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「先生、土地を買います!」

昨年の12月から、週に1回オンラインで日本語を習っている生徒さんがいます。
彼は、マレーシアの大手不動産会社のマネジャーで、仕事が忙しいため、出勤前の1時間日本語を勉強しています。

日本語教室の復習とサポート

彼は、昨年の4月から、クアラルンプールにある大手の日本語学校で、週に1回オンラインで日本語を学んでいます。
しかし、授業には3回に1回ぐらいしか参加できず、未修の授業がたまり、プリントでは説明が少なくてよく分からないということで、そのサポートと会話の練習を私から学んでいます。
彼からプリントをシェアしてもらい、そのプリントを私が要約し、説明し、その構文を使った例文を提示し、最後に、文を作ってもらいます。
また、ある程度日本語がわかるため、会話を中心に勉強したいとのことで、テーマを決めての会話の時間も多くとっています。

「先生、民宿を買おうと思うんだけど…」

そんな彼ですが、日本には北海道や長野を中心によく訪れています。
今年の2月にも長野を訪れましたが、その理由が何と『民宿を買うため』なのです!
事前に、購入予定の民宿の詳細を教えてもらいました。
私は、特に依頼はありませんでしたが、その民宿のある場所の詳細(白馬!です)や周辺情報、東京や名古屋からの行き方、そして、売りに出ているその民宿の詳細を調べて、授業でシェアしました。
彼は、その情報やご自分で調べた情報と、実際に訪れて話をしたことなども考慮して、見送りを決断しました。

「先生、土地を買いたいんだけど…」

先月、そんな彼から新しいプランを聞きました。
長野に土地を購入して、簡単な宿泊施設を建て、ご自分が行ったときには自分で宿泊し、常には airbnb で宿泊客に貸し出すというのです!
その2週間ほど前に、日本の最新情報として、多くの外国人の方が日本の土地や空き家を買い取っているというニュースを取り上げました。
簡単な日本語に直し、授業で教えており、それが刺激となり、新しい計画を思いついたそうです。
さすが中国系の方で、事業欲が旺盛で、アグレッシブだなあと感じました。

「先生、契約します!」

今週の授業の開始時に、彼が話を切り出しました。
「先生、来月契約しに日本へ行きます」と。
最初、何の話かともいましたが、何と、すでに購入予定の土地を探していて、所有者ともおおむね合意をしているというのです!
そこで、日本の土地売買の実際や、仕方、慣習などについて教えてほしい、と言われました。
私は、ある程度のことは知っているものの、実際に経験したことはあまりないため、まず、慣習的なことをお知らせし、あらためて、次の授業で話をする予定です。
しかし、そのスピード感と、積極性には大変驚きました。
そして、本当に、こうやって日本の土地が外国の方に所有されていくという事実を実感しました。

「来年の12月にはオープンさせたい!」

彼は、今回の訪問時には建築業者まで選定し、来年12月のクリスマスシーズンにはオープンさせたいとのことです。
現在、日本では地方を中心に、建設業者は人手不足や材料不足で、工期が長くなることを伝え、オープンしたらぜひ招待してね!とお願いしました。

こんな授業もありなのかなあ…

彼の授業や、彼のお父様との授業は、お二人の話題や気になったこと、わからないことを中心に、即興での授業が中心になっています。
ときどき、こんな授業でも本当にいいのかなあ?と不安に思うこともありますが、彼やお父様の嬉しそうな顔や感謝の声に励まされ、続けている状態です。
少し、変則的な日本語の授業ですが、生徒さんあっての授業なので、その生徒さんに合った授業やシラバス、進め方でもいいのかなあ、とは思っています。

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