見出し画像

Warby Parkerが評価額30億ドルのトリプルユニコーンに!

D2Cブランドの先駆け

アメリカD2Cメガネブランドの、Warby Parker(ワービー・パーカー)が新たな調達ラウンドで2億4500万ドルを調達し、その評価額が30億ドルのトリプルユニコーンとなったと報じられています。

今回の2億4500万ドルは、シリーズFラウンド(今年第2四半期にDurable Capital Partnersが主導した1億2500万ドル)とシリーズGラウンド(今年第3四半期にD1 Capitalが主導した1億2000万ドル)を合算したものとなり、資金調達総額は5億3350万ドル。

Warby Parkerとは

2010年に創業され、D2Cのビジネスモデルを眼鏡業界に持ち込み、シンプルだが洗練されたデザインのプロダクトを、良心的な価格で、オンライン販売することで眼鏡業界に革命を起こしました。コロナの影響が大きいこの時期での調達(2020年8月末発表)は、コロナ禍に関わらず、Warby Parkerの業績が安定していると推測出来ます。

成功理由はカスタマーの信頼獲得を最優先

 ①価格 x デザイン
スタンダードなフレームは、レンズ(度付き)込みで$95~で購入可能。長年業界をリードして来た、イタリアのLuxotticaが保有するブランド(CHANELやBURBERRY)の多くは、フレームとレンズ(度付き)をセットで購入する場合は、少なくとも$500は支払う必要がある。しかもそのフレームのデザインの多くは特徴的過ぎて(トレンドセッターの為)数年後には、トレンド的には若干古くさく見えてしまうこともあります。逆にWarby Parkerは、インハウスのデザインチームが、トレンドを考慮しつつシンプルで汎用性の高いデザインに仕上げているので、トレンドの変化に大きく左右されないのも高評価。

② オンラインストアとオフラインストアでのブランド体験の充実

オンラインストアのカスタマーサービス

スクリーンショット 2020-09-20 21.25.33


自宅での5つフレームの無料試着、バーチャルAR試着、30日間の無料返品、処方箋を延長するための専門家とのオンライン診断。これらは通常メガネ(コンタクト)を実店舗で購入している人にとってはとても嬉しいサービス。

オフラインストアでのブランド体験

スクリーンショット 2020-09-20 21.28.54

Warby Parkerのもう一つの特徴は、125のストアを全米(3ストアはカナダ)の都市の雰囲気の良いエリアに配置していることです。Warby Parkerのメガネをかけた清潔感のある店舗スタッフが、ライブラリーや書斎の様なインテリアデザインの中で、Warby Parkerのブランド体験を丁寧に提供してくれるのも、ストアでの体験価値を重視しているLVMHブランドと同様の強みになっています。

価格、プロダクト、オンライン/オフラインで提供している体験でも共通しているのが、カスタマーファーストでカスタマーの成功をサポートすることを第一にデザインされていることが分かります。Amazonの「Our Leadership Principles」と同様に、カスタマーの信頼の獲得と維持が十分にWarby Parkerでも考慮されています。

Amazon「Our Leadership Principles」
Customer Obsession
リーダーはカスタマーを起点に考え行動します。カスタマーから信頼を獲得し、維持していくために全力を尽くします。リーダーは競合に注意を払いますが、何よりもカスタマーを中心に考えることにこだわります。

今後の展望はポジティブ

理由①
先ず、Warby Parkerの扱っている製品カテゴリーは、メガネ、サングラス、コンタクトレンズと常に一定の需要のある製品カテゴリー。コロナ禍では、比較的手頃な価格で、長く使用出来るシンプルでベーシックなデザインのプロダクトが売れているという話を良く聞きますが、Warby Parkerのプロダクトは正にこれに当てはまります。

理由②
ビジネスモデルに関しても、現在の様な、コロナ禍ではオンライン販売がシェアを伸ばすと考えられ、柔軟性の高いビジネスモデルというところで30億ドルという評価となっていると思われます。

理由③
"Buy A Pair, Give a Pair "という分かり易い慈善活動を行っており、社会的な意識の高いブランドという点もミレニアル世代の評価に繋がっていると考えられます。

今後の動向もまたレポートしたいと思います。

Source:
https://www.warbyparker.com
https://hypebeast.com
https://techcrunch.com




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?