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最高のパフォーマンスを実現する朝食~スッキリ解説

こんにちは。

栄養学 × ヨガ で人生を豊かに

広島でヨガのインストラクターをしている

美月(みづき)です。

今回は、メンタリスト DaiGo さんの健康本についてレビューします。

これまで読んだDaigoさんのどの本よりも、興味深く読めました。

知らなかった情報がふんだんに盛り込んでありワクワクします。

一方で、参考にした研究の詳細がある所と無い箇所があったり

比較データの規模にむらがあったり、解釈に悩むところが。

今日は書籍の冒頭の、朝食の取り方について

私なりの解釈を補足して、分かりやすくお伝えできたらと思います。

朝食はとるべきか?スッキリ解説!

先に結論!
「食べすぎはNGを前提として、朝食はとるべき。」
芋や魚を中心に、夕食よりもしっかりとったほうが、体内時計がリセットされ、体調が崩れにくい。

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<食べるべき根拠>
2002年:2359人を6年にわたって調べた結果、朝食を食べている人ほど体重をキープしていた
2003年:1988~94年までのアメリカ人の健康データを調べると、朝食を抜く人ほど1日の摂取カロリーが多く肥満レベルが高かった

※観察研究のため、対象者の日ごろの健康意識や、朝食の質までわからず、偏りの可能性がある

<食べないべき根拠>
2014年 RCT研究(偏り調整済み):
283人を対象に、4ヶ月(16週間)朝食を操作
1.シリアルグループ →平均0.12kg減少
2.オートミールグループ(食物繊維多) →平均0.26kg減少
3.朝食抜きグループ →平均1.18kg減少

※朝食抜きグループが、昼や夜にドカ食いをしたり無駄に間食をすることはなかった

⇒後者の実験において

朝食を抜いたストレスから、ドカ食いする人が多いだろう

あるいは血糖値が上昇して体重が増加するだろう

という一般的な予想と異なる結果が、研究結果ということは興味深いです。

私の予想ですが、前者の観察研究(研究者が指示を出さずに、対象者の自然な状態を観察)したものより、後者の研究の方が、参加者を任意的に非日常的な研究に参加させ、朝食の内容まで指示する事で、主体的になれたのではないでしょうか。

以前のブログにも紹介しましたが

朝食を抜くことは体に対して
「これから飢えに苦しむ一日を迎えることになる」と遺伝子に伝えて!
ということと同じ。
そんな状態でランチをとると体は懸命にそれを取り込んで脇腹の贅肉(ラブバンドル)となってしまう。

「朝食抜きがダイエットに有効」と安易に考えない事をお勧めします。

逆を言えば

ライザッ〇などに入って

健康意識を高めつつ

厳しく第三者から食事制限を受けることで

ドカ食いへの欲求を防ぐことができ

「カロリー制限がダイエットに有効になる」確率は上がる

ということをこの研究は示唆しているのではないでしょうか。

さらなる補足情報があります。

<朝食反対意見>
サバンナ原則:人間は1日3食食べるようにできていない。
人間は旧石器時代の歴史が長く、遺伝子はその時代のまま。一日三食食べるとカラダに負担がかかる。 朝の時間帯はコルチゾールが分泌され、交感神経が活発になる時なので、食事には向いていない。副交感神経が優位な夕方以降に食事をするべきである

反論:1日中、胃に何かがある状態は良くない
一度に大量の食事を取る方が(血糖値が上がって)体内時計がリセットされやすい。食べない時間を設ける事が良い。
その手段を朝食抜きに限定しない。また1日2食にすればよいというわけではない(食べてもよい時間を短くする)。
※DAIGOさんは13時~14時から21時~22時までに食べる時間を絞って16時間断食(リーンゲイズ)しているそうです。

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https://www.asahi.com/articles/ASLBZ6JYWLBZOIPE02Y.html


