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ロボット業界の展望と豆蔵が担う未来/豆蔵のロボット開発の魅力とエンジニアのキャリアについて

2022年6月22日にエンワールド・ジャパン様主催で「ロボット業界の未来と豆蔵が担う未来」と題して、ウェビナーを開催いただきました。本記事は、ウェビナーの書き起こし記事(一部要約)になります。

登壇者自己紹介


Seiji

Seiji
2008年に豆蔵へ入社。国内電機メーカーで衛星通信のソフト開発を経験。
組込向けモデル駆動開発(MDD)、開発プロセスの技術コンサルティングを経て、ロボット開発支援サービスを立ち上げ。現在はロボット開発部門の責任者を担う。

Yasunori

Yasunori
2020年に豆蔵へ入社。産業用ロボットメーカー2社に在籍し、モーションや力制御を専門に従事。現在は協働ロボット開発のプロジェクトマネージャー等を担う。

Shota

Shota
2021年に豆蔵へ入社。国内ロボットメーカーで機構技術を中心としたロボット開発に従事。現在は機構に関する技術コンサルティングや設計業務、産業用ロボットの本体やモータユニット開発を担う。

そもそも豆蔵って?

入社前の印象

Yasunori
コンサルティング企業がロボットの開発?と半信半疑で、
・ロボットメーカーが委託しているようなソフトウェアの外注会社で働くの?
・そもそもコンサルティングって何だろうか?
・手を動かさずにアドバイスだけをする会社なのか?
・果たして自分が役に立つのか?
と疑問ばかりでした。

Shota
HPを見てBeanus2というロボットを開発した会社だという認識は持てましたが、それ以外は正直よくわかりませんでした。
・コンサルティングって何?
・入社したらロボットの開発が出来るのか?
とYasunoriさんと同様の疑問を持っていたのが正直なところです。
ひょっとしたら、入社したらメカ技術者は自分一人なんじゃないか?とも思っていました。笑

入社後の印象

Yasunori
ちゃんと手を動かして、ロボット開発を行なう会社だと認識出来ました。
顧客の困っている事を一緒になって考えて、新技術を盛り込んで顧客に提案し開発していくのが我々のお仕事です。
最初に自分が考えていたソフトウェア外注の会社のイメージとは違っていて、豆蔵のような会社は他にはなく、「唯一無二の存在」という実感があります。

Shota
コンサルティングもするが、開発の業務もガッツリするんだなと嬉しいギャップがありました。
豆蔵は元々ソフトウェアの会社なのでソフトウェア人材が多いですが、メカ、エレキの人材も在籍しており、皆で情報交換しながら開発業務を進めていける環境だったので、そこが嬉しいギャップですね。

知られざるロボット業界

2.3兆円というキーワード

Seiji
ロボット業界は今後も大きく成長していく分野です。
慢性的な国内の労働人口不足や新型コロナウイルス蔓延によって、ロボットを活用した非接触型作業のニーズが高まっています。
3年後のロボット市場は2.3兆円という予想も出ており、2019年時点と比較すると2.2倍の成長が見込まれております。
一方で、ロボット業界の課題としては、良くも悪くもロボットメーカー様のプレゼンスが強いというところがあります。
ロボットメーカー様は利益回収が至上命題となっているので、大規模な開発にフォーカスしているのが現状です。
特に、自動車産業や電気電子産業は適用事例が多いものの、食品・医療・化粧品等の三品業界への対応はまだまだこれからという印象です。

Yasunori
ロボットメーカー様は国内の大きな市場規模を誇る自動車や電気電子業界を中心として、大量に生産し供給するという「供給責任」があります。
一方で、ロボットメーカー様の手があまり及んでいない三品産業はまだ発展途上です。中食の工場やレストランの厨房・店舗では慢性的な人手不足が深刻ですね。
新しい分野はすぐに販売台数が見込めないので、ロボットメーカー様が新しい分野(三品業界)への製品化をさせていく道のりはかなり長いでしょう。
ロボットメーカー様だけでは対応が難しいところを、ベンチャー性質を持った豆蔵で市場ニーズと実態のギャップを埋める役割を担えればと思っております。

ロボット業界の最近のトレンド

協働ロボットが注目

近年のロボット業界では「協働ロボット」がトレンドです。
通常の産業用ロボットを工場に置くには安全柵の設置が必須です。
そのため、広いスペースを確保できる大企業が産業用ロボットの買い手でした。
これが2015年に安全規格が改訂され、安全柵を設置しなくても良いロボット(=協働ロボット)を生産可能になりました。
ここから需要が増え、2022年の国際ロボット展では、ロボットメーカー22社のうち18社が協働ロボットを展示、さらに18社のうち2社は新規参入している状態です。
このことからも、協働ロボットの需要が盛り上がっていることが言えると思います。
協働ロボットは比較的狭いスペースで利用可能なので、中小企業からの引き合いが多いです。
一方で、普及には様々な課題もあります。

協働ロボットの普及への課題とは?

