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卵巣がん備忘録(9)TC療法 抗がん剤治療①

2021年10月に卵巣がんと子宮体がん、おまけに大腸がんが発覚、11月に卵巣と子宮及び付属器官の摘出手術のため10日間ほどの入院。退院後は2週間ほど自宅で過ごし、その後はパートにも復帰。開腹手術をしたあとのキズがチリチリ痛むくらいで、あとはフツーに日々を送ることができていた。

とはいえ、手術で悪いモノを取っちゃったからひと段落! めでたしめでたし・・・というわけにはいかないのが、卵巣がんの厄介なところ。
目に見えないがんを潰すために化学療法(抗がん剤治療)を行うことになった。
卵巣がんの場合、手術+抗がん剤がセットの治療になることが多いそうな。
というわけで退院から2週間後の治療方針外来で抗がん剤治療の説明を受け、初回は2泊3日の入院となった。

抗がん剤治療(初回)のための入院へ

そして、2021年12月中旬に1回目の治療。
入院初日はお昼頃に外来で採血があり、そのあと婦人科の診察。血液検査の結果、治療に必要な数値はクリアしているとのことで、診察後に入院手続きをして病棟へ。
偶然なのか手術で入院した時と同じ病室だったので、なんとなくほっとした。
部屋に入って荷物整理をしていたら薬剤師さんが来たので持ってきたクスリを渡し、今回の抗がん剤の説明を受ける。副作用の説明もあったので、「あのー、髪って絶対抜けるんですか? 抜けない人も居るんですか?」
と訊いてみたところ、
「ほぼ100%抜けると思ってた方がいいです」
おお、やっぱりそうなのか。抜けるのか。
抗がん剤で髪が抜けるなんて昔のドラマでしか見たことがなかったけれど、まさか自分の身に起こることになろうとは。
いわく「ほかの副作用は抑える薬があるんだけど、脱毛だけは薬がない」のだそうだ。
ないものは仕方ないわな。

TC療法を受ける人のためのパンフレットをもらった

夕食後に内分泌内科のドクターが来た。
何でも、吐き気止めのために使うステロイドが血糖を上げる可能性が高いので、血糖値が200を超えたらインスリンを打つそうだ。
さらに、ステロイドの作用は2~3日続くので、退院後も血糖値を急上昇させるような甘いジュースなどは禁止! でも食事はきちんと摂ってくださいね、とのこと。
なんだかクスリの副作用だけでいろいろ大変そうである。
まあ何事も初めてってのは、わからないし大変なものなのだろう。患者があれこれ考えても仕方ないので、この日はさっさと寝ることとする。

いよいよ第1回目の抗がん剤スタート!

さて入院2日目、いよいよ抗がん剤治療を行う日となった。
朝7時に起きて、とりあえずシャワー予約。看護師さんに治療後でもいいのか聞いてみたら
「治療後は体調によって入浴不可になることもあるから、朝のうちに入っておいて!」と言われたので朝9時に予約。
朝食後のドクター軍団の回診で、みんながみんな(特に若いドクターたちが)
「頑張りましょうね!」
「頑張ってくださいね!」
と言ってくれる。
もしかしたら、というかやっぱり、抗がん剤ってのは大変な治療なのかもしれんなあ・・・と少しだけ不安になりながらも、しっかりきっちりシャワーは浴びてきた。
お風呂あがりの香りを漂わせながら、9時半頃に点滴のルート取り。そこからは放置されて暇だったので、病棟内をうろうろしていた。
そして11時半過ぎに看護師さんが「じゃあ点滴始めますねー」と病室へ。
まずは生理食塩水の点滴からスタート。そのあと抗アレルギー薬と吐き気止めを点滴で行う。これでだいたい30分くらい。
抗がん剤点滴の準備のための点滴(ややこしい)が終わったタイミングで、お昼ゴハンがやってきた。八宝菜にシュウマイに杏仁豆腐。入院中にしては、ちょっとうれしいメニュー。
「お昼食べながら点滴しててもいいの?」
と聞いてみたら、まったく問題ナシとのこと。

そういうもんなのか・・・。

抗がん剤は2種類(パクリタキセルとカルボプラチン)、合計4時間の点滴。
というわけで、お昼ゴハンを食べながら抗がん剤スタートとなった。
ベッドを少し起こして、テーブルの上にタブレットを置いてYouTube観ながらの点滴。
最初の15分はゆっくりとクスリを落とし、様子を見てから速さを上げる。
ひとつめのクスリ(パクリタキセル)はアルコールが入っているらしく、始まった途端に早くも眠気が・・・。お昼ゴハンを食べて腹が膨れたせいもあるのか、YouTube観ながら寝落ちしておった。
16時過ぎに点滴交換、その前からトイレに行きたくて行きたくてしょうがなくて、このタイミングでトイレへ。おそろしいくらいオシッコが出る。

約6時間をかけて無事に治療終了

16時過ぎにふたつめのクスリ(カルボプラチン)がスタート。こちらは1時間程度で終わるそうな。
眠気も覚めたので、タブレットを観ながらのんびりと過ごし、点滴が終わってから生理食塩水を通し、17時半過ぎにすべて終了。
初めての経験なもんで、それなりに緊張はしていたような気がするが、意外にフツーに終わって拍子抜けであった。

その後主治医が来て、
「まずは無事に終わってよかったです。これから1、2週間でいろいろと副作用が出てくるかもしれないけど、とりあえずよかった」と。
無事に終わらない場合もあるのだろう。人によっては吐き気が起こったり、具合が悪くなったりすることもあるんだろうな。
治療後も食欲がわかないということもなく、夕食もしっかり食べた。
が、20時の血糖測定でなんとなんとの300超!(食後2時間血糖の上限は140くらい)
糖尿病になってから初めて見る数値である。
ううむ、クスリの影響おそるべし。というわけでインスリン4単位注射。

この日は、とにかくトイレが忙しかった。水分摂りすぎなのか、生理食塩水点滴のせいなのか、とにかくよく出る(笑)。回数も多いが一回に出る量もまあすごい。
朝からの尿量を測って記録していたのだが、計算してみたらトータル6リットルくらい出ちゃってて、逆にワタシ大丈夫なんでしょうか? って感じだった。いやー、トイレの正面の部屋でよかった(笑)。

無事に治療を終えて退院。次回も入院治療となる

治療翌日=退院日となった。
朝6時の血糖測定は155。夜インスリン打ってもこの数値だもんなー。ステロイドおそるべし。
さて、快適に目覚めたので朝ゴハンをもりもり食べ、無事に退院。
帰宅後はフツーにお昼を食べてフツーに買い物に出かけた。カラダのだるさや疲れもなく元気なので、ちまちまと料理を作ったりちょこまかと家の中で動いていたなあ。
そんなわけで第1回目の治療が無事に終了。
これからどんな副作用が出てくるのかはわからないが、テキトーに受け容れて、自分のカラダと向き合っていこうと改めて気合いを入れ直した2021年12月であった。
そうそう、薬剤師さんから「ほぼ髪は抜ける」と言われたので、このタイミングで医療用の帽子をネットで調べていくつか購入してみた♪
いつ頃から脱毛が始まったかは、また次の記事で。

※個人の体験であり、個人的な感想を書いています。診察・治療などについては記憶で書いてあるので正確ではない部分もあります。あくまでも「ワタシの場合は」の話で、すべての人にあてはまるわけではありませんのでご了承の上読んでくださいね。



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