不可逆的なヒビ
とてもおおきな
カラスみたいな いきものが
突然ぼくのもとへ飛んできた
なにをするわけもなく
なにを伝えるでもなく
ただじっと ぼくを見つめ
いってしまった
きみはだれなの
でも不思議と怖くはなかった
ねぇ もしまた会いに来てくれたら
きみを知らない世界に
連れてってくれないかなぁ
ぼくのあちこちが ひび割れて
すこし疲れてしまったから
すこし休みたいよ
この目も この耳も この指も
きみを知らなかったら
静穏な日々に戻れるのかな
不可逆的な
ヒビに
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