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サステナブルな職場

 ここのところ職場と遠く離れた会場での研修により週の半分くらい職場に行かないという生活を送っていたのですが、それがわたしにとってはだいぶ励みになっており、明日行けば、そのあと二日は出勤しなくてすむ!頑張って生き延びよう!という心持ちであった。が、昨日研修が終わり、ああ終わってしまった、明日は出勤しなくちゃ、そのあと週末があるけど週末が終わると一週間がはじまってしまう、一週間が終わると週末が来てくれる、でもそしたら次の一週間がはじまってしまう、そのあと週末が来るんだけどソレが終わると、え、また一週間がやってくるやんけ!なんなの!一生次の一週間来るんだけど!という真っ暗な無限の空洞を直視してしまい、帰り道神保町をとぼとぼ歩きながら泣いた。会社に行きたくなくて夕暮れの街中でひとり泣くいつまでも社会に適応できないおばさん……かわいそう……

 具体的に何が問題なのかってのは、正直ない。たとえば、職場のひとがすんごくいじわるだったらいいのになと思う。職場のひとがすんごいいじわるで、わたしだけ激務で、難解な無茶ぶりされたりして、それだったら堂々と行きたくないと言えるのに!!!この会社に行きたくないという幼稚な苦しみを誰かのせいにしたい!職場のひとはいじわるをしてこないのだけど、職場のひとたちのことは基本的に全員苦手であり、でもそれは苦手な人ばかりが集まる職場と言うことではなくて、わたしはどこにいようが大抵のひとのことは苦手なのであった。ちょっと手が空いた瞬間の沈黙も、雑談も、同じくらいに苦痛である。猫の話やむかつく上司のはなしや服の話やダンナの愚痴や過去の恋人の話を聞いているとき、どの表情を選択すればよいのかわからないし、相づち以外のコメントに何を選択していいのかわからん。しかしわからんからといって、全ての話に真顔で「そうすか」と言い放つ度胸がない。ないから必死で表情とコメントの選択肢をスクロールしているのだが、決定ボタンを押したソレはどうやら毎回不正解のようにかんじる。すると次の瞬間から「げ、これじゃなかった、じゃあどれだったんだろ」と考え始めるので、次に続く話をもう聞いていない……職場に電話ボックスくらい小さくていいのでブースがあったらいいのにな~そこで約8時間、大量の仕事をひたすらこなしたい。そんで、聞きたいことがあるときは、チャットで質問したい。でもわたしのブースだけぽつんとあるの気まずいから、ブースはいくつかあるといい。設置はフロアの端っこに並べるかんじでお願いします。並びのブースで仕事するみなさんは時々ブースを出て気分転換やおしゃべりをすればいいと思いますが、わたしは決して出ません。たまに忍者のようにトイレに行き、忍者のように外の空気を吸います。あの忍者が池に潜るときに使ってる竹のやつ、あれをドアの隙間からそっと出して外の空気吸えばいっか。ストローじゃ細すぎるからね。あと、外が見える仕様にするかという問題なんですが、電気があるとはいえ、やっぱ多少外は見えた方がよい。のだけど、丸見えってのはいやだし、気が散る。そこで考えたのが、立ち上がったときに見える位置に窓があるってことです。もしくは、ガラス張りなんだけど、上と下以外はスモークってのでもいいですよ。しかし贅沢を言えば、ドアと反対側は屋外に面した窓にしてほしい。ロールスクリーン付きの。そしたらもう在宅でいいじゃんって思うよね。でもわたしの今の担当業務が超ウルトラ個人情報を扱う仕事だから、それを自宅でってのは難しいですよね、わかります。なんで、わたし出向きますんで。全然。このブースになら、いくらでも!エブリデイ!エブリデイアイリッスントゥマイハート!(平原綾香)
 人手が足りないとか言ってますけどね、この環境ならわたしの業務効率は爆上がりします。なんてったっていま、わたしは「他人の中にいる」という状況を処理するだけでリソースの8割を消費しているんですから!残りの2割のうち、1割は別のこと考えてるので、結果的に1割の力で全ての仕事をしているわけです。いつもフルパワーで頑張っている。しかし、この環境にしてくれたらわたしは8倍のエネルギーを仕事に費やすことができる!のにエネルギーが余る!続けられる!これがサステナブルっつうもんじゃないのかい。仕事自体は好きなのです。が、職場がいやなだけなんだ。その職場での対応が仕事なのだと言われると、じゃあ仕事は大嫌いですということになるので、わたしの好きな芯の部分だけを分離して任せてはくれないかしら。一生懸命やります。
 ああ、なんか理想の職場のことを考えていたら元気が出てきたので寝ます。

 先日子どもが熱を出したとき、職場に人がいない日だから自分に割り当てられたことだけでもやって帰ろうと思って朝だけ出勤したのだけど、そのあと「なんかあの人来て仕事しようとしてたんだけど。いや別にーみたいな笑」って影で言われてた(という事実を教えてくれた、ご親切に)んで体調不良の今日は行くという選択肢を捨てた。ふん。

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