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子どもへの声かけ②具体的に

子どもへの声かけについて、
「その子がどんな気持ちでいるかを想像しながら、
その子が気持ちをわかってもらえたと思えるような声かけをしましょう」
ということを、以前youtubeでお伝えしました。

https://www.youtube.com/watch?v=2Pf-deDboPI&t=17s


ただ、その声かけの仕方がわからない、ということを
何度か保護者の方から言われました。

「わからない」ということは言いにくいことなので、
わからないままだけど私に相談をしない、
という方も結構いらっしゃると思います。

(教えて下さった方、ありがとうございます!)


なので、もっと具体的にお伝えしようと思って、
今回のブログを書いています。




声かけがうまくいかない場合は、
「声をかけているけど全然応えてくれない」
「声をかけると、むしろ喧嘩になる」
などといった状態だと思います。

喧嘩になるということは、子どもからしたら、
「親に気持ちをわかってもらえた」とは思えないどころか、
「親は気持ちをわかってくれない」と思っているということです。


「朝学校に行く時間になったけれど、うずくまって動かなくなった子」
を例に挙げて考えてみましょう。


ご自身が、何かしらの気持ちを抱えて学校に行く気力がなくなった子どもになったつもりで考えてみて下さい。


例1

お母さんが話しかけてきます。

「どうして学校に行こうとしないの?」

子(・・・)

「どこか具合の悪いところでもある?」

子(首をふる)

「何か理由があるの?」

子(・・・)


学校に行かなきゃいけないんだけど行く気力が出ない子どものあなたは、
これに対して応えることはできるでしょうか?

行かなきゃいけないことはわかっているので、
行けないと言ったら、怒られるんじゃないかとか、
怒られないように言うためにはどうしたらいいだろう、
なんて考えていたら、言葉は出にくいと思います。


例2

お母さんが話しかけて来ます。

「どうしたの?お腹が痛いとか、頭が痛いとか、体調が悪いところでもある?」

子(首をふる)

「体調が悪いわけではないんだね」

子(うなずく)

「何か不安な気持ちでもあるの?」

子(うなずく)

「それはいつからあるのかな?」

子「昨日の夜」

「そっか。昨日の夜から不安になることがあったけど、朝は頑張って起きて行く支度をしてたんだ。何を考えてたら不安になったの?」

子(・・・)

「今は話すことができないくらい、不安な気持ちが一杯なんだね。
それは学校に行く気力も出にくいかなって、お母さんは思うよ。
夜から不安なことがあったんなら、あまり眠れなかったんじゃない?」



例1,   2ともに、子どもは説明ができていません。

ですが、子どもの立場に立って考えたとき、例2の方が、
「お母さんは私の気持ちを考えてくれてる」と思いませんか?

自分の気持ちを考えてくれている、と思えると、
「正直に言うと怒られるかも」という不安は減って、
お話もしやすくなると思います。



例2のように、子どもが話しにくいという気持ちを抱えている時には、
YesかNoで答えられる質問から始める方がいいです。

そうすれば、言葉を発することができなくても答えられます。


次に、単語で答えられる質問を行います。

そして、「どうして?なんで?」とWhyで尋ねるのではなく、
How、What、Which、Who、Whereで尋ねるようにします。
そして、子どもが答えるのを聞きながら、
理解したことをまとめて伝えるようにしてみて下さい。

その時に、その子の状況を思い浮かべながら、
その時のその子の気持ちを考えつつお話を進めていきましょう。



こういうシチュエーションが繰り返し起こる場合は、
つい「いつもの事でしょ」という気持ちで向き合ってしまいがちです。

ただそれだと、その子には、親は自分の気持ちをわかってくれてる、
とは思えません。

これまでの事を一旦脇に置いて、頭を真っ白にして、
今目の前のその子の抱えている気持ちに目を向けるようにしてみて下さい。


そして、子どもの問題を早く解決したいと思う親は、
つい、すぐにアドバイスをしがちです。

ですが、その子が「わかってもらえた」と感じるまでは、
アドバイスは慎重にした方がいいと思います。

また、できたらアドバイスはしない方が良いです。

私のお勧めは、「前に同じようなことがあった時はどんな風にした?」とか「○○さんだったらどんな風にしているんだろう?」
などと尋ねて、本人が解決策を考えるお手伝いをすることです。

アドバイスをしてしまうと、それが繰り返し起こっている場合、
子どもはアドバイス通りにできない自分を責めてしまいがちです。

そして、「親は、アドバイス通りにしなさいと思っているだろう」
と受け取ってしまいます。



少し長くなってしまいましたが、
子どもへの声かけ、具体的な方法について書いてみました。


子どもへの声かけがうまくいかない親御さんの中には、
ご自身が気持ちに目を向けた育てられ方をしていない、
という人もいらっしゃいます。

子どもの気持ちに目を向ける必要性を知っていても、
自分が親から気持ちに目を向けてもらえなかったことが
辛い経験として心に残っている場合、
心が苦しくなって実行できないと言われることがあります。

感情コントロールがうまくいかなくて、
子どもの気持ちに寄り添えないという方もいらっしゃいます。

こういった場合は、親御さんご自身が診察を受けて
気持ちを整理されることをお勧めします。


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