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飴ちゃんは人生の潤滑油

豆と小鳥エピソード74は「プレゼント」をテーマにバクとナミンで話しています。

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ご存知のように大阪のおばちゃんのバッグには、
たいてい飴ちゃんが入ってる。
私もそーだ。95%くらいの高確率で常備してる。
お芋さんとかお豆さんのように
関西では食べ物を擬人化することが多い
なんで飴は「さん」やなくて「ちゃん」なんかはわからない。

小腹が空いたり、喋りすぎて疲れた時の
1個の飴ちゃんはエナジーブースター、元気を回復させてくれる。
そしてバンドエイドの役目のように、なんかあった時用にバッグに入れておいて役立ったことは数知れず。

まだおばちゃんではない高校生の頃、
放課後に彼に電撃的に突然ふられて茫然自失になってる友達に
飴ちゃんをあげた。その途端、彼女は号泣したけど
あの時はきちんと号泣した方がいい時だったと思う。
遊具もなんもないさみしい公園で声を上げて元気よく泣く彼女を見て、
私は「コイツは根本的に健康やし大丈夫や」と安心した。

飛行機が遅れて集団的にイライラが高まる空港のゲートでも
飴ちゃんはいい仕事をしてくれた。
この時、私自身も日本に出張に行く時やったから
予定が狂うかもしれないと思う心配からイライライラが膨らんできた。
さらに周りの人のイライラまで感じてしまい、
どーにもこーにも苦しくなってきた。

幸い袋ごと飴ちゃんを持っていたので
「困りましたねーっ、でも心配してもしゃーないですね。なるよーにしかならんから」とほとんど自分に言い聞かせるよーに
近くに座ってる人たちに飴ちゃんをふるまった。
ひとりで悶々とイライラしてるより、この時は近くの人らと関係ない話ができて気が紛れている内に飛行機は無事、出発となり事なきを得た。
飛行機会社はカスタマーサービスの一環として、遅延で待っているお客さんに飴ちゃんサービスを実施したら、多分、仕事がちょっと楽になるかもよ。

バンクーバーでも飴ちゃんはいい仕事をしてくれた。
息子が骨折して待合室でレントゲンの順番を待っている時、ギャン泣きしている小さな男の子と途方に暮れてるお母さんがやってきた。
男の子もどうやら骨折か骨にヒビが入ってるよう。

我が息子も小さい時は泣き虫で、泣いてほしくない時に限って派手に泣きまくり、困ったこと数知れずだったので、私はお母さんの気持ちに瞬時に寄り添った。その時、私は5つくらいフレイバーの種類のある飴ちゃんを持っていた。ギャン泣きボーイの処に行き、「痛いんやね~、怖い目にあったね。でも、もう大丈夫やで。おばちゃん、ちょうど今、魔法のキャンディ持ってるからあげるね。イチゴ味は痛いのんが治って、ブドウ味はレントゲンをすぐ終わらせてくれて、オレンジ味は帰りにアイスクリームが買ってくれて、青りんご味はキミをちょっと強くしてくれて、スイカ味はかっこいいキャスト(ギプス)してくれるから、明日学校行ったら人気もんやで」思いつきでそんなことを言い5種類の飴ちゃんをあげた。

甘いもんを普段あげてないお母さんやったらと困ることになるなぁ
と思ったけど、私は賭けに出た。
幸いお母さんは喜んでくれて
「日本製のキャンディは高性能で又、よく効くからね~」と援護射撃までしてくれた。
小さな男の子はニコニコとまずイチゴ味の飴ちゃんをなめた。
するとすぐに「おぉ、痛いのがなくなってきてる~」と喜んで報告しに来てくれた。恐るべしプラシーボ効果!

だいそれたことはできなくても飴ちゃんは世界を心地よい場所にしてくれる。

モフモフ毛布に包まれゴロ度寝をしながら
ハロウィンのコスチュームを手直ししながら
家の前の枯れ葉を掃き集めながら
お聴きくださったらうれしいです


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