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予約本の取り寄せ、デジタルとアナログ

アナログ文化、いまだ健在

先日、近くの書店に本を予約しにいった。
近くの書店は比較的大きな書店である。そのため、これから発売する本の予約、取り寄せ自体は何てことはない、学生時代から何度も行っているし、と思って、本の自動検索機へと向かった。
そして目的の本を予約すべく、検索窓に書籍名を入れ、書籍ページへと進む。

そして、はて?? と気づく。いつもの、予約ボタンが存在しないのだ。そこで一度、自分の頭がフリーズする。今までできていたのに、どうして今日はできないのだろうか? 少し考えた後、ようやく理由に思い当たる。

hontoが、紙の書籍の予約や取り寄せサービスを終了する、という告知をしていたのを見たのを思い出した。

衝撃を受けた。
かなりショックだ。
今までできていた、当たり前のことができなくなってしまった。
予約したい本、取り寄せたい本は合わせて4冊もある。発売日近くには必ず手に入れたい。
そして書店の棚にあった買いたい本も手元にある。
さて、どうしたものか。

そこで、とりあえず書店員さんに聞いてみようという気になった。
書店員さんは忙しそうにしている。フロアに見当たらないばかりか、レジも長蛇の列ができている。自分と同じように、仕事帰りに寄る人が多いのだろうか。

とりあえず、列に並び、会計が終わったあたりで予約のお願いをしてみたら、邪険にされることはないだろう。そう思い、会計を済ませた。
今日は本を買いに来る予定ではなかったのになあ、とぼんやり考えながら。

さて、会計が終わって、次の客のための準備をしようとしている書店員さんに、「今だ!」と声をかける。

「あの、本の取り寄せと予約をお願いしたいのですが……。」

すこし驚いたような顔をしてから、書店員さんは店内無線で他の書店員さんを呼んだ。
「係の者が参りますので、あちらのカウンター前でお待ちください。」
通されたのはカウンターの端で、よく見るとレジではなくパソコンが置いてあった。
そして、担当の書店員さんが到着した。私はそこで、求めている本の詳細のある票を渡しながら、要件をもう一度伝える。
「この本を取り寄せしたいのと、この本を予約したくて……。お願いできますか?」

書店員さんは票を見ながら、テキパキとISBNをキーボードで打ち込み、本を探してくださる。そのパソコンで取り寄せ登録するのかな? と考えながら、待っていると、

そこそこの大きさのある、紙の束を下から取り出した。
そしてあろうことか、それにISBN、出版社名、作者名、書名をボールペンで書き始めたのだ。

れ、れ、令和のこんにちに、な、なんてアナログなんだろう!!!!!

そして、書店員さんはその紙の束を私の方へ向けて、「ここにお名前と電話番号のご記入をお願いします。」といった。

そこで、その紙の束をまじまじと見る。
下の方に、「トーハン」と書いてある。
紙の束とはいうものの、本1冊にかかる記入項目は、縦に並んでいて、切り離せるようになっている。
1冊あたりのその紙は、何かとよく似ているようにも見える。
あれだ。本の売上カードだ。スリップ、と呼ばれることもあるらしい。

スリップと同じ形をしていながら、中身は空欄なので、記入項目が多い。自分の情報を記入しながら、こんなアナログな管理をしているのか!! いったい、どうしてこうなっているのだろう!と衝撃を受けていた。

そして、短冊の下の方には、トーハン、とカタカナで書いてある。

親玉そこだったかアアアアア

私は書店で仕事なんかしたことないし、お仕事として流通に関わったことはない。取次という業種があり、トーハンさんはそこの大手であることくらいは私も知っていた。

親玉とは言ったが、悪く言いたいつもりは全くないのだ。今の時代にアナログなのはちょっとどうかと思うが。

記入が終わって書店員さんに紙の束をお返しする。その後、書店員さんが全部必要事項を記入してくれた。
そして、控えを私に返してくれた。控えは宅配便の控えと同じように、記入された原本を渡してくれた。(さっきの写真)

もらった控え


全て終わってから、書店員さんに、「予約の方法は、これからもカウンターに伺えば良いでしょうか。いままでhontoで予約していたので。」と聞いた。
すると、「そうですね、電話などでも承っていますが」と丁寧に応対してくれた。
残念ながら、hontoの予約サービスは3月末をもって終了してしまったのだ。5月末までは、在庫検索はできるようであるが、自分の行ったところでは、検索機からのカードのみでの予約はできなくなっていた。残念。

なのでさらに聞いてみる。「そういえば、プレスリリースでhontoの後継となるアプリケーションも登場されると聞いたのですが」
「それは、私たちもまだよくわからないのですよね」ということで、現場にはまだ情報が下りてきていないらしい。

公開情報をみるに、一応、5月下旬から徐々にサービスの準備を進めていく、とのことだ。4月末にはhontoサービスも完全停止とあるので、その先は電話や店頭で予約注文をし、ネットでの予約・取り寄せの申込については、気長に待っていようと思う次第であった。

余談:予約・取り寄せした本

完全に余談であるが、その日に購入した本について、感想を言い合いたいので、載せておく。
どれも面白そうなので、興味のある人はぜひ、新刊を買ってほしい。

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