肩を寄せ合う日々
朝、目覚めたら枕元に誕生日プレゼントがあって、この歳になってもこんなサプライズを体験できるんだ、と言うことが嬉しい。
一つ一つ感謝を噛み締めたくなるクリスマスのシーズンは、ささやかなことを喜ぶつつましさと平凡という最高の穏やかさを私の心にくれる。
電車でジェラートピケの大きな紙袋を抱えた男の人がうたた寝をしていた。
誰かへの贈り物だろうか。そうだとすれば、もしかしたら一人でジェラピケに買い物に行って、もこもこのパジャマをああでもないこうでもないと迷ったのか…と余計な詮索をしてみる。
誰かに贈るきっかけもなければ、異性のパジャマショップに足を踏み入れるなんて一生しなかっただろうに。
私だって、夫と結婚しなければ、日曜の朝から「がっちりマンデー」なんて観ないまま、その面白さを知らないまま人生を終えただろう。
私がたまに繊細すぎて、10秒しか取り上げられてないくらいの些細なニュースを見ながらぼろぼろ泣く時、「そんな感性があることを知れて良かったと思う」と夫は言う。たまに一緒に怒ってもくれる。
そんな時、面倒に思う暮らしのいろいろが一気に報われた気持ちになる。
人間は孤独に生きてはならないものだと思う。
それは私を前に進めるため。世界を広げていくために。
誰といるべき、とかはないけれど。物理的に、とかでもないけれど。
私たちはさまざまな距離感を持ちながら、互いに影響させ合って生きていくようにつくられている。
だから逆に、あらゆるものから引き離されてしまった孤独に気づけるような、そんな人でありたい。
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