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母の味をひとり楽しむ

私の仕事納めは毎年早い。一週間前から既にお休みなので、気の向いた時に掃除をしたり、料理を楽しんだり。ゆったりとした時間を過ごせている。

昔、実家では餅をついていた。本物の杵と臼。いつからかそれはタイガーの力じまんに代わった。時代の流れだから仕方がない。

母が亡くなって、私がこの力じまんを受け継いだ。毎年使わないと母に叱られそうだと思っている。だから年末は必ずつく。

白い餅は当たり前だけれど、祖父母から受け継いでいる青のりを入れた「ぼろ餅」が一番のお気に入り。母も大好きだった。餅米2合に対して普通の米を1合でつく。

米の粒々が残っていてかみごたえがある。これを焼いて、砂糖醤油をたっぷりつけて頂く。白眼を剥く美味さ笑。

ついでに鬼まんじゅう(写真の通り)も作った。角切りのさつまいもに砂糖と小麦粉を混ぜて蒸したシンプルなおやつ。郷土料理なので近所で買えるのだか、どれもしっくり来なかった。今回久しぶりに自分で作ってみた。

これだ!

なんて事はない。母が作っていたのが私の記憶する味なのだ。お店は衣が多い。母はさつまいもが多い。

年末は複雑な気持ちになる。私たち三姉妹全員が長男に嫁いだばかりに、正月の実家は寂しい思いをさせてしまった。みんな夫の家を優先してしまったのだ。

いつか子育てが終わったら、いつか向こうにばかり行かなくても良くなったら、また実家で皆んなで過ごしたいね、と話していた。残念ながら両親は亡くなり、いつかは無くなってしまった。

今年は息子も就職して忙しい。娘も大学生だし遊びに行ったりアルバイトしたりと家に居ない。だから夫の実家には行かない。私の思っていた「いつか」は今ようやく来たのだ。

ひとりで餅をつき、鬼まんじゅうを食べた。どれもこれも母の味だ。お母さんが生きていたら、きっと褒めてくれたに違いない。もう少し待っていてくれていたらな。やっぱり何年経っても寂しいな‥

おっと、暗いのはいけません。元気よくお風呂を磨くとしましょう!


皆さまも良いお年を(^^)/

最後まで読んで頂いて、ありがとうございました!

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