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2022年3月23日 13:20
何か書きたい。そう思うようになったのはいつからだろうか。ペンを紙の上で思いのままに走らせる喜びを。過去に綴った妄想の全てを思い返す幸せを。始めて知ったのはいつだっただろうか。引きこもる6畳半。部屋の外から線香の香りが漂う。母さんが死んだらしい。知らされたのは亡くなって2日後の夜中だった。祖母が珍しく部屋のドアを叩いて、ドアと床の隙間から便箋を滑り込ませてきた。封を開いて手紙を