「学びたい」は止められない

前回の記事で,
「学びを止めない」止めているのは誰だ?
というタイトルで書きましたが,長くなってきてなんだかなぁと思ったので(笑),内容を2つにわけることにしました.普段なら,タイトルも(2)とかするんですが,なんか違うなぁとおもって,タイトルも違うものにしてしまいました.けれど,前回の続きですので,みなさまそんな感じで読んでください.

2時間考えた結果を,18時に集合した院生に伝え,さて...と
毎年何かしらで,学生を集め重大な話しをする(わけあって,研究室への様々な事件で研究室がなくなるかも,や,ボスが不在になるかも,などなどで学生に他の研究室に移りたいのは止めないし,話しもつけるし,応援するし,みたいな話し...ばかりです)のは春が多いなぁなんて思ったりしつつ.

彼らは,すぐに動き出しました.
・パソコン周り,オンラインでゼミができるように持ち帰るものを準備
・教科書,専門書.印刷体しかないもの(1冊しかない本を誰が持って帰るかの争い(笑))の持ち帰り準備
・自宅にいる間に研究をどうやって進めるかの確認

すごいなぁって見てました(笑).どんどん,学生同士で話しをしてどうするかが決まっていく.何よりも感動だったのは.

「英語ゼミをしましょう」

ということが提案され,可決に至ったこと.
4月からやる予定だった,英語の化学の教科書を輪読しようというゼミ.英語にくわえて,かなり広い範囲での少々専門的な知識も必要な教科書を読む.みんなで議論する.オンラインになったら,全員が出てくるようになるまで,やれないのだろうなぁと思っていたゼミ.

こんなに成長しているなんて!!

率直な感想.本当に自発的に勝手にみんなが行動しているその様子がすごかったなぁと.結果,それから1ヶ月半以上たった今も,そのゼミは毎日続き,ゼミ以外でもオンラインで集まってはしゃべり,これを辞めてしまう,やらない,のは怖いとのこと.せっかくこれまで培ってきたものがなくなってしまうのではないか,力がおちてしまうのではないか,再開したときにすぐに研究を再開できなければ意味がない.

子どもの成長って早いなぁって思っていますが,院生の成長も早いなぁと.いつの間にか,昭和な家族のような研究室になっていたのだなぁと思っています.良いか悪いかはそれぞれあるかもしれませんが,確実に力をつけている,と感じます.そんな中.世の中はオンラインを排除したり,格差を怖がったり,誰かを責めたり...院生を見ていると,結局,予定よりもどんどん家にいる期間は延長されていき,精神的にしんどくなっているようではあります.

そんなときは,公園にちょっと出てきてもらい,大きな声で会話しています(遠いから(笑)).小さいディスプレイでは視野が狭くなる!!とか言って,研究室でそれぞれが使用していたディスプレイを配布したり,延長コードだったり,たこ足だったり,みんなお買い物も最小限にしているようなのでそのあたりの情報交換とか.

土台としては,2年くらい前から研究室での連絡ツールをLINEからslackに変え,プライベート感を排除して気持ちの切り換えに重点を置き,なるべく自分のペースで,とはいうものの,習慣は大事なので,朝9時から実験を始める,今年度は,密になるのを避けるためにzoomでのオンライン朝礼と,色々やってきました.
研究室で様々なオンラインツールにお金をかけることが難しいため(そういう仕組みがないので),ありがたくもフリーで提供してくださっっているものを組み合わせてやっています.子育て中の私にはとても心強い!と思っていたし,そんなボスの自由奔放さを何の気なしに(かどうか,本当のところはわからないものの...)受入れ,今ではどんどんweblabな生活を快適にしてくれ,研究成果を産み出す...新しいテーマを発見してくる,一緒にいて実に楽しいわけです.

次の課題は,これをどうつないでいくか...です.
研究室には毎年,新しい学部4年生が配属されてきます.この4年生に,今の院生がどのように受け継いでいくのか.しかも,今年度はかなりイレギュラーな状態の配属となり,皆で右往左往です.

結局,ボスが何をするか,はあんまり関係なくて,たくさんのものを見せてあげたり,環境を提供したり,一緒に問題に取り組むことが大切だなぁと思います.このタイトルの通りで

「学びたい」は止められない

ってことです.
学びは,学びたい,でなくてはならず,それはとても尊いものだということかなと.

彼らの成長は楽しい,わくわくを私にくれるので,また書きます.


明るく楽しい母子家庭(それが1番良いわけではなく…)のworking motherです.思い切りが良すぎるため,落とし穴にもはまりがち.這い上がっては走り出し…そんな毎日を送っています