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「メールがマルチタスクを生む元凶じゃないの?」という本を読んだ

『超没入: メールやチャットに邪魔されない、働き方の正解』という本を読みました。『Deep work』や『デジタルミニマリスト』でおなじみの、カル・ニューポートさんの著作です。

本書では、知的労働において、「メールはマルチタスクを生み生産性を下げているのでは」、「できるだけシングルタスクで仕事を完了させるには、どのような業務工程を組めばいいんだろう」、といったことを掘り下げており、参考になりました。

まず、メールの問題点です。大きくは以下の2点により、認知リソースをムダに消耗してしまうことが、メールの問題点となっています。

1.作業の切り替え
作業を切り替えると、集中するまで10~28分かかるらしい。
2.本能的に気になってしまう
メール返信タイムを設けても、それまでに溜まるメールがどうしても気になってしまう。これは、ヒトとしての本能であり、制御が困難。気がかりは、認知リソースを減らすため、生産性が下がる。

では、メールを用いずに、どうやって他者と協業するのか。以下の3点を目標に、業務工程を設計することを提案しています。できるだけ1つの仕事に集中して取り組み、完了したら次に取り組む、といった工程が理想とされています。

1.注意の切り替えの頻度の最小化
会議やメールなどにより、業務の時間が細切れになっていないか?
2.コミュニケーションの負荷の最小化
日々たまるメールの量に圧倒されていないか?
3.価値あるアウトプットの量と質の最大化
自分がすべき業務の成果はでているか?

具体的な事例として、以下のことなどが紹介されていました。
・Trelloのようなタスクボードを使用する方法
・日程調整を外部委託する
・進捗ミーティングは週1度ではなく、毎朝15分にする
・アジャイル開発の、スクラムとスプリント

おわりに

個人的に興味深いと思ったのは、パソコンが導入される前は、事務職は今より多く、専門職の人は自分の仕事に専念できた、ということです。パソコンにより事務仕事が効率化した結果、人件費削減のため事務職の人が減らされ、日程調整や交通費生産などの事務仕事の一部を専門職の人がやるようになったそうです。私は大学から会社員になり、日程調整に忙殺され、専門の成果がガクッと減った経験があるため、事務職の方にもっとサポートしてもらえる体制だったらな、と思いました。事務職の方々の、ありがたみは日々感じていましたが、あらためて再認識しました。

本書は、ところどころ中だるみするのですが、最終章はとても素晴らしい内容なので、最後まで読んで欲しいです。

以上です。最後まで読んでくれてありがとう。

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