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暴飲暴食でつなぐ生命線

実家のギャル(母・54歳)が2ヶ月に一度くらいのペースで狂った量のごはんを持たせてくる。
特にミートソースを毎回1.5リットルくらい寄越してくるので、帰宅してすぐに無数のタッパーに小分けにして冷凍する。
キッチン棚の場所を取るからタッパーを捨てたいのに、どうも活躍してしまう。

小分けにするなかで、ひとつふたつだけ、4食分くらいの袋を作る。くたくたになって帰ってきた日にドカ食いする用。
自分で好きなもん大量に作って食べよう、みたいな考えはみじんもなく、とにかく飯は人に頼る。
大量のミートソースがなければ、成城石井の10%オフお惣菜にお世話になったり、いつでも替え玉無料の近所のラーメン屋にお力添えいただいたりする。

せかせか生きているので、朝ごはんは割と歩きながら食べる。だからワンハンドで食べるものが好きで、よくコンビニのおにぎりを出にする。
ふと手元を見直して、小さな虫に噛まれた跡を見つける。あ、噛まれたって関西弁やから、刺された、か。とか考える。話が逸れた。

ずっと食べる。食べることばかり考える。どんなに悲しい時も、ちゃんと食べ物なことを考えていて、というか考えるようにしていて、食べたいという思いだけはいつだってちゃんと前向きでいられる。

もうぜーんぶやめた!と思ったあの時も、無理やりに入った牛丼屋で、ちゃんと嗅覚が働いて、胃腸が動いてくれたから、なんとかいま生きられている。

私はなんとか自分をだまして命を繋ぐ方法を知っている。知っているから、なんとか生きて、なんとかやっていけている。適当に転がしてやり過ごしたら、ちゃんといつか、行きたいところに辿り着けると思う。だいたい知らぬ間にミッションは達成されている。

ご飯が食べられない、というあの子のことを考えている。どうか、なんとかなっていますように。

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