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馬刺しと暮らし|酒と肴 その四

縁があって3年程住んだ町を離れることが決まったその日、思ったことは「この土地で最後に食べたい物は何だろう」でした。

仕事の引継ぎよりも食べたい物のリストアップに忙しく、引っ越しの準備よりもどこで食べられるかを考えることに費やした一週間。海はないけれど自然と食材の豊かなこの土地の魅力をあらためて確認することが出来ました。

そして選んだ今回のテーマ(肴)は「馬刺し」。ここらのスーパーでは精肉コーナーで馬刺しのブロックが普通に売っています。街にはジビエ料理のお店もあって、市役所の食堂ではジビエの釜飯がメニューに並んでいるぐらい。

で、作ったのがこちら。

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1,000円前後で買えるブロックから20切れほど取れるので、満足するまで食べることができます。

合わせるお酒はクラフトジン。国産ハーブとして香木のクロモジを使用しているので、ソーダで割ると森の香りが広がります。

たくさんの薬味を添えて、ジン・ソーダ片手にいざ馬刺しとの思い出づくり。梅雨の晴れ間、陽の光が差し込む部屋でゆっくり飲んでいると、この3年の間に食べた土地の味やお酒の失敗が思い返されて酔いが深まる日曜の午後でした。

この部屋で過ごす日々もあと数日。どこかに出掛けるのもいいけれど、何となく億劫になってだらだらと飲み続けていたら外は夕闇。

来週には新しい暮らしが始まる。


メニューと材料
・馬刺し(馬肉、玉ねぎ、分葱、ニンニク、スダチ)

酒と肴|その三 ホタルイカで名残の春を
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