  • ロボット自身の課題
    協働ロボットは作業者の横で安全に稼働できるように設計されているので、動作が思ったよりも遅いです。それが「思ったより生産性が上がらない」というギャップを生んでいる状況があります。

  • ロボット導入前後の課題
    導入時は、想定以上のコストが掛かります。協働ロボット単体では作業が出来ないので、ハンドや周辺機器を組み合わせなければいけないですし、ロボットのプログラミング等のノウハウが必要です。そのため、ロボットのシステムインテグレーターに委託する必要がありますが、それには高額のエンジニアリング費用が必要なため、足踏みする結果となります。
    導入後は、中小企業では社内に設備エンジニアが不在で、何かトラブルがあった時にすぐに対応できる体制を構築できない、という問題もあります。

ロボット業界で豆蔵が担う役割と使命

豆蔵のロボット開発事業

豆蔵のロボット事業部門ではロボットシステムにおける全領域の開発・コンサルティングを提供しています。
豆蔵は元々ソフトウェアの会社でしたが、ロボットに関してはソフトウェアだけではなく、メカ・エレキを含めた形でトータルでの開発・コンサルティングをしております。

お客様はロボットメーカーやロボットユーザー企業。
ロボットメーカー様に対しては、試作開発の支援や要素技術・先行技術開発の支援をしています。

ユーザー企業様に対しては、お客様の生産自動化のシステムインテグレーションのお仕事をさせていただいます。また、カスタムロボットの開発支援をしています。

豆蔵の役割と使命

お客様からの引き合いはとても多いのですが、当社のリソースも限られているため、お断りせざるを得ない状況が続いています。実際お受けできているのは引き合いの1/3程度という状況です。

ロボットメーカー様からの要素技術開発の依頼や、ロボットユーザー企業様(中小含む)からのシステム開発のご依頼が多く、その中でも、ロボットユーザー企業様から、製造製品の工場ラインに特化したカスタムロボットを作りたいといったニーズが増えています。

カスタムロボット開発=ロボットメーカーの競合?

そうではないです!
確かに、豆蔵では展示会で自社開発ロボットのBeanus2を展示していたりすると、「競合じゃないのか?」と言われることはありますが、豆蔵は「ロボットメーカー様の味方であって、ロボットメーカー様に対して技術の支援サービスをしている」ということをご説明しております。

その中で、ロボットユーザー企業様が課題解決出来ていない部分に対して、豆蔵がロボットメーカー様とロボットユーザー企業様の隙間を埋める形で支援をさせていただく事で、業界全体がより良い形で活性化していけば良いと考えております。

豆蔵の売りは製品ではなく技術力ですので、それをお客様にご提案しながら豆蔵のノウハウを業界全体に還元していきたいと考えております。

例えば、部品メーカー様が新しいコンセプトの部品を開発したときに、豆蔵がいち早くその部品を導入・評価してフィードバックしていきます。それにより、豆蔵はノウハウを獲得していくことが出来ますし、部品メーカー様はそのフィードバックを製品開発に活かすことが出来ます。ロボットメーカー様は、検証済みのノウハウと部品を導入することで、短期間に製品に取り込むことが出来ます。これにより、三方良しのスキームが出来ていければと思っております。

豆蔵の具体的なプロジェクト事例①発展途上の三品業界向け協働ロボットの開発

Yasunori
これまでの協働ロボットでは達成できないような、人と人が肩を並べて作業しなければならないような環境で作業するロボットの開発をしています。
安全性の担保がとても難しい環境ですが、今までやったことのない実験的な要素も含まれるため、これまでロボットメーカーでは取り組めなかったような経験が積めて非常にやりがいを感じています。

Shota
ロボットメーカー様では、ある程度どの用途にも耐えうる汎用設計が多いですが、オーダーメイドだからこそ出来る、機能を絞ったり増やしたりするような設計を行なっています。
お客様のご要望に合わせてモータユニット開発も自らの手で手掛けているので、ロボットを1から作り上げていっている感覚を持てています。

