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たった3ヶ月で見える世界が変わった話


2022年1月3日。

わたしは友人と初詣に向かっていた。
年末から同棲中の彼との関係が最悪なわたしと、
新年早々旦那との別居を決めた友人。
そんな2人の幸せを願うための初詣。

最寄り駅で待ち合わせ、脇目も振らず目的地へ。
しかし、なぜか駅に戻る人の量が多い。


お目当ての某大神宮は閉鎖されていた。
職員の方にコロナの陽性が出たそうだ。

その瞬間、友人と悟った。


「うちら、今年終わったんじゃね?」


それでも2022年の幸せは願いたかったので、
わたしたちは別の神社へ向かった。
そこも縁結びで大変有名な神社だ。
わたしはそこでお守りを買った。

しかし、そこからも彼との関係は
改善されるどころかどんどん悪化した。
別居中の友人を心配しながら、わたし自身も別居することになった。

コロナ禍にもかかわらず、駅にはたくさんの人。
帰省先から自宅に戻るのだろうか。
トランクやお土産を抱えて、歩きづらそうにする人達。
それでも皆、幸せそうだ。

わたしはその人達とは逆の方向に向かう。
つい2日前に買った縁結びのお守りを握りしめながら、
「縁結びの神様なら、どうにかわたしを幸せにしてよ」
不躾ながらそう強く願い、マスクで涙を隠した。


そこから生活は一変していった。

ほどなく彼とはお別れすることになった。
長く一緒にいた分、気持ちの整理に時間がかかりそうだった。
でももう仕方のないことだとは、随分前から悟っていた。
あとはもう様々な手続きを事務的に進めるしかない。

とは言え、本当に悲しかった。


2月初旬、わたしは久しぶりの一人暮らしを再開した。

好きなものを好きなところに置き、
好きなときに好きなものを食べ、
誰にも汚されずに清潔感を保てる。

寂しさを感じなかったといえば嘘になるが、
思ったよりも一人暮らしは快適だった。
それに、喧嘩別れをしたわけではなかったので
その頃には彼との関係も良好になっていた。
むしろ一人暮らしに寂しさを感じていたのは、彼の方のようだった。

久しぶりの、自分のための時間。
30歳を過ぎて同棲を解消し、また1人で暮らし始めたわたしを
周りがどう思っているかは知らない。
ここまで来たのなら、もっと自分にフォーカスし、
やりたいことは全部やろうと決めた。
恋愛なんてもうどうでもよかった。
とりあえず、疲弊した自分を整えたかった。

「自分の決断を信じて。」

友人がかけてくれた言葉を胸に、
こうしてわたしは新生活をスタートさせた。

仕事も繁忙期に差し掛かっていたが、
パーソナルトレーニングを再開し、
どんなに疲れていても毎日ヨガと筋トレをした。
好きなだけお風呂に入って、好きなだけスキンケアをした。
予定のない休日は、一駅先まで散歩をしたり、
読書や映画に浸ったりした。

久しぶりの満足感と、静かな高揚感。

最初こそ意識して没頭している感はあったが、
徐々に心身ともに平穏を取り戻し、幸せすら感じるようになった。
新しい部屋も気に入っているし、
またしばらく1人で暮らすのも悪くないと思った。
細々としたものでも自分が決めたことを毎日こなすことで
少しずつ自分のことも信じられるようになっていった。


きちんと自分にフォーカスする。

自分のコンディションを把握する。
心身のバランスは自分でとる。

当たり前のことができるようになっただけで、
思考はクリアになり、体調も良くなった。
恋人もいないし、コロナ禍で友人にも前ほど自由には会えない。
それでも確実に、気分は前向きになっていった。

いい大人がこんなこともできていなかったのか、
と恥ずかしくも思うが、
人とのバランスにフォーカスしてしまいがちなわたしには
大きな発見と進歩となった。


そして、2022年4月3日。

わたしには優しくて誠実な、新しい彼氏がいる。

これまでわたしは、周りを見て、人を見て、
それをどうすれば変えられるかを考えていた。
自分のコンディションも見失うほど、ひたすらに。

しかし、本当に必要だったのは、自分を見つめ直すことだった。

見るものを変えることで、見える世界も変わった。

さすが、縁結びの神様。
いま、わたしはとても幸せだ。

不躾な感情を抱いたことを本当に申し訳なく思っているし、
これまでのすべての過程を含め、とても感謝している。
あの日買ったお守りは、今も財布に入れて大切にしている。

もちろん、縁結びの神様だけではない。
心配してくれた家族、友人にもだ。

新しく彼氏ができたことだけを幸せの軸にしているのではない。
自分の機嫌は自分でとる、それを幸せの軸にしていくつもりだ。

自分の世界に見えるものは、自分で変えられる。

それを忘れずに、
何事にも感謝の気持ちを持って過ごしていきたい。

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