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福山雅治さんのラジオに見た、相談の極意。キャラに合った回答が大事。

私はテレビを観ない代わりにFMラジオを聴く機会が結構あります。

まぁこれは、テンション下がるニュースもないし、テレビの前で時間を無駄にしなくてもよく、かつラジオなら聞き流せるということで私の生活スタイルに合っていることが非常に大きいと思っています。

で。
確か私が母校で講演を終えて実家で灰になっていた時のことです。

母もラジオが好きで、特によく聴くのがTokyo FMなんですけど、土曜日にいつも福山雅治さんの番組を聴くんですね。

ソファで半分寝ながら講演の反省ともう一人の講演者の方に尺の大半を持っていかれてしまったことを振返りながら苦笑いしていたのですが、この福山さんの番組、リスナーからの相談コーナーがあるんです。

普通はラジオって聞き流すからほぼ内容を覚えていないんですけど、相談相手が女子高生だったこともあり、高校で講演を終えたばかりの立場として変な当事者意識が芽生えたんだと思います。結構ちゃんと聴いてしまったんですね。

で。
ざっくりと相談内容なんですけど、こんな感じです。

・相談者が友人Aから「友人Bがあなたの悪口をLINEで言っていた」ということでLINEのスクリーンショットを見せた

・相談者はそれを報告してきた友人Aに対して、友人Bがわざわざ悪口を言っていたことに対して不満を述べたところ、逆ギレされた

・友人Bとはそれ以来普通に接しているが、前と同じにはなれない。どうしたらいいのか。福山さんは陰口を気にするか?



まぁ、思春期によくある話だと思います。

確かに悪口を言っていたことをわざわざ告げ口する奴もどうかしていますし、それを指摘したら逆ギレするっていうのもおかしいんですよ。この告げ口のせいで相談者の人間関係全部ぶっ壊れている訳ですからね。

ありがちな話ではあるんですけど、わざわざ告げ口をするっていうのはマズいんすよ。これは本来言わなくていいことだし、知らなくていいことでもある。私も相談者の立場になってそう思ったんですよ。

ただ…
ふと考えたんですよ。
この話。

私は相談者の話しか聞いていないんですよね。

確かにこの話を聞いただけだと相談者が可愛そうに見えるし、友人Aは告げ口をしてきた面倒な奴にしか見えない訳です。

でも、果たして本当にそうなのか。
そもそも悪口を言っていたことを伝えてくるってどういう動機なのか。

そう考えたら私の中で思ったのは
「友人AもBと同じことを考えていたのでは?」
ってことだったんです。

だから、相談者に悪いところがあるから直すための手段として「他のやつがお前のことを嫌っている」という表現にしたということは無いかなと。つまりね、悪口と言っている部分は、耳の痛い批判だったってことは無いのかなと思いました。

だから、私が仮にMCだったとしたら

「友人Aは確かに要らんことをしたけど、この悪口っていうのが果たして本当に悪口なのか、それとも自分が直さなければならないところなのかを考えた方がいい」

と言うなぁ、と思ったんです。

しかし。
待てよ。

一方でこうも思ったんです。

「相談ってそういうことなのかな。」
と。

相談者の人はわざわざラジオに投稿するというかなり大胆な行動に出ている訳ですよ。全国ネットで老若男女が聴いている場に、その影響力の大きさをそこまで考えない状況ではあるけど、救いの手が欲しくてメールを出してきている。

つまり、結構切迫しているんですよ。

そういう子に対して「お前も悪いかもしれない」っていうことを公共の電波を通じて突きつけるっていうのはいいのかな?と考えたんです。

いや、
これ、
本当に難しいんですよ。

相談者の尻馬に乗って告げ口は悪い、変な関係になっちゃって本当に気の毒だったね。うんうん。おじさんなぐさめちゃる!みたいな感じになるのは違うんです。

そして、かなり悩んでいる子に対して有名人がピシャリと自責思考を説くのもまた厳しすぎる訳で。

何をどう言えば相談者が救われるんだろう。
ってことを考えながら、福山さんの回答を待っていたんですね。

そしたらこれが実に興味深かった。
(偶然にも福山さん化してしまった)

・仕事の立場での陰口は当たり前である
・陰口を踏まえて付き合えるのは仕事だから
・仕事上の付き合いとして割り切るのは出来るけど、友達からそれをされるのは辛いだろう
・仕事上の付き合いの予行練習として高校生活を送るのもあり
・何を大事に考えるかが大事。関係性を取るのか(キープする)、気持ちの面をを取るのか(解消する)


これね。

当然、ちゃんと回答していて、相手に寄り添ったものになっているということも凄いんですよ。結構納得感のあるものになっているし、この通りにするっていうことについてまるっきり異論は無い。

そういうものを提示できるところがまず凄いんです。

どこかでツッコミ甲斐があることを言ってしまったりとか、隙を見せちゃうことって当然出てしまうこともあるし、自分の正義が極端なところもあるから共感できない時もある。

だから、万人に納得してもらえる回答を目指すケースもあると思うんです。

でもそれだと、とんでもなく平坦で、のっぺりとした毒にも薬にもならない、単に寄り添っているというスタンスを見せるだけの、為になったようななっていないような回答になっちゃう。

で。
で、ですよ。

この回答が凄いのはもう1か所あって。
あくまでも相手の言い分に寄り添っているという点です。

私が疑問を抱いた「その悪口の妥当性はどうなんだ」という、相談の客観性については一切触れていないんですよね。

これをやっちゃうと本来問題が起きちゃって、先にも述べたように事実とは異なるところで相談が進んじゃうから、ピントのズレた相談に対して回答そのもののピントがずれる可能性も出てきちゃうんですよね。

つまり、相談者が悪い可能性がある中で、友人を批判し、「縁を切った方がいい」というだけでは相談者のためには一切ならない訳なんです。

でも、相手の論調に寄り添ったうえで引いた視点から受け入れやすく、リスナー的にも納得感のあるものを回答しているという点が凄いんですよね。

あともう一つ感じたのが、福山雅治さんのキャラクターに合った回答だということです。

先ほど私はラジオで公共の電波を使って厳しいことを言われるのは流石にキツイと言いましたが、相手が例えば元ボクサーの竹原慎二さんだったらどうでしょうか?

竹原さんに相談している時点で、厳しいことを言われることは覚悟している訳ですよ。

だからね、質問される側として考えておかなければならないのが「自分のキャラに合った回答をしているか?」ということだと思います。身内であれば別ですけど、キャラに無いことを言われると戸惑いますし、受け入れがたいものになるかもしれません。


いやー
相談について本当に考えさせられました。

まぁ私の論理的に考え、かつ感情も捨ててはおけないというスタンスであれば、相談者からの質問についても「悪口の正当性の有無を確認しよう」という主張はアリだと思うんです。

正しさ以前に自分がそれを言うべきなのか否かということは考慮しなくちゃいけないことだということを、福山雅治さんのラジオで学びました。


…また久しぶりに相談コーナーやってみようかな。

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