豆蔵の具体的なプロジェクト事例②ロボットユーザー企業向け、ロボットシステムの工程自動化、作業時間短縮化をソフトで解決

Seiji
このお客様は、ロボットを用いて生産設備を開発しましたが、生産立ち上げ時のロボットのティーチングに220時間も掛かっており、それを短縮したいというのがご要望でした。

そこで豆蔵からは、「モーションプランニングを使うことで220時間を120時間に短縮できるのではないか」と提案しましたが、お客様からは「24時間以内にしたい」という要望でした。

お客様の仰る通り、ティーチングの工程自動化だけではご要望を満たせないので、今一度、お客様の作業工程をヒアリングしました。
すると、生産立ち上げ時の設計作業(生産治具や生産順序)にも時間を要していることが判明しました。
当初ご提案していたティーチングの自動化だけでなく、前工程の改善、両方を実施しないとお客様の要望である「24時間以内」は達成できません。

そこで、設計作業を定式化してそれをソフトウェアで実現することにしました。
ソフトウェアで出力した設計をシミュレーション環境でモーションプランニングして設計検証を行なうことで、最適な設計結果を得ることが出来ます。これにより、私の試算では「220時間を19時間に短縮出来る」と考えています。

ちなみに、シミュレーション環境は、フルスクラッチで開発しています。OSSを活用する事も検討しましたが、OSSはバグも多く、信頼性に欠ける部分や、特に産業用途で使う場合はリスクもあるためです。

豆蔵で働く魅力とは?

毎日成長を実感できる環境

Shota
非常に技術者として充実した日々を送っています。
前職では(前職はもちろんいい会社です!)新規開発を経験したのですが、それがとても楽しくて、もっと新規開発の現場経験を積んでいきたい思いが生まれました。
豆蔵では、入社から既に2件新規開発の案件を経験しており、会社としても引き合いをさばき切れないような状況なので、こういった環境は非常にありがたいなと思っています。

ボトムアップな組織

Yasunori
豆蔵では、技術者がやりたい事を情報発信して、それが叶う環境があります。企画や開発は現場技術者が起点となって行いますので、技術者主体の会社だと言えますね。
顧客からの声をダイレクトに企画に繋げる事ができるので、大きなやりがいを感じます。

エンジニアの裁量が大きい

Seiji
エンジニアが主体の会社なのでエンジニアの裁量がとても大きい会社です。
新規ビジネスも現場の技術者発案のものがほとんどです。
ロボットの開発支援サービスも私が提案し、現在まで拡大している状況です。
元々コンサルの会社なので提案力を持ったエンジニアが多いことも特徴としてあります。
勿論、新規ビジネスは投資になるので、ビジネスとしての可能性が無いと会社は投資できないませんが、やりたい事やニーズの話をして、頭ごなしに断られたことは一度もありません。

一緒に働きたい人はどんな人?

技術が大好きな方

Seiji
技術の好きな方と一緒に働きたいです。私も技術が大好きです。
私は元々ロボット開発者ではありませんでしたが、新しい知識をどんどん習得していこうという強い気持ちで、ロボット開発が出来るようになりました。
そのため、技術が好きで新しい事をどんどん習得していきたいというマインドをお持ちの方と一緒に働きたいと思っています。

ロボット業界を良くしたい、変えたいというパッションをお持ちの方

Yasunori
私はパッションがある方だと自負しております(笑)
自分で提案してロボット業界を良くしていかなければならないと考えておりますので、そういった思いを持った方で、ロボット業界を盛り上げていくためにも新しいアイディアを提案して製品開発して世の中に貢献したい!という熱意のある方と一緒に仕事が出来れば必ず成功するのではないかと思っています。ロボット開発の経験は問いません。

一緒に実現していきたい!

Shota
現場からの意見が通りやすい社風です。現職で実現したい技術があるのに機会が無い方に是非、豆蔵に興味を持ってもらいたいです。
機械設計者がまだまだ少ないんです。。笑
我こそはという方は是非、一緒に働いてもらいたいです。

さいごに

ファシリテーターはエンワールド・ジャパン株式会社の吉岡様にご対応いただきました。素敵なファシリテーション、本当にありがとうございました。
当日の動画は、エンワールド・ジャパン様にご掲載いただいたウェビナー記事からご確認いただけます。

エンワールド・ジャパン様のウェビナー記事はこちら

豆蔵では、一緒に働いてくださる技術者を大募集しております。
詳しくは、こちらをご確認ください。

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