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絵本『まってる。』

以前森川さんのコンサートリーディングで紹介してもらった絵本です。

コンサートリーディングは音楽に合わせて絵本を読んでいかれます。

声も素敵で、何度も繰り返される「まってる。」のフレーズが色々なニュアンスに聴こえてきます。

人生には沢山の「まってる。」があるんだと当たり前だけど、気付けないことをストンと落としてくれるそんな絵本です。


お腹の中の赤ちゃん。「まってる。」

つわりがひどく、とにかく動けない時期。

切迫早産で入院。赤ちゃんを早く出してしまいそうな自分の身体を悔いて、赤ちゃんに申し訳なくて、病院のベットで声を殺して泣いた夜。

お腹の中の赤ちゃんが手足を動かす。自分のお腹の中からエイリアンが出て来そう「イテテテ」と言いながら、お腹を愛おしく撫でた。


2人目の妊娠。「ママのお腹に赤ちゃんが出来たんだよ。今度は女の子かなぁ~」と夫婦で楽しみに「まってる。」。暫くして安定期に入ったくらい、病院に行くと「男の子ですね」「・・・」

保育所に長男くんを迎えに行った車の中。

まだ2才半の長男くんに「赤ちゃんね男の子だったよ」と伝える。

「ママはそれでいいの?」と神妙な面持ちの長男くん。

「え?!ママはいいよ」そんな質問を何で?と思う間もなく

「パパはそれでいいの?」

「パパも喜んでいるよ」と答えた瞬間ぱっと笑顔になる長男くん。

「あぁ良かったぁ。ボクね、赤ちゃんはね、男の子が良かったんだぁ。弟が良かったんだよ」と嬉しそうに。喜びが込み上げてくる笑顔。


まだ2才なのにこんな気遣いが出来るのかと、本当に驚き今でも鮮明に覚えているやり取り。


次男くんが産まれるまで、長男くんは「待ちきれない。」様子で毎日お腹に「○○くん」と話しかけてくれた。出産して分娩室。初めての赤ちゃんとのご対面。おそるおそる長男くんが「○○くん」と呼ぶと、次男くんは産まれてはじめて目を開けた!!


赤ちゃんが産まれる前。夜、私と旦那さんが名づけでもめていた。私にも旦那さんにも譲れない、付けたい名前があった。どうしても決まらず長男くんに聞いてみる。

「赤ちゃんのお名前は△△くんがいいよね?」ママ

「違う違う」長男くんが首をふる。

「じゃろぉ。絶対赤ちゃんの名前は□□くんだよね?」にんまりパパ

「違う違う」長男くんがまた首をふる。

「赤ちゃんのお名前は△△くんじゃないよ!□□くんじゃないよ!」「赤ちゃんのお名前は○○くんなの!!」長男くん言い切り。

それまで一度も候補にもあがったこともない名前を自信満々に「当たり前だろ」と言わんばかりに言い張る長男くん。「あぁこの子は知っているんだ」と妙に納得したパパとママ。


それからの息子くん達。こんなエピソードとは裏腹に。同じパパとママが一緒に育てたとは思えないくらいに、全くタイプの違う正反対の二人に育ちました。

小さい頃はよく朝から喧嘩。夕方も喧嘩。夜寝る前も。。。


今では中高生の息子くん達。喧嘩はめっきり減りました。

ずっと一緒に大きくなった2人。この春巣立ちの時。ちょっと淋しい「まってる。」

私にとって掛け替えのない息子くん達の存在。息子くん達お互いにとってもきっとそうなんだろうなぁ。。。


息子くん達を「まってる。」人達。

息子くん達に「まってる。」幸せ。

心から願い背中を押す。離れていても大丈夫。そう信じよう。


私には小さい頃離れ離れになった弟がいます。

日本のどこかにいる弟くん。どうか幸せに居てくれますように。。。

いつか会えたらいいなぁと息子くん達を見ているとそう思う。その時を楽しみに「まってる。」

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