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【わたしのキャリア3】震えながら退職を伝える

わたしのキャリアの話。


新卒で銀行に入行するも、もろもろあって転職を決意。あれ、でも、退職するときってどうしたらいいの?悩みながら上司に退職する旨を伝えたときのこと。

1社目大手メガバンク

課長に伝える
ある4月の夕方、「課長、少しお時間よろしいですか?」と声をかけた。

課長は、わたしの父より少し下の世代の、ちょっとコワモテだが話してみると優しいお父さんという感じの人で話しやすい方だった。

緊張しながら今期いっぱい(9月末まで)で退職したい旨を伝えた。早めに伝えたのは、窓口営業から外回りに配置転換させられそうな空気を感じたからだ。(本来そういう採用だったのだが支店の都合で長らく窓口を担当していた)

課長「え、どうした?仕事嫌になっちゃった?」

わたし「いえ…そういうわけではないんですが…やりたいことがありまして…」
←ほんとは嫌になったというのは正しかったのだが、そういうと引き留められる&説教されると思い、一応やりたいことができて転職するということにした(自分なりに自己分析をしてどういう業界、職種に転職するか考えてはいた)

課長「親御さんには相談したのか?」

わたし「まだしていません」

課長「じゃあ相談してからにしたらどうだ?以前部下で退職希望と言ってきた子がいたんだけど、人事部に伝えた後になって『やっぱり辞めるのやめたい』って言われてさ(笑)俺も人事部にかけあったんだけど、どうやっても取り下げしてやれなかったんだよな」

そんな話をしてくれた。

集合研修で、人事部の人から「新卒を採用しても3年はコストしかかからない。君たちが会社に貢献できるようになるのは4年目から」というようなことを言われていた。なので、上司に辞めると伝えるときは「研修受けるだけ受けて辞めるの?」とでも言われることを覚悟していたが、課長はわたしのことを心配してくれた。びっくりした。本当にありがたかった。

支店長に伝える
課長に再度辞職したい旨を伝えたわたしは、支店長面談に呼ばれた。

支店長は怖かった。とにかく数字に厳しく、新人にも容赦なかった。朝礼での目標の進捗確認ではみんなが下を向いていた。(支店長と目が合わないように)面談前、わたしは震えていた。今度こそ「3年しか働いていないのに辞めるだ?ふざけるな!」と言われる。でも辞職するには通らなければならない道だ、それに言われても仕方のないことだ。耐えろ、と自分を奮い立たせた。

支店長「辞職したいということだけど?」

わたし「…はい……やりたいことがあって、転職したいと思っています」

支店長「いいんじゃない?まだ若いし。」

わたし「え…」

支店長「わたしの部下で退職した人は何人もいたけど、『やりたいことがある』って言って転職した人はみんな上手くやってるよ。銀行が全てじゃないし、社会ってこういうところなんだなと勉強になったでしょ。回り道したと思わずに頑張りなよ」

泣きました。(嘘。緊張しすぎて涙は出なかった)そして怒られるとか思っててほんとにすみませんでした。支店長は支店長になられただけあって、器が大きい人でした。浅はかなのはわたしでした。

更にありがたいことに、

支店長「あんまり早く辞めるの言っちゃうと、やりにくくなっちゃうからさ、みんなに伝えるのは1ヶ月前にしよう」

と言ってくださいました。(ただただ神)

こうしてわたしは、心穏やかに退職日を迎えられたのでした。パワハラなどで休職してしまう人の話も聞いたけど、わたしは本当に人に恵まれた。もうお会いすることは難しいけれど、おふたりの温かい心遣いには心から感謝をお伝えしたい。

わたしは今も元気です。

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