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イヤイヤ期の我が子にキレそうになっている私に、ママ友が教えてくれたこと[100 days challenge_day10]

今となっては懐かしい話ですが、長女を出産した後、私はノイローゼ気味でした。
初めての育児は、わたしにとっては大変につらく、そして孤独でした。
乳児の娘を抱っこしてスーパーに行くと、優しい店員さんや通りがかりのおばあちゃんが「可愛いわねぇ」と話しかけてくれます。
でも、そんな好意の一言にすら「じゃあ、ぜひ今夜だけでも預かってください」と、口には出さずとも、思ってしまっていました。完全にやさぐれていたのです。

子どもの成長は、私の肩にかかっていると思っていた

このころの私は完全にイカれていて「この子が立派に育つかどうかは、私にかかっている」と本気で思っていたんです。
今思うと「立派ってなに?」「それ、超独りよがりすぎね? 神かよ、オマエ」って自分に対してめっちゃツッコみたいんですけど、その当時はそんな心境でした。知識も経験もなく、おまけに良い相談相手がいないって、怖いことだなと思います。

この「私が何とかしなければ」という考えは、保育園に預けることができたことで、多少緩和されました。でも、基本姿勢として私の中に留まり続け、苦しんでいました。だから、道端で泣きわめいたり、お友達と同じことができなかったり、好き嫌いがある、そんな我が子を見るのが苦しかったんです。今思うと、普通にすくすく育ってくれている娘の、年齢相応の反応でした。冷静に見つめられない、人と比べるって本当に怖いですよね。

完全に「要注意」な親になっていた

保育園の保護者会で「(仕事の)帰りの電車は、正直憂鬱です。これから娘に、保育園から帰らない、もっと遊ぶと泣かれるんだ。イヤだって言われながらご飯を食べさせてお風呂に入れるんだ。そう思うと、しんどいです」とうっかり本音をダダ漏らしていました。後から知ったのですが、当時の私は、ほかのお母さんたちから「大丈夫かな」と心配されていたそうです。

先生方も、だいぶいろいろとお話を聞いてくれていたと思います。ただ、やっぱり「育児ってマジで大変」と思いこんだまま、長女2歳、イヤイヤ期に突入しました。

ママ友が放った一言に衝撃を受ける

その当時、保育園のママの中で、ひときわ楽しそうに子育てしている方がいました。その方の娘さんと、我が子が仲良くなったので、ある日の週末、公園で一緒に遊ぶ機会がありました。
イヤイヤ期の娘、バイバイの時間に「まだ帰らない」と公園に大の字になって暴れ始めました。私はそれを見て、恥ずかしくて、マジで切れちゃう5秒前みたいな状態でした。でも、そのママ、めっちゃくっちゃいい笑顔で言ったんです。

「すごいねぇ。こんなに感情を全身で表現できるのって、今だけだよねぇ。しかもさ、こんな小さな公園で遊んでいるだけなのに、ここまで泣き叫んで帰りたくないほど楽しく過ごせたってことは、本当にすごいねぇ」

この一言で、私、目が覚めたんです。

この子、私とは違う人間なんだ。
うまく表現できるか不安ですが、「私とは違う人だから、全部わからなくて当然だし、私が彼女を変えることはできない」と気付くことができました。

怖いですね、親って。いや違う、私って、怖い。
なんでそんなこと、気付かなかったんですかね。
自分自身も、子ども時代に「母と私は違う人間だ」って思って反抗していたのに、すっかり忘れていましたよ。
「この子は私とは別の1人の人間だ」とわかった瞬間、どうにかして自分の思い通りにいかせよう、と思ってしまっていた自分に気づきました。そして、その感情をキレイさっぱり消すことができました。

子どもを見ずに、周りの目を気にしていた

今まで、いろんな方が親身になって、さまざまアドバイスをくれていたけれど、これほど救われた一言はありませんでした。

そのママは、けっこう本気で子どもの言動を楽しんでいて、子どもが楽しんでいる時も、泣くときも、ぐずるときも、完全に「観察」していました。
理系出身の研究職のだったということもあるのかもしれません。ママ友は、いつも子どもの言動を観察しては、面白がっていました。
もちろん、危ないことをしているときなどは怒る。だけど、怒ることを多発しない。彼女の子育てスタイルをコピーしてみると、子育てが一変しました。

やっと目の前の子どもを見つめることができたのです。
そう、私はそれまで、勝手に周りの人から「いい母親ね」と言われるように、子どもを育てなきゃならないと思っていて、それを阻止する人=娘、という、もう何がなんだかわからない状態になっていたことに、この時気付いたのです。

「ま、いっか」と思える余裕

何よりも、そのおかげで子どもが可愛いと思えたことは、とてもよかったように思います。
「人参食べなくてもしなないよね~」
「絵本、好きなものを好きなだけ読めばいいよね~」
「洋服、着替えなくても、ま、いっか」みたいな、今の私に通ずるゆる~~~い子育てができるようになりました。

私は教育について学んでもいないし、プロでもないですが、子どもはおそらく、ほっといても育つ。親はその子が、その子らしく育つのを、サポートする立場で、親の思うベストのほうに導く立場じゃないのだなぁと、今は思っています。

そうして、今、長女は13歳になります。
長女が2歳くらいまでの子育ての記憶は、実はほとんどありません。それを私はいまだに悔やんでいます。でも、その後悔があるから、その2年間を取り返すべく、13歳になった今も「すごく可愛いね~、大切だね~、大好き!」と毎日伝えています。これは、もちろん、二女にも。

「あのときのあの言葉がなかったらさ、私オニババになってたよ」と、そのママ友には今でも感謝を伝えています。ほんと、人生変わった。よかったなぁ。



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