<朝食賛成意見>
時間栄養学の観点から、朝食は太りにくい
食事誘発性熱産生(DIT=食後に発生する熱量)は、夜食に比べて朝食の方が4倍も高く、そして朝食は心身の活動を発動するために大量にエネルギーが消費されるので太りにくい。
夜食はすぐ寝るため、エネルギーはほとんど脂肪として蓄えられる。
同じエネルギー量の食事を3回に分けて摂取したとしても食べる時間帯によっては肥満になることもある。

「時間栄養学」と「魔の時刻」
https://www.reiroukai.or.jp/trivia/%E3%80%8C%E6%99%82%E9%96%93%E6%A0%84%E9%A4%8A%E5%AD%A6%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8C%E9%AD%94%E3%81%AE%E6%99%82%E5%88%BB%E3%80%8D/

時間栄養学では病気になりやすい時間まで解明されているのだそうです。

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人間は、体内時計によるサーカディアンリズムによって支配されており

朝起きてから体温や血圧が上がり、日中に活発に活動。

夕方から夜にかけて体温や血圧が下がり始め、十分な休息をとれる体制にするように整えられています。

また朝食を食べないと、時計遺伝子がエネルギー不足の危険を予測し、エネルギー消費を極力控えるので貯蔵エネルギーが増加してしまいます。

事実、朝食を食べない人が肥満となる率は、朝食を食べる人よりも5倍も高いのです。

人間の体内時計は約24.5時間(個人差あり)でどんどんずれていくので

朝日を浴びたり、朝食をとることで(血糖値を上げ)

「体内時計」をリセットすることが必要で、結果、睡眠の質の向上につながり十分に休息できるようになります。

みなさん、是非、朝食をとりましょう。

体内時計をリセットする食べ物とは

先に結論!
「イモ類、魚を取ろう」

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面白い研究を見つけました。

早稲田大学の研究「脂質の時間栄養学 」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jln/24/1/24_53/_pdf

<マウスの実験>
朝食しっかり食べる2食グループの方が、1日1食や、夕食しっかり2食グループよりも体重が増加しなかった。

<肥満女性を対象と した研究>
朝食にウェイトを置くと肥満が解消される
夕食の時間帯よりも朝食の時間帯の方が、消費カロリーも上昇し、インスリンの分泌が良く、感受性も高い。

血糖値、インスリンが 上昇しやすい食事が
体内時計をリセットしやすいことが分かった 。

また、三大栄養素に着目した研究も進んでいる。
炭水化物の中では、消化が速く、インスリン分泌を上昇させる
「イモ類デンプン」が、より体内時計をリセットしやすい 。

脂質におい ては、「魚油」が体内時計のリセットに効果的である。
DHA や EPA などのオメガ 3 系の 脂肪酸を多く含む魚油は大腸に存在する GPR (G protein-coupled receptor) 120 を介 して、インクレチンである GLP-1 を上昇させ、インスリン分泌を上昇させる 。

 魚油の中でも、DHA・EPA をより豊富に含んでいる「マグロ油」が、インスリン分泌を 有意に上昇させ、体内時計のリセットを引き起こしていることが分かった。

⇒この研究では、「マグロ油」が推奨されていますが、マグロは大型魚なため、水銀の含有量が多いので注意しましょう。

ツナ缶にこだわらず、サバ缶でもよいと思いますが、下記のサイトを参考に良い缶詰選びを行ってください。

米国に、ツナ缶を毎週10個程度のペースで食べ続けていた男性がいる。メーカーのCMを見て健康に良いと信じての行動だったのだが、それが招いたのは男性が思っていたのとは全く逆の結果。男性の主張では水銀中毒に陥ってしまったそうで、メーカーと販売したスーパーマーケットに損害賠償を求めて、裁判沙汰になっているという

またイモも、高温で揚げた、フライドポテトはNGです。

老化を早めてしまう食べ物とは

先に結論!
「ジュース、小麦、添加物」

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「果物」そのものには

ポリフェノール(抗酸化物質)が含まれているため

アンチエイジングのために皮ごと食べるのはOKですが

「市販の果物ジュース」には要注意です。

<2013年の研究 ※詳細不明>
・生のりんごを食べてもらうグループ
・りんごのジュースを飲むグループ

上記を比較した結果、後者のりんごジュースを飲んだグループは
悪玉コレステロールが増加した。

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⇒この研究だけ見ると、市販のジュースの悪影響がわかります。

