猫好きな私が嫉妬した、ドイツのペット事情と保護施設システム
今回は、猫好きな私が日本人に知ってもらいたい「ドイツのペット事情と保護施設システムの圧倒的うらやましさ」についてお伝えしたいと思います。
いや、もうね。ドイツの爪の垢を煎じて飲みたい。なんで日本でできないんだーーーっ!と歯痒くなるばかりです。
私は自他共に認める猫好きで(犬も好きです)、これまで40年の人生を振り返ってみると、犬3匹と猫20匹以上を飼ってきました。自分でも改めてよく飼ってきたなぁと思う。。。
野良犬や野良猫が勝手に住み着いたり、捨てられてる子猫を拾ったり、出産直前の猫を保護したりしてきました。
※近所に猫が増えないように、我が家に迷い込んでくる野良猫に対しては、できる限りは捕獲して去勢・避妊手術をしてます。
日本の「ペット」に対する違和感
小さい頃から犬や猫が当たり前にいる家で育ってきたのですが、小学生の頃から「ペットは買うんじゃなくて保健所からもらえばいいのに」と思ったり、「人気ペットランキング」という言葉に違和感を感じつつ生きてきました。
そして、22才でドイツ留学した時に、その答えというか「こうだったいいのにっ!!!」という答えに出会いました。
前置きが長くなってしまいましたが、今回は、ドイツ留学中に私が目の当たりにした、ドイツにおける人間とペットの関係や、ペットショップのあり方、行き場のない動物の保護のされ方などをご紹介します。
ドイツと日本を比較することで、日本のペット業界がいかにおかしいか気づいてもらって、少しでも多くの人が日本のペットビジネスについて考えるきっかけになれば幸いです。
ドイツにはペットショップがない
正しくは、「生体販売しているお店がほぼ無い」です。
ドイツには子犬や子猫みたいな生体(生きている動物)を売っているペットショップはほぼありません(ペット用品やウサギや魚とかを売っているペットショップはありますよ)。
日本だと、大型ショッピングモールや街角にあるペットショップに行くと、ガラス張りの中に入っている子猫や子犬がいますよね。あのガラス張りの中に閉じ込められている犬や猫を見て、「可愛いー」と見ているお客さんもたくさんいますよね!とくに週末になると家族連れで子犬や子猫を抱っこして楽しく過ごしている様子を見ます。
一見、ほのぼのなごやかな光景ですよね^^
だけど、私はその様子を見て「この可愛い犬とか猫がどんな環境で生まれてきたのか知らないから、軽々しく可愛いとか言えるんだろうな。ペットショップで買うより、譲渡会とか行けばいいのに。」と心の中で思いながら横を通り過ぎています。
朝から夜まで明るい蛍光灯の下、狭いところに閉じ込められて、ショーウィンドウ越しにたくさんの人に見られて可哀想でしょ。
ドイツ人はどこで猫や犬を買ってるの?
ドイツではペットショップでは犬や猫は売っていないので、簡単に資格のあるブリーダーさんか、保護施設(ティアハイム:動物の家)から引き取るという方法がほとんどです。
そもそも「買う」という意識ではないです。買うって英語でBUYですよね。お金を出せば買えるモノ。でも、ドイツではお金を出せば好きな犬や猫を買えるというわけではありません。ペットを迎え入れるときには、経済状況、飼えるだけのスペースの有無、家族構成、など厳しくチェックされます。
ドイツの街中や公園で散歩している犬と飼い主さんを見ると、本当にしつけが行き届いていて、無駄吠えする犬や、引っ張られている飼い主さんは見たことないです。徹底した躾の仕上がりにビビりました。
ボランティアと寄付で成り立ってる保護施設
ドイツには、捨てられたり、飼い主さんの都合で飼えなくなった動物が保護される施設「ティアハイム」があります。日本の保健所とは違って、ティアハイムで保護された動物は、貰い手がみつからなくても殺処分されることはなく寿命をまっとうするまでそこで暮らしています。
ちなみに運営の仕方ですが、どこかの会社がビジネスで運営しているのではなく、多くのボランティアさんの協力と、寄付金で成り立っています。自治体からの助成金は全体の10%未満だそうです。
ドイツ人の友達曰く、ペットという存在を大切にしている、動物の尊厳を考える、宗教的に国民的にボランティア活動がすごく身近なこと、お金持ちの人も寄付することが社会的に尊敬されることとわかっている。などの理由じゃないかな、と言っていました。
日本の「ボランティアブーム」とかではないんですよね。完璧に根付いてるシステムです。羨ましいです。
ペットはビジネスに成り下がっている日本
よーく考えてみてください。
人間社会では「差別はダメ!」「みんな平等」とか言ってるのに、ペットに関しては「人気ランキング」とか平気で言ってるんですよね。動物に人気ランキングって一体なによ、な話です。
ペット選びをすることに対してまでランキング依存するのって、異常と思いませんか?
そして、ペットブームというモノがあるせいで人気の猫や犬を大量繁殖させて儲けようとするペットビジネスを助長して、人気の種類が増えて、ブームが去ったら行き場の無い子達が、、、
うん。考えるだけでも悲惨ですよね。そのシステムを作っているのはペット業界かもしれませんが、買ってる人もそれに知らずに協力していることになるんですよね。厳しい言い方かもしれませんが。
売れ残ったら「ディスカウント」されるっておかしいでしょ?
知ろうとしない日本人
ドイツは良くて日本はダメ、と決めつけてはいけないんでしょうけど、どうしても日本のペットショップのあり方と、一部の日本人のペットに対する捉え方疑問を持ってしまいます。これは私がドイツや複数の国に行って、他の国と日本を比較しているからより強く感じるのだと思います。
ドイツではペット業界の闇の部分もドキュメンタリー番組や教育チャンネルで放送されていたり、学校でも勉強します。もちろん親が子供に教えています。反面、日本の大人はそういう社会的な問題点に関心を持たない、持ちたく無い、知りたく無い、知ろうとしない人が多い印象です。
大人が知らないから子供に教えることができない。負のループです。
まとめ
ここで日本のシステムの文句を言っても仕方がないし、私の目的は「少しでも多くの人に、ペット業界がどう成り立っているのかを知ってもらうこと。闇の部分が多いこと。保護猫や犬が新しい飼い主さんに引き取られること。不幸な犬や猫が減ること。ひいては殺処分が減ること。」です。
犬や猫の保護活動について年々認知度は上がってきているとはいえ、ペットシェルターについて知らない日本人はまだまだ多いそうです。
これから猫や犬を飼いたいなぁと思っている人がいれば、ぜひ
①保健所や保護団体からの譲渡もあるよ
②人気ランキングは気にしなくていいよ
③子猫や子犬じゃなくても可愛いよ
ということを頭の片隅に入れておいてもらえればいいのかな、と。あなた以外でも、身近な人が犬や猫を飼うというときにはこういう方法もあるよと言ってもらいながら、日本人とペットの関わり方のシステムが良い方向に変わっていくことを願っています。
動物好きなので一部強い表現もあったかと思いますが、これからも悪徳ペットショップやブリーダーを減らすべく、声を上げいこうと思います^^
今回も読んでいただきありがとうございました!
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