まめな滞在記 ~小山萌さん~
みなさんこんにちは、まめなプロジェクトです。
先月、まめなに滞在して2日間パン屋さんをしてくれた小山萌さんに、久比で過ごした時間について、綴っていただきました。
この記事が、まめなに興味を持ってくださっている方々に届きますように!
初めまして。パン職人の小山萌と申します。
岡山出身の25歳で、現在は東京でパン修行中です。いつか瀬戸内あたりの地域で独立開業できたらいいな、という目標のために、今はポップアップ出店をしたりしながら、ゆるく(=無理せず)、あつく、走り続けております。
今回、まめなで2日間限定のパン屋さん「つなぐベーカリー」をさせてもらったので、そのことについて振り返りを書かせてもらおうかと思います。
まめなとの出会い
まめなに出会ったのは、大学を休学中の時。岡山で開催された起業体験イベントで、まめなの理事である元木さんと出会ったのがきっかけです。
そのイベントでわたしが提案した「人と人とがつながれるカフェ」という事業を、まめなで挑戦してみなよ、と誘っていただき、やって来ました。
つなぐベーカリーとは
西日本豪雨での被災を経験し、誰も一人ぼっちにしない「つながり」の大切さを再確認したのが、この企画を発案したきっかけです。
わたし1人にできることは限られているかもしれないけれど、いろんな人が集まれる場を作ることはできるのではないか。その中で、日常的に顔が見える関係性が作れたり、当たり前に助け合えたり。そういうきっかけを作ることはできるのではないか、そう思ったのです。
でも1番は、自分自身が「つながり」を求めているのかも。高校3年生の後半から半年間、不登校になって、家にも学校にも居場所がなくて。1日中、誰とも話さない日もありました。「自分と誰かがつながれる場所が欲しい」というのが、きっと根本的な気持ちです。
このイベント開催後、「カフェを経営するにも何か武器が必要だな」と、わたしはパン職人として正社員で働くことに。パンは日常的に食べれるし、卸売やネット販売ができたり、事業として成り立ちそうだなと直感的に思ったのです。あとは、シンプルにパン作りが好きでした。
パン職人4年目となり、少しずつ自分で出店をしていきたいなと思ったタイミングで、元木さんに声をかけていただき、再びまめなにやって来たのでした。
当日の様子
イベント当日は朝4時からパンを作り始めました。
オーブンの使い方がわかりません泣、とメッセンジャーで騒いでいたら、元木さんが起きてきて、助けてくださりました。。ありがたや。。
学生時代にイベントをさせてもらった日と同様、島の中の人、外の人、若者、おじいちゃんおばあちゃん、本当にいろんな方が来てくださって、すごく嬉しかったです。
突然やって来た謎のパン職人を、快く迎え入れてくれた島の方や、まめなのスタッフさんたち。本当にありがとうございます。
大崎下島の、久比集落というこの場所が、さらに大好きになった今回のイベントでした。
パンを通して、わたしが実現したい「くらし」
一般社団法人まめなは「くらしを、自分たちの手に取り戻す」を行動指針にして、色々な取り組みに挑戦されています。
わたし自身、今回のイベントを開催させてもらって、「自分自身」と「くらし」を取り戻せた感覚があって。
例えば、洗濯物を干していた時。パンの発酵待ちで手が空いて、その間に洗濯物を干したのですが、その時にはっとして。わたしの理想の暮らしって本来はこうだよな、と。
わたしにとって、パンを作ることは仕事です。仕事というのは、暮らしの延長線でしかない。暮らしをより豊かにするために、仕事をするはずで。
でも、東京にいると、仕事のために暮らしているような自分がいて。明日も朝早いから、今のうちに洗濯を終わらせなきゃ。休日も、仕事に支障がないように、予定を詰め込みすぎないようにしなきゃ、みたいな。
お金を稼ぐことや、迷惑をかけないことが第一になってしまって、暮らしを楽しめなくなっていた自分に気がつきました。
パンをツールに、人とのつながりを作れたり、暮らしをより豊かにするためにお金を稼いだり。わたしがパンを通して実現したいことを、再確認できた気がします。
次は、来年GWあたりにまた来ます。今度は、誰かと一緒に来て、この島にさらに新しい風を吹かせたいな。