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一度死んだから言えること!

◎一般病棟での初入浴

一般病棟へ移ってからしばらくしてようやく入浴の話が出ました。

まぁ前にも書いてもらったように、下半身は二日に一回清拭をして貰えるので、不自由は無いのです。ある意味でICUの時より親切(笑)

なので入浴なんて思っても見なかったのですが、役職はわかんないですが介護士関係の人も出入りするので、その人から聞いたのです。

「えっ入浴出来るの?」
「申請があればね」
「聞いてないし」
「月に二回で次は二週間後ね」
「聞いてないし・・・」

みたいな会話をちょうどスピーチが喉に装着された頃に聞いたのです。申告制でそれを聞いた前日が入浴日だったのでガッカリです。

やはり日本人は入浴が一番落ち着くのです。体が楽になるのです。知ってたら申請してたのに〜( ;  ; )

そうやってやっとのことで入浴日が来たのです。その頃は嚥下の訓練も始まり、リハビリ病院への転院の話も、家族には出ていたようです。

ICUの時と同じくストレッチャー式の入浴器械に乗せられて、風呂場にGOでした。その時に体を洗ってくれた人が、出入りしてくれている介護士さんで、湯温をすごく気遣ってくれて、思わず涙が出てしまいました。

その人も涙ぐんで一生懸命に洗ったり温めてくれたりして、「苦労したね。これからは元気になっていかないとね」と言ってくれました。

その人は何かと気遣ってくれて、朝出勤してくると私のところへ、必ずおはようと挨拶に来てくれます。

時に叱られる事もあるのですが、伸びた爪を切ってくれたり、髪を手櫛でとかしてくれたりと、どの看護師さんよりも寄り添ってくれたのです。

本当に嬉しかった。何気ない心遣いが、苦しい闘病生活の私には救いです。

そうして一般病棟での初入浴が終わりを迎え、部屋に戻ってきた時に部屋の中から燦々と光が溢れていて、付き添っていた人たち全員が「何これ!」と驚くような状態だったのです。


続く

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