また一般的なジュースは、ブドウ糖果糖液糖などが添加され、体に悪く糖分過多になりやすい事にも注意しましょう。加熱殺菌もされているので、酵素も死滅しており、体内酵素を助ける役割も期待できません。

<最近の科学の結論?※詳細不明>

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食物繊維が多いとされる全粒粉のパンやパスタを食べさせたら

血糖値の上昇は変わらなかったというデータがあるので

安心しての食べ過ぎに注意。小麦よりはお米がおすすめ。

⇒これは人間によって個人差もあります。例えばトマトを食べても血糖値が上がらない人もいるし、上がる人もいるといった具合です。

そのため、正確に自分の血糖値を把握するデバイスを、お試しで4週間程度つけてモニタリングすることをお勧めします。

大手メーカーから、安価でワンタッチ式のものが出ていますが

糖尿病患者も使う「リブレ」が有名です。

<おまけ>

ノンオイルドレッシングに注意
体に良くないとされるトランス脂肪酸、砂糖、果糖ブドウ糖液糖などが入っているので逆に太るし、油はビタミンなどの吸収率を高める効果もあるので、オイルを避けることによってそれらの吸収をされにくくする

トクホになっている植物ステロールにも注意
血中コレステロール値を下げるというメリットは表示されているが、デメリットである血管や循環器系の機能をおかしくし心臓病のリスクを上げるということについては触れられていない。

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「トクホに注意」を応用して考える


メンタリスト DaiGo さんの健康本の第一章について今回は深堀しました。

「トクホには注意」というのが個人的には印象に残っています。

何事にも裏がある。

今回、イモや魚を朝食にとる事を推奨しましたが

腸内細菌のためにも多様性が大切でばっかり食べもよくないわけです。

米国のツナ缶男性になってはいけません。

また、朝食と体内時計の関係を、再確認することで、

最近はやっているプチ断食の副作用にも目を向けてゆきたいですね。

最後に、色々調べていて学んだ事なのですが

一般的に、研究にはランク付けがあるとには言われていますが

それも妄信してはいけないそうです。

お時間ある方は、下記のURLを読んでみてください。

研究結果が2転3転するのは、研究の宿命なのかも。

RCTと観察研究――デザインの違いと意味するものの違い
https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2009/PA02833_11

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観察研究とRCTの結果は一致するのでしょうか? 
過去の研究のなかに,いくつか同じ治療介入について両者を比較した報告があり,研究結果はおおむね一致するようですが,時にまったく違う結論を出してしまうことがあります。

典型的な例がおそらく閉経後女性のホルモン補充療法(Hormone Replacement Therapy, HRT)に関する研究だと思います。

閉経前女性には心筋梗塞が少ないこと,卵巣を摘出した女性では心筋梗塞が起こる頻度が高いこと,脂質への影響,実験動物における動脈硬化褪縮効果などからエストロゲン仮説という説が生まれ,1970年代に男性に高用量のエストロゲンを投与して心筋梗塞リスクを評価するというRCTが実施されたのです。

本研究ではむしろ「エストロゲンを投与すると心筋梗塞リスクが増える」という結果が出されたのですが,その後1990年代のいくつものコホート研究のメタ解析,および16年におよぶ観察を行った大規模コホートであるNurses' Health Studyの結果からは,HRTは心筋梗塞リスクを下げると報告されました。

しかし,その後実施されたWomen's Health Initiativeのような大規模RCTでは,逆にHRTは心筋梗塞リスクを増やすという結果が出されたのです(文献4)。この結果の違いの原因は何でしょうか?

的確な情報を収集し、自分で考え、最善を選ぶよりは

最高な朝食を選択をしましょう。

皆さまが素敵な1日の始まりを迎えられますように。

Let’s enjoy moment (^^)/

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「 ヨガ × 予防栄養学 美しくなる人を増やす 美月 」

Twitter: https://twitter.com/hiroshimayoga

Note:https://note.com/mamayoga

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