泣きっ面に

「このお店の商品好きそう。今度ポップアップやるから一緒に行こう」と姉に誘われてから心待ちにしていた今日。売り切れないように早起きして、身支度を整えてワクワクしながら出掛ける。「現金払いのみでも大丈夫なようにいつもより多めに持ってきたから大丈夫だよ」と小さな声で言う姉に感謝しながら、2人で電車に揺られて向かうこと約1時間。最寄りの駅に着いた。しかし、肝心のお店はない。SNSを見てみると20分前にお店の場所が移動になったと書かれていた。え、20分前ならもう開店している時間じゃん。と、若干不信感を抱きつつも、幸い一駅ほどの距離だったので歩いて変更場所に向かい、やっと見つけたお店。早速入ろうと目を輝かせながらお店の入口に向かう。しかし、見えたきたのは入りづらさここに極まりけりという光景。どうやらお友達というか身内が来店しているようだ。入口で話しているため入りづらいので、姉と相談して付近を15分ほど散歩してからまた来くることに。15分後、再び向かうと入りづらさここに極まりけりからの更なるバージョンアップ。お友達が増えて撮影会まで始まっていた。色々ポーズを取って店内で楽しそうにお茶をしている。そのおかげで店内は満員。別に身内を呼ぶなと言う訳では決してない。が、店員さん同士が仲良くずっとお喋りしているお店に入りづらいと感じる人も一定数いることは分かってほしい。ただでさえ入りづらい佇まいお店で店内も広くないのに、そんな感じは余計に入りづらい。あと、身内にお披露目するので満足で売る気がないならSNSで宣伝しないで欲しい。なんだか来る前にワクワクしていた気持ちも興醒めして、結局お店に入らずに帰ることにした。

そんなこともあり少しイライラした空気で駅に戻る道を歩く。すると姉が「せっかくだから古着屋さん見て帰っていい?」と言い、途中にある古着屋さんに入って行った。私は買う気はほとんどなくただその後を追った。が、入った瞬間目に入ったブローチに一目惚れをして購入を決意。その後、店内をウロウロして見つけたスカーフにも一目惚れ。何も買わないと思っていたが、結局ブローチとスカーフを買ってお店を出た。姉も可愛いスカートとワンピースを購入。店員さんも気さくでいい人ばかりだったので嫌な気分も払拭された。そのおかげで2人で「いい買い物できたね」とニコニコできるように。

ショッピングバッグをホクホクした顔で持ちながら駅に向かう道を歩く。その道は普段と違い、今日は警察官がたくさんいてピリピリした雰囲気。まるでオリンピックを思い出す光景。どこかで事故でもあったのかなと姉と話しながら歩き続けると、目の前に人だかりが。太鼓や笛の音もたくさん聞こえる。お祭りかな?と思い覗いてみると、音楽に合わせて旗や団扇を振るデモ隊だった。交差点の信号が全て赤になり動き出す警察官。「デモ隊通ります」と拡声器で先導しながら警察車両が発進し、その後ろをデモ隊が行進していく。「警察官もデモ隊のことデモ隊って言うんだ。」「デモの始まり見ちゃったね」と姉と話しながら見守る。「前に続いて素早く歩いてください」と警察官がデモ隊に指示を飛ばし、やっとデモ隊が交差点を通過。「お待たせしました」という言葉と同時に青になった信号を見て、やっぱり警察官って信号操れるんだと感心しながら、横断歩道を渡った。

最初はてっきり散々な1日になるかと思ったが、当初より楽しい1日になったので良かった。もし将来お店をやることがあったら絶対今日のようなお店にはしないと固く決意し、今日の日記を締めくくろうと思う。

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