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ふたつの物語 ふたつの奇跡

noteで知り合ったkakaさん。

彼女の読書感想文を読んで、
私を捉えていた「恐れ」が体からポロリと落ちた。

私は怖かった。 自分の作品が、評価もされず、
ただ、ぽつんの自分の記事の欄の中で 眠ることを。。。

人の評価ではない。 自分の価値は。

頭ではわかっていても、体は正直だ。
沢山の「スキ」がついたnoterさんの投稿を見ると、、
体から力が抜けた。

いじける。。。

私は、今まで、何人かの人に、「あなたは書く才能がある」と言われた。

そして、女子パウロ会、サンパウロ社、聖母の騎士社への推薦状を書いて
渡されたこともある。

しかし、私はその推薦状も自分が書き溜めたものも 
箪笥にしまい込んでいた。

それは、恐れから来ている。
私は、チーコという雌猫の助産師として12年、出産に立ち会った。
まだ、その頃は猫の避妊は当たり前の事ではなかった。

子猫が生まれると、私は母猫が子猫から離れたすきに子猫を抱いて
近所に飼ってくれる人がいないかと探してあるいた。

誰も飼ってくれない。。。

泣きながら子猫と一緒に家に帰ると、母が待っていた。
母は、「まだ目が開かないうちは痛いことを知らないからね。。」と言って
子猫たちを、私が学校に行っている間に近くの川に流した。。。

学校から帰ってくると、母猫チーコが、
あおーん、あおーん、と泣いている。
母の目を見ると、真っ赤になっていた。

私は、ただ、だまって、チーコを抱いて泣いた。

家族は猫が好きだった。
でも、家では飼えない。
近所には猫嫌いな人が居て、庭に毒を撒いていた。
私が小さい頃は野犬が居て、子猫は野犬の餌になってしまうこともあった。


商売をしていた我が家は、近所から苦情が来ることは
避けなければならなかった。

飼いたい。。。
飼ってあげられない、、、
でも、野良猫になって、
毒を食べたり、殺されたり、車にひかれるならば、、
痛みがない時に、、、 というのが 母の言葉だった。

私の詩や物語は 猫や犬のように 生まれる。
私は 自分の書いたものが 
人に認めてもらえないかもしれない。。。

それは、まるで、子猫を誰か引き取ってもらえないかと
探している私を、汚いものでもみるような目で
見た大人たちの目に
大切な子猫をさらすような 恐れ。。。

ならば、自分が痛みを感じないうちに 河に流す。。。


しかし、書いたものは、子猫と違い、隠しておける
箪笥の中に隠しておいた。
隠したものは、箪笥に入りきらなくなった。

箪笥の中が一杯になった。
何箱ものダンボールに入れ、一階の駐車場に置いておいたが、
去年の水害で水に浸かり
全てはごみになった。

そして、気づいた。
この世に送り出された存在
小さくても、それが物語、詩であっても、
皆、生き生きと生き 使命をはたし 次の命へと続く。

私の体を通じて 現れた物語を 手放す。

痛くも かゆくも ないのに 怖かった。

しかし、kakaさんの言葉を受けて 恐れが ぽろりと落ちた。
そして、涙が ぽろぽろ ぼろぼろ と 落ちた。

この物語が 誰かを励まし 誰かに寄り添うことが 出来ますように。。。

たった 一人の あなたと 

今ここに 生かされてる恵みを

分かちあうことを 祈りながら。。。

#助産婦 #エール #祈り #感謝 #クリスマス #物語 #猫 #一本の木  

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