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鎌倉幕府成立は「良い国作ろう」です!

最近、「鎌倉幕府成立は実は1185年なんだよ~」と得意気に言う先生がいますが、最近のトレンドというか、ブームに乗って「できる先生風」を装っただけなのでは?ちゃんと日本の歴史を踏まえて自分の頭で考えたら、正直違うと思います。

鎌倉時代中も都はずっと京都だし、国家元首は天皇です。

幕府が行政を担えるようになるのは、天皇が将軍を任命するから。

それが「日本の国体」というものです。信長だって秀吉だって最後は天皇に認めてもらえないと「天下人」にはなれないわけですからね。

大仏の完成が、その形の完成ではなく開眼供養をもってなのと同じです。魂(命)が吹き込まれないと本当の大仏とは言えないですもんね。

というわけで、源頼朝が後鳥羽天皇から征夷大将軍に任命されたことで、初めて鎌倉幕府が行政機関として正式に機能することになったのです。

日本という「国家」は、「天皇」が大御宝(自分の子どものような大切な存在)である「国民」の幸福を祈って成立しています。

ですから、為政者は国家元首である天皇に認められて初めて正式に政権を担うことができるのです。

そしてその権力は、為政者が好き勝手に使っていいものではなく、天皇の意向である「国民の幸福の為」に使われなければいけないのですね。

ちなみに1185年はその覚え方が示すように「良い箱」(幕府の機構)ができただけなので、鎌倉幕府の成立としては相応しくないと思います。

就職試験に合格して「内定」をもらっても、まだ正式にその会社の社員になったわけではない。「実質的には完成していた」なんてのは理由にならない。

まあ、こういうのは解釈の問題なので諸説あるのでしょうが、学校教育的には「日本の国体」をベースに教えるのが自然かと。

というわけで、正式に鎌倉幕府がスタートするのは、やはり「源頼朝が天皇から征夷大将軍に任命された1192年」とするのがいいと思います。

その意味では、単なる語呂合わせではなく、本当に「良い国作ろう」だったわけですね。

もっとも、日本はいつの時代も「良い国作ろう」ですし、そのおかげで2600年続いてきたんですけどね。


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