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Photo by
lazy_planet
小春日和の一枚
秋めく頃、千葉県の厄除けで有名な神社へ参拝した日のことだ。
手を合わせ終え鳥居を過ぎ、少し歩いた並木道で見知らぬ人に話しかけられた。
「すみません、写真を撮っていただけないでしょうか。」と。
見ると、ご家族勢揃いで私の腰丈くらいのお子さんが晴れ着に、千歳飴。皆さん期待をこめてこちらを見ている(ような気がした)。
初対面の他人とはいえ、人生に一度の色節を前にして断ることができようか。
「私でよろしければ、お撮りします」と言ったものの、渡されたのは重みのある一眼レフ。
この子のアルバムに私の撮った写真が飾られるのか・・・と思うとどぎまぎしたが、無難な構図で何枚か撮り、父親らしき人にカメラをお返しした。
笑顔で御礼を言われたが、写真の出来が不安なあまり挨拶もそこそこに、そそくさと帰ってきてしまった。
肌寒くなると思い出す、あの子はいくつになっただろうか。
最後まで読んでいただきありがとうございます。