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傷には「消毒」って思っていたけれど

スーパーの出入り口付近には、まだ消毒薬が置かれていますね。
セッセと手を消毒するお年寄りも見かけます。


これって一体どれほど有効なのだろう・・・・・・?



エタノール吸入で感染への効果が確認されたという、ちょっとビックリな
ニュース記事について大きな木ホームクリニックさんが書いています。


どうビックリなのかというと、
人間の常在菌のことをまったく考えていないやり方だから。
有害なウイルスをやっつけようとするやり方だからです。


大きな木ホームクリニックさんはこう言います。


単純に「常在微生物を守る」ことを考えることが健康維持のポイントの一つ


微生物は感染症という問題だけでなく免疫に関係してきますから、
アレルギーや自己免疫疾患など幅広い疾患と関わりがあります



消毒とか殺菌という考えは、大切なものだと思われています。
ばい菌をやっつけることが大事だと。私自身もそう思っていました。


でも、殺菌・消毒って実はそんなに神経質にやるものではないのでは?



過度な消毒・殺菌・除菌は逆効果



近年では、細菌のバランスの変化と病気の関係について詳しくわかってきました。腸内細菌叢が健康状態に関わっていると言われております。


細菌すべてが悪者ではないのです。
菌をすべて殺そうとすれば、よい細菌もいなくなってしまう。
その結果、病原菌が繁殖しやすくなることがあるわけです。



殺菌や除菌をするより、子どもはどろんこ遊びでさまざまな細菌に触れさせたほうがよいとも言われています。




切り傷、どういう手当をしてますか?

最近のことです、サツマイモを切っててうっかり包丁で指を傷つけてしまいました。
消毒薬で消毒して、傷薬を塗って・・・といういつものやり方で絆創膏をはっておきました、しばらくして傷は治りましたが。


「そういえば、ちょっと前に傷は消毒するなって聞いたなぁ・・・」
と思い出し、本を探して読んでみたのです。

「あれ? そうなのか!」と思いました。

「傷はぜったい消毒するな~生態系としての皮膚の科学~」
 (夏井睦)


著者の夏井睦さんは形成外科の医師。
傷は消毒せず乾燥させなければ痛まず早くきれいに治るという湿潤治療を提唱。これで、驚くほど早く傷がなおってしまうのだそう。この本ではその理論や治療法を説明しています。



治療法は以下の通り

1. 傷口を水できれいに洗う、このとき消毒液は使わない

2. 清潔なタオルなどで水気を拭き取る
     
3. ラップに白色ワセリンを塗る
     
4. 傷口を覆い、包帯などで固定する または、
  ハイドロコロイド素材を使った医療用の保護パッドを傷口に貼る
     
5. 冬場は一日1回、夏場は数回、ラップをはがして傷周囲の皮膚を洗い、
  またワセリンつきラップを当てる


いかがでしょうか。簡単に実践できそうですね。



消毒薬ってすごく痛かった

小さい頃から私たちは、膝小僧を擦りむいた時や、切り傷には必ず消毒をしていました。ちっちゃな傷でも「ばい菌がはいったらいけない」と必ず消毒をしてました。それが常識になっていましたね。


でも、常識はかわっていくもの。
「あれ、これも違っていたのか」と思いました。


夏井睦医師によれば、消毒が必要な場面はあるが必ずしも必要なものではない、むしろ皮膚の再生には「傷口に熱湯をかけるような行為」なのです。


消毒すると健康な皮膚や、傷を治そうとする細胞にもダメージを与えてしまうのです。皮膚の細胞膜が壊されて傷を深くし、痛みも増す。



あ~確かに子どもの頃、消毒液ってすごく傷にしみて痛かったですよね。😰
あの痛みは、身体からの悲鳴だったのかも・・・。


当たり前にやってることが正しいのかな?

何気なく当たり前にやっていることが、よく考えるとおかしなことをやっていた、というのはよくあることですね。


傷を消毒する、ガーゼを当てて乾かすという一般的なやり方は、
私たちが「当たり前」だと思い込んでいただけかもしれない。


夏井医師によれば、湿潤療法を提唱した当初は消毒をしないことに対する反発する医師が予想以上に多かったそうです。
従来のやり方を否定されたと、受け入れられなかったようですね。


でも今では、この湿潤療法を取り入れる医療機関も増えてきました。
実際に痛みが無く、傷もきれいに治るということです。


疑問を持たない人たち、
従来のやり方に固執する人たち、
教科書ばかりを見ている人たち、
自分のやっていたことが誤りだと認めたくない人たち、
消毒が絶対必要だと思い込み過ぎている私たち。


大勢の人が共有している常識とは、意外にもトンチンカンで意味不明な
古い風習なのかもしれません。



消毒する・有害ウイルスを殺すという発想

消毒というやり方がベストなやり方ではない。
そんなことが感覚的にわかってきました。


それは傷口だけでなく、私たちの社会もまたそうなのだと思います。



無菌にすることは、ある特別な条件下では必要なことかもしれません。
でも人間は無菌では生きられない。世の中は雑菌だらけですから。


何かをワルモノ扱いしてそれを排除しようとか、殺してしまうことには意味が無いのでしょう。私たちが選ぶべきは、上手に共存するということなのかもしれません。



細菌たちは人間にとっても大切な存在だと言われており、良い菌まで殺してしまっては本末転倒ですからね。


痛くない湿潤療法

傷に関しては、湿潤療法が当てはまらないケースもあるようですので、
いろいろな情報から判断することをおススメしますが、知っておくと良いなと思います。


こちらに詳しい治療法の説明があります。
患者さんが真っ先に実感するのは痛くないことだそうです。


今度切り傷を作ったら、きれいな水で洗い流して湿潤療法を試してみようと思いました。



お読みいただいてありがとうございます。😊




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