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見てなくたって良いじゃない

駆け出しのライターとして出会ったメンバーたちが、毎回特定のテーマに沿って好きなように書いていく「日刊かきあつめ」です。

今回のテーマは「#パリ」です。

パリオリンピックが終わり、パリパラリンピックが開催されている、らしい。

家にテレビがないせいで、この手の時事には本当に疎い。まあ知らなくても生きていけますから、の精神で家にテレビが無くて早10年。困るのは今回の「♯パリ」みたいな時事ネタが全然思いつかないくらいで、それでも何とかやっていけている。

なんでもかんでも「見れるのは良いこと」ではない。簡単には見れないからこそ、全然違う観点から「見れる」こともあるのではないだろうか。

パリに絡めてそんなことを考えていると思いつく映画がジム・ジャームッシュ監督の『ナイト・オン・ザ・プラネット』である。

(あらすじ)ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキの5つの都市で同時刻に走るタクシーで起きる物語をオムニバスで描く、ジム・ジャームッシュ監督作品。大物エージェントを乗せる若い運転手、英語の通じない運転手、盲目の女性客と口論する運転手、神父相手に話し出したら止まらない運転手、酔っ払い客に翻弄される運転手。地球という同じ星の、同じ夜空の下で繰り広げられる、それぞれ異なるストーリーを描く。

映画.comより

オムニバスでバラバラの設定で描かれるが、一貫して「運転手とお客のコミュニケーション」が鍵になっている。人と人のやり取りこそが難しく、可笑しく、ユーモラスであると。

この映画でパリを舞台にして描かれるのが「盲目の女性客と口論する運転手」だ。
運転手はコートジボワール出身で、初めに乗せた外交官の黒人男性二人に見た目でからかわれて頭にきてしまう。その次に乗せた白人の女性は盲目で、優しくせねばと余計な同情をして逆に女性を怒らせる。
そして結局最後、彼女を降ろしたタクシー運転手は・・・とこれ以上はネタバレが過ぎるので止めておくが、
つまり「目に見えること」に囚われて、肝心のコミュニケーションがすれ違ってしまうが姿が描かれている。

もちろん、「見えること」が全て悪いのではなく、「見れること」が誤解を引き起こす訳でもない。ただ見えること・見れることばかりに囚われてしまうことが危ない。

そうならないためにも、時には「見ない」ことを意識してみるのが良いのではないか。「人間が受け取る情報のうち、8割は視覚からの情報である。」と言われているからこそ、視覚に頼らない時があっても良い。


ただパリオリンピック・パラリンピックだけは、全然見ていないせいで話題に全く対応できないので困っている。意外とみんな、ちゃんと見ているんだな。
何事もバランスが大事である。

文章:真央
編集:アカ ヨシロウ

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