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たけのこ汁で思う来し方行く末|酒と肴 その一

ビールに逢うてはビールを飲み、
日本酒に逢うては日本酒を飲み、
泡盛に逢うては近頃はソーダで割る。


日々、そんな暮らしを続けてもいつまでもどこにも辿りつけないと、気付いたときにはいい歳になっていました。

いくつになっても春は新しい事を始めたくて、毎夜あてもなく飲む生活から週末にキメノミした方がまだ健康的かなと気付いた二日酔いの朝。

そう思い始めることにしたのは「テーマ飲み」 、週末のお酒のテーマ(肴)を決めてそれを楽しみに、平日の夜はなるべくおとなしく過ごすというもの。

肴は旬の食材を用意できたら上等だけど、どちらかと言えば飲んだ翌日の贖罪を準備した方が似合うのであまり気にしない。 酒さえ飲めるのであれば、肴なんて冷蔵庫の奥で眠る怪しい瓶詰めで十分な夜が多いもので。 


そんなこんなですが今回のテーマ(肴)は「たけのこ汁」 

根曲がり竹という根性がひねくれていそうな名前のタケノコに、サバ缶を材料とした長野県北信地方から新潟県上越地方の郷土料理です。瓶詰めで十分と言っておきながら、やはり季節のものは食べておきたい訳です。 

で、作ったのがコチラ。 

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全て長野県の食材だったので合わせるお酒も長野の日本酒を選択、県内のワイナリーが冬のワイン畑仕事が出来ない時期に造るお酒とのこと。

これを休日の昼下がりにやるんですよ、近所のおにぎり屋で握ってもらった塩むすびにふき味噌もつけてしまうんですよ。 


湯がいただけの根曲がり竹、こごみ、アスパラガスを口に運び日本酒をひと口、ふき味噌をつけたおむすびを食べてまたひと口。

微かな苦味を感じるのは春の生命力を手折った罪悪感なのか?なんて柄にも無いことを思ったりして、たけのこ汁を啜って人心地ついて視線をあげると、窓の外には5月の青空が広がっているんです。

夜毎ダラダラと飲む酒もそれは甘ったれで悪くないけれど、この飲み方はありだと確信した瞬間でした。

こんな風に酒と肴の話題を中心に、日々の移ろいを記して、飲まない夜の慰みを増やしていこうと思います。


メニューと材料
・たけのこ汁(根曲がり竹、サバ缶、玉ねぎ、卵、味噌)
・サバ缶ディップ(サバ缶、玉ねぎ、マヨネーズ、クリームチーズ、レモン果汁、塩、胡椒) 

酒と肴|その二 チリビーンズで願う夏の日

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