒業おめでとう。
妹にとって学校に通うことは辛く苦しいものだった。
何度も彼女の相談に乗ったし、何度も彼女の涙を目にし、一緒に泣いてきた。

卒業できてよかった。
よくがんばったね。
苦しいながらも、彼女は立派に高等学校卒業という資格を手にしたのだ。

両親は、特に母は自分の子どものことだから仕方ないのかもしれないが、傍から見ていても少し過干渉なところがあった。
妹はあまり自分の話を自分からしない。
自室で静かに1人涙するような子なのだ。
変なところが似てしまったなと思う。

そんな妹からあれこれ聞きだしたい母 vs 話したくない妹の構図を何度見ただろうか。
私はあくまで姉であって、両親と違って養育していく立場ではないので離れたところから見守っていた。
ただ誕生日に書く手紙に『何かあったら、何もなくてもお姉ちゃんは話を聞くから頼りたいときはおいで』と記しておいた。

その言葉を素直に受け取ってくれたのか、強気な彼女にしては控えめなノックとともに私の自室に訪れることがあった。
たった数年かもしれない。
だけどその数年間で私は彼女よりもいろんなものを見聞きして経験してきた。
あくまでお姉ちゃんの意見だけど、と前置きをおいたうえで考えを話し、一緒に考え、少しすっきりした様子で去っていく。
こんなことが3年間何度かあった。

今朝、リビングに行くと手紙が置いてあった。
私や両親への感謝の気持ち、そしてこれからの決意が記されていた。
こんな妹の姉でいられて誇らしい。
お姉ちゃんこそありがとうだよ。

幼い頃から忙しい両親に代わって、妹を寝かしつけるのは私の役目だった。
喧嘩もたくさんした。
憎い存在だと思ったこともあった。
そんな妹が、真っ直ぐ立派に育ち、私に感謝の手紙まで書いてくれた。
なんて尊いことなんだろう。

改めて卒業おめでとう。
これからの人生は今までよりももっと長く、辛く苦しいこともたくさんあると思う。
でも、お姉ちゃんをはじめ、家族みんなあなたの味方だから。
自分を信じて、真っ直ぐ進んでいってください。

今後のあなたの人生が幸多きものになることを祈っています。


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