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#032「聞かない」やさしさと「言わない」つよさ。【寄り添うかたち】
根ほり葉ほり聞かなくていい。
無理に分かろうとしなくていい。
「寄り添う」かたちは色々あるんじゃないかと思う。
「聞かない」やさしさ
母は妊活のことも流産のこともほとんど聞いてこない。わたしがあまり話さないというのもあるけれど。
話の流れでいつ病院に行くなどと伝えると後日「病院行ったの?」とは聞いてくるが、その先は聞かれたことがない。
心理の勉強をしているわたしだったら、あれこれ聞いてしまうかもしれない。その人の内面の葛藤を知りたいと思うから。
心理の用語で「共感的理解」というものがある。相手の立場に立って、相手の心のものさしで理解しようとする姿勢のことだ。
だれかを理解したりだれかの考えを尊重したりすることは対話の延長にあると思っていたけれど、ことばを交わさなくても態度で示すこともできるんだなあ。
落ち込んでいるわたしをまるっとそのまま受け止めてくれている。
なにが、どのように辛いのかは二の次である。
わたしが気丈にふるまっていても、こころにぽっかり穴が空いていることを理解してくれているんだろう。
だから、何も聞いてこないのだと思う。
こころの傷を見せることを強要してこない、やさしさがある。
「言わない」つよさ
理解したいこと、わからないことに関してつい色々聞いてしまったり言ってしまったりすることってあると思う。
マイノリティになって初めてわかったけれど「なんで?どうして?」って聞かれたり「◯◯だと思う」って言われたりするのって辛いのだ。
「わたしの普通」は「あなたの普通」とはちがうとつきつけられているかのように感じてしまう。
悪気なんてないのもわかる。
理解しようと思ってくれているのもわかる。
けれども、わたし自身がまだ受け止めきれていないことに関して色々言われるのは辛すぎる。
母が初孫を望んでいることは知っている。
けれど、それを母の口から聞いたことはない。
きっと母も言いたい所ををぐっと我慢してくれている。
我慢できるってつよさだと思う。
価値観を押し付けてこないこと。
何かをことばにしたり伝えることで気持ちが楽になることもあるけれど、そのことばをわたしに向けてこないこと。
わたしのことを信頼してくれている証でもある。
おわりに
聞かないことも言わないことも、むつかしいことだと思う。
けれどもそうゆう態度でいてくれるだけで救われることがある。
「在り方」で伝わる優しさもある。
寄り添いかたって色々だなぁ。
わたしも母のような母になりたい。
なれる日が先か、諦める日が先か。
先は見えないし暗いけれど、わたしのペースで歩んで行こうと思う。
ここまでめちゃくちゃ母のことを持ち上げたけれど、おっとりとした母なので、もしかしたら、かける言葉が見つからないだけかもしれない。
その可能性も大きいが、それでは寂しいから、良い方向に解釈しておく。
おしまい。
ほんじゃ、またね〜!
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