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相撲ファンからライターに転じてから守りたいものへのアプローチが変わった話

今日も恒例ですがVoicyでも読み上げています。
NoteでもVoicyでもコメントをくださった方にはVoicy上で、音声でコメント返しをしております。全力投球しているので、是非お聴きください!

今のところ特に意識的に守ろうとしているものはない


さて、Voicyの今週のテーマが「私が守りたいもの」ということですので、これについて今日は考えてみたいと思います。


皆さん、何か守りたいものってありますか?よく結婚するときのプロポーズの言葉で「君を一生守りたい」みたいなことを仰る方が居て、子供の頃にそれを観ていて「大人になったら誰かに攻撃されるのかな?」って思っていましたが、結婚してみたら別に誰からも攻撃とかされなくて、今のところ私は妻を守っている意識は無いです。


ふと考えてみると、今の自分が必死になって何かを守ろうとしていることっていうのは特に無いんですよね。恐らくこれって、何か脅かされているっていうことがこれと言って無いという訳で、幸せな環境に居ると思うんですよね。


私はかつて相撲を守ることを目的としてブログを始めた


で。

「私が守りたいもの」が無いので終了、っていうわけじゃなくて、少し深堀りして考えてみることにしました。「私が守りたいもの」っていうのがテーマに選ばれるくらいなので、恐らく私が意識していないだけで守っているものってあるんじゃないのかなと。


ちょっと考えてみたら、私って元々は相撲を守りたくてブログを始めた人だったんだろうなぁと思ったんですよ。


私がブログを始めた2011年って本当に観客がまばらだったし、人気がどん底でテレビ見たら前5列くらいしか入っていないみたいな感じの時があったくらいなんです。でも自分としては相撲が面白いと思っているから、この面白さを伝えたい、つまり相撲を守ろうとしていたんでしょうね。


私がブログを書き始めたタイミングから相撲人気は回復した


私がブログを書き始めてから相撲はどん底から徐々に回復基調になり、2年くらいしてから遠藤などの人気力士が台頭してきたこともあって今度は逆にチケットを入手することが難しいくらいのところまでV字回復するに至りました。


元々私が伝えたかった、地上波の相撲ではなくて幕下の相撲についてもかつては観客がまばらだったのに早い時間から入場される方が増えたということもありました。私のブログの効果があったかどうかは知らないですけど、結果的にあの相撲を見る方が増えたというのはとてもうれしいことでした。


一時期九州場所でさえ連日満員御礼っていう頃があって、もうそうなると私が考えていた「相撲の魅力を伝える」「相撲を守る」っていうものは達成されちゃっているので、私の手を離れてしまったところがあったくらいだったんですよ。


不祥事に端を発してまた相撲が窮地に


ただ、相撲の人気ってそこで安定しなくて。


2017年に暴行事件がありまして、そこから貴乃花さんを中心とした相撲協会内の内乱のような問題が発生し、同じ時期に不祥事が本当に多く表面化したことがあったんですよね。


2011年の時のように観客動員が激減するというところまでは至らなかったんですけど、でも新規ファンってなかなか入りづらいことにはなってしまいまして、あと、相撲に対する世間の風当たりもまた強くなってしまったんですよ。


それに加えて白鵬の引退とコロナ騒ぎが起きて、マイナスイメージと動員減っていうダブルパンチがあって、また危機的な状況に陥ってしまいました。


2023年の今、2011年のように魅力を伝えられない


元々は私の役割って相撲の面白さを伝えるっていうことだったと思うんです。厳しい状況だったからこそ、楽しさをまた思い出してほしい。戻ってきてほしい。全くその面白さを知らない人にも伝えたい。そういうことが動機でした。


これは私が相撲にハマっていく過程の中で一つ一つの発見が面白くて、知らない立場で解明していくことをリアルタイムで発信し続けるっていうのがかなり斬新だったみたいだったんです。


でも、2023年になると私の立ち位置も変わってしまって。相撲を守るために知らない立場から魅力を伝えるという切り口はもう使えなくなってしまったんですよね。だから、これは結構ジレンマだったんですよ


ライターという肩書があるからこそできること


ただ、私は「相撲ライター」とか「スポーツライター」という肩書ができることによって、当時とは別のことが出来るようになったんですよ。それは、不祥事などが起きた時に各種メディアで言いたいことが言えるということだったんです。


私の場合はどこにも属している訳でもないですし、仮に取材拒否とかされても痛くもかゆくもないんですよ。だから、何かがあれば必要だと思うことをあまり気にせず言える。これはフリーであり、そして本業があるからこそできることだと思ったんですよね。


ほかの方は分からないですけど、組織に属していて、相撲で生計を立てているとすると、言いづらいことっていうのは出てくるとは思うし、実際に私がその立場だとしたらそれって恐らくかなりのジレンマだと思うんですよ。


批判をするのも難しい


ただ、言いたいことを言う時っていうのもなかなか難しくて。

それは、「相撲を守りたい」という気持ちが見えないといけないことです。


批判って難しいんですよね。言いたいことを言うことは大事なんですけど、単に相撲協会の姿勢をぶっ叩くだけでは協会の見方もあるし、旧態依然にはそれなりの理由があることもあるんです。


これは私の批判論にもなってくるんですけど、対象への愛情がなければ批判なんてするべきじゃないんですよ。だって、ある一方の見方からしか賛同を得られないようなものを提示しても、逆の立場からすると受け入れがたいから、前に進めないじゃないですか。


守るものがある時は様々な立場から書く必要がある


守りたいものがあるときほど、伝えるのは難しいということをこの10年で学びました。良かれと思って発信したことが単に分断しか生まなかったということを何度も経験したからです。


実際に私はとある力士に対する批判を言葉を選んでしたことがありましたが、ファンの方からは全く受け入れられないし、その力士を嫌いな人は私の記事で溜飲を下げるだけだったし、むしろ私が書くことによってギスギスするだけだったんです。


だから、守るものがある、これはなんとかしなくてはならないと思ったときほど様々な角度から見て、それぞれの見方を元に自分の意見を出していかなければいけないということに気づかされたのです。


まとめ:私が守りたいもの


私が守りたいものっていうのはここ10年一貫して相撲だと思います。


当初は相撲ファンの立場からブログを作って、幕下の相撲の楽しみ方を皆さんに広く伝えることをしました。これはとても楽しかったし、実際に相撲の人気が回復することによって私のしたいことは一旦は終わりました。


ただ、2015年以降に相撲ライターという肩書ができ、そして相撲を一通り知ることによって相撲の楽しみ方をリアルタイムで共有するということは出来なくなりました。ただ、ライターという立場ができることによって伝えられることも出来ました。


どこにも属さないからこそ言いたいことは言えるようになりましたが、守る対象が大きければ大きいほど、様々な見方が生まれます。だから、ある一方から批判するだけでは響かないし、単に分断を産むだけになることもあります。守りたいものがある時は多様な見方を踏まえたうえで発言することが大事だと思います。

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