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理辺良 保行 と 出会った日

理辺良 保行 と出会った日は 10月30日
(Happy Meeting You Day! に書いた)

理辺良と出会った瞬間

珍獣だ! そう、思った。

180センチはある身長 背中をすこし丸めて

藍色の作務衣を着て 左手の上に右手をのせ

京都の参道のお店に立つ 売り子さんのような立ち姿だ。

顔を見て一番に目についたのは 眉だ。

ひげはゴマ塩のに 眉毛が黒い 

耳も大きく 大黒様のようだ

魔法使いのような鷲鼻

鼻の穴 耳の穴 から 

白い燻煙か 毛が出てくるような

こんな 気配を感じた。

「まずい。 食べられてしまいそうだ。」

本気でそう思った。


私は自分を知り、他者を知り、神を知るという
「カバロス研修会」に参加していた。
研修日の中盤、希望者はカウンセリングを受けられる とのことだった。

研修会の指導者であるスペイン人のアモロス神父様が
なんだかとっても嬉しそうに、黒板に字を書き始めた。

理辺良 保行

この字を書き終えて、アモロス神父さまは 
今にも吹き出しそうになっていった。

「誰もこの名前を読めないでしょう」

たしかに とても70歳代の大人が書いた字とは思えない。
小学生が書いたような字だ。

しかし、彼はスペイン人なので、まっ、読めない事はない。

「これは リベラ ホアン と読みます」

なるほどね。 たしかに リベラとは読めたが 

保行をホアンと読む人はいない。

「彼は 日本人になりました。 もとはスペイン人ですが」

アモロス神父さまは、この人が好きで仕方がないというように
嬉しそうに、一人でうけている。

「彼のカウンセリングはとてもユニークです。
 彼もそうですが。。。
 まっ、希望する方はお名前を書いて下さい」

理辺良のことを知っている人達がざわついた。

アモロス神父さまと同じようにくすくすと、こそばゆいように笑う人

なにやら眉をひそめて「私はいかない!」という人

(どんな人だろう。。。)

私はお化け屋敷が嫌い。怖いものは嫌いだが、好奇心は強い。
名簿に名前を書いた。

待合室で待っていると、

ハンカチで涙を拭いながら帰ってくる人

にこにこ笑いながら帰ってくる人 がいた。

私の番になった。


カウンセリングの部屋のドアに 
予想もしなかった風貌の人間が立っていた。

ちょっと 予想した人とは違う。。。

どうしよう。。。 いまさら引き返せない。。。

部屋は カウンセリングルームとはいえない部屋、古い畳の部屋。

「どうぞ、おはいり下さい」

女性口調 しゃがれた だみ声で 発音は良いが 早口だ。

中に入ると あぐらを組んで座り 

ぼっと立っている私の前に

理辺良は座布団を どさっと 投げた。

えっ、投げた!?

彼の顔を見ると 歯を出して 笑っている。
いわゆる にっと いう 笑いだ。

私は 座布団に ちん、と座った。

まるで 蛇に睨まれた 蛙のようだと 思った。

そして 心の中で 思わず 私は あっかんべー をした。

すると

彼は いきなり 早口で しゃべり出した。

「あなた ここに 何しに来たの」

(なにしにきたって えーー、 カウンセリングでしょうが!)

と心の中では大声で叫んだが、
冷静さを装って、なんでもない「ふり」をしてしべった。

2、3分すると、彼は急に、言った。

「あなたね、こんなとこにいないで、
 その、なんだかしらないけど、カウンセリング道場と 
 プロテスタントの教会に戻ったほうがいいよ。
 あなたの そのへんてこりんな信仰には それでいいよ。」

えーーーーーーーーーーーーーーーー
なに、この珍獣!
人の話もろくに聞きもしないで、何を言ってるの!?
へんてこりんな信仰って 何よ、 ふんだ!!!

顔が かーっとなった。

しかし

理辺良は 涼しい顔で続けた。

あなた、どうして、その道場と教会から逃げたの?」

(にっ逃げた=======、なんて言ってないよ!!!
 心の中で どっかーんと 大砲がなった)

私が しゃべりだそうとすると 理辺良は間髪を入れずにいった。

「期待」ね

えっ

「あなた、期待されると逃げるね」
「あなたの 問題は 期待」

えっ、、、

理辺良は たばこのやにで茶色になった 小さな前歯をむき出して

ニタッと 笑った。

そして しっしっ と 犬でも 追い払うように 手をはらって

「はい、おしまい。」と 言った。

はっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ドッカン ぼっかん すっどん どどーん!

私の心の中で 地雷 爆弾 花火が 炸裂した!!!!!

古い木の廊下を どすどす ギシギシ と 音を立てながら 歩いた。


待合室では グループのメンバーが待っていた。

カウンセリングを受けた人、これからカウンセリングを受ける人もいる。

「どうだった?」

「良かったでしょう?」

私は 理辺良に負けないくらい 早口で
「すんごく頭に来てる!!!!」
「彼は珍獣!!!!!」

と言った。

すると、皆は 私の口調に 驚きながらも、大笑いをした。

一人のシスターが言った。

「あなた、すごい 爽やかな顔を しているわよ」

えっ? さわやか? どこが======

鼻息が おさまらない。


でも、、、


しばらくすると、、、


そう言われると、なんだか すっ としている。

なに、この感覚。。。

淀んでいた流れが せき止められていた流れが 

一気に流れたような そんな清々しさを 私は確かに感じた。。。

なのに 私は

「あんな 珍獣、大嫌い、あっかんべー なんだから」


私は その瞬間から 何かが 変わった。

その日のノートには 怒りと共に 新たな気づきが書かれていた。

気づきとは 

それは ずっと ずっと 求めていた

あっかんべー な 存在が 居た という 奇跡

私が 「期待」から逃げていた という 事実

求めたものは かならず 与えられるという 真実。


8日間の研修が終わり、帰途に着いた。

日常に戻った。

何も変わらない日常。

しかし

私は この2カ月後、、、

 また 彼と 会うことになった。

それは また 別のお話し。。。

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#理辺良保行 #日記

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