見出し画像

理辺良 保行 が 旅立った日

11月5日 朝4時過ぎ 

突然に 私は目が覚め 飛び起きた。

理辺良が死んだ!

私は 部屋の中を がたがたと震えながら 歩いた。。。

携帯を取り メールをする

「生きている?」


返事はない。

ためらいながら、、、 電話をかける。


理辺良に電話をかけるのは これで 2度目だ。

出会ってから 10年以上の月日が経って 2度目の電話となる。

一度目は 何か胸騒ぎがして 電話をかけた。

その時は スペインに住む彼のお姉さんが亡くなった時だった。

会った事もない彼のお姉さんが 亡くなった時に

私は 胸騒ぎがして 電話をかけた。

そして、2度目の電話は繋がらない。。。


そして、しばらくすると、
先ほどのメールが届かなかったことを知らせるメールが届いた。
彼が所属している修道会によって、携帯、PCが止められた、と思った。


私は ふとんに もぐった。

嘘だ。 ただの勘違いだ。

彼のお姉さんが亡くなった時、彼は ただの偶然だと笑った。
今回もただの偶然であってほしい。。。
そして、数時間、私はふとんの中で身動きもせずにいた。

朝8時半になり、彼が日本にいた時に在籍していた場所に電話をした。

「突然にすみません。あの、、、朝から変なことを申しあげるのですが、、理辺良神父さまが 今朝早く私の枕元に立ちました。。。」

私は 期待と恐怖で どきまぎしていた。
変な電話をかけたことで 変人扱いされる恐れと、
ただの勘違いであることへの 期待を、、、

しかし、

電話にでた方は
「私も 今こちらに来て、数時間前に亡くなられたとスペインから連絡があったことを知りました。。。突然のことなので、驚いています。
葬儀の事は、、、、」

もう、電話の向こうの声が聞えなかった。。。

こんな事があるのか、、、


二度目だ。

猫のオリバーが車にひかれて死んだ夜も 私はその瞬間に目が覚めた。
違う、違う、何でもない。
朝、目が覚めれば、きっと、枕元に来ているはず、、、

しかし、朝目が覚めると、枕元にはいない。
飛び起きて
外に出ると、外は朝霧に曇っていた。
道路に出る。
霧に曇る道路に 赤い血が見えた。

恐る恐るその赤い場所に近づく、オリバーはいない。
しかし、赤い流れの先をみると、そこにオリバーが いた。

干物のように固くなりはじめたオリバーを抱いて
家に戻った。
朝 早いというのに 大声を出して泣いた。
     (この時に書いた物語 「一本の木」がある)

        
あの時と同じだ。

命は 誕生する時に 輝く と聞いたことがあるが
死の瞬間にも 輝き 光を発するのかもしれない。。。

命が永遠への扉を開けた時に輝く光を
私達はテレパシーと 呼ぶのかもしれない。。。

私は コトバにもならない テレパシーを受け取った。。。


2018年 4月 理辺良がスペインに旅立つ時、
不思議な事だが
これが、最後になるかもと感じた。
それを打ち消し、「また、会える」と信じたくて
約束していたが、空港へ見送りにはいかなかった。

すると、理辺良から電話がかかってきた。

それも、長い関わりであったが、二度目のことだ。

「スペインに黙想に来るでしょう?
 また、そこで。
 翻訳を勧めましょう。」

「バイ、バイ。」

それが、最後の声となった。

彼の声は、フラメンコの歌い手、カンテのような
しゃがれた声で 早口だった。


彼は 私との約束を果たしたのだ。

2018年1月、彼から本を渡された。
彼はBGLTに関してアメリカ人のイエズス会司祭の書いた本を翻訳してみてはどうかと提案してきた。二人で共同で訳し、出版してみてはどうかと。
それと一緒に、私が今まで書いてきたものも、本にして出版してみてはどうかと、言ってくれた。

私は、彼の提案を快く受け、そして、彼に願いを伝えた。

「私はあなたについて書いてみたい。
あなたが持つ沢山の書籍の中で私が必要なものがあれば譲って欲しい。
そして、あなたが死ぬ時には、必ず連絡して欲しい。」と

彼は、笑いながら

「いいですよ。
 私が死ねば、全ての本はごみですよ。今も、ごみのようですけどね。
 どうぞ、好きなだけ持って行って下さい。
 あなた、私が死ぬことを心配してますね。
 そして、ちゃんと連絡しますよ。」

お茶目に言った。

「どうやって?」

本当は、そう聞きたかった。
彼が、実際に死んでも、私に連絡してくれる人などはいない。
彼と共通する会、あるいは共同体に入っていないからだ。

でも、彼との出会い、そして、全ての出来事は
思いもよらぬ方法で 成されてきている。

信じて、任せてみよう。


そして、委ねた願いは聞かれた。

彼は、死ぬ瞬間に ちゃんと 私との約束を守ったのだ。

画像1

理辺良の葬儀、納骨式は 残念な事に 本当に辛い事が あった。


彼との共同翻訳の本と、彼が出版されることを願った「宇宙の祈り」も
ある一人の元シスターにより 葬られてしまった。 

そして、彼の部屋から運んだ 大量の本が水害でごみになったこと


また、水害で避難したことにより、偶然な再会があり

スペインの彼のお墓に行けたこと


不思議な出来事 出会いが 沢山あった。
それは、また 別のお話し。。。

#テレパシー #出会い #約束 #理辺良 #不思議 #瞬間 #一本の木


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?