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「ネガティブ転職」以外の転職は選択肢にいつだって必要という話

転職活動はお見合いのようなものである

私は今、新卒の頃から5社目です。
つまり、4回転職していることになります。

転職活動って本当にエネルギーを使うんですよね。特に私の場合は退職後に収入が無い状況で仕事を探すのは不安だし、あとは少しの間休みを取ろうと転職可能なスケジュールを後にして希望を出すと「より早く転職可能な人を優先されるんじゃないか」と思っちゃうんです。

ですから私の転職活動って殆どの場合が現職を続けながら進めることになるわけです。ただでさえしんどい転職活動なのに、私の嗜好の問題でより厳しいものにせざるを得ない。

となると、これは毎回のことなんですけど長期戦は難しくなります。

そりゃそうですよ。
夜勤やって明けでそのまま面接とか、休みの日に2社掛け持ちとか、そういう形にしないと数はこなせないわけですから。

勿論肉体的にもしんどいのですが、早くいいところに決めたい、まだ決まらないのかという精神的なストレスもまた転職活動を難しくすることになります。

よく言われることですが、転職活動ってお見合いみたいなもので、今でいうところのマッチングアプリ的なところがあるので、自分の能力もですが会社が求める人物像に合うか?という点がかなり大事です。

そしてそれは自分にその会社が合うか?という逆の目線も必要になるので選考が進んでも内定が出る出ない以前の問題として合わない会社も沢山出てきます。

つまり、まずは内定を貰うことを大前提として自分に合う会社なのか、条件は納得のいくものなのかといった部分も加味しなければならないということです。

短期間で集中して活動しなければならないのに、選考で勝ち抜くことを進めつつ自分にフィットするかという点も考えて、更には肉体的にも精神的にも削られる中で資料でも面接でもベストを尽くす。

社会人にとっての転職活動ってかなり厳しいものだと思います。

スキルと経験の無い転職活動の難しさ

加えて私にとっての転職活動が大変だったのは殆どの場合必要に迫られるものだったということです。

仮にこれがスキルも実績もある自分がより高く評価してくれる会社を探して転職するという場合は非常に前向きになれると思うのですが、転職したくなる時って大抵そういうタイミングじゃないんですよ。

若いころはまだまだな自分がそこに居て、キャリアアップを目指すにしてもどうしても出来ない部分や不足している部分がある。

逆に言えば足りない自分を補い、そこから更に社会人として力を付けていくことが転職活動の目的になってくる。

「必要に迫られる」というのはこの部分で、今の職場では更なるステップが見えない、もしくは異なる環境の方が経験もスキルも身に着けられることが見えてくると転職活動に向けて動き始めることになります。

例えば私の1回目と2回目の転職活動が正にこれでした。

1回目は学習塾で英語を教えるという経験を積んだ後でTOEICでもそれなりのスコアを残せるようになりましたので、英語を現場で活かせる職場を探しました。

そして2回目は英語の実戦経験がある程度できたので、英語以外のスキルと経験を求めて未経験でも受け入れてくれる懐の深い会社を選びました。

まぁステップアップという視点で考えると前向きではあるのですが、自分がその段階で会社の即戦力として応募している訳ではなく会社に育ててもらう立場であるために買い手市場的な状況になります。

こちらは品定めされる側になるので、そういう意味でもなかなかしんどい想いをした覚えがあります。

スキルと経験のある転職で直面する壁とは

では、スキルと経験を積んだ後の転職活動はどうだったか。
これはこれで難しい部分があります。

当たり前と言えば当たり前ですが、このケースについては入社したらすぐに戦力にならねばならないわけです。ただ戦力になるだけではなく、当然結果も求められる。

しかも何が難しいかって、会社の中に誰も自分を知っている人が居ないのです。これ結構怖いところで、今所属している会社であれば上司も同僚も自分のことを知ってくれている。だから仕事でも信頼されるし、会社の基準で適正に評価される。

でも、転職するとそれがゼロになる。自分を知ってもらい、そして仕事を評価してもらうというプロセスが必要ですが、環境が変わることによって自分の力が最大限に発揮できるわけではありません。

仕事のやり方も評価基準も違うし、企業文化も違う。
その中で結果が求められる。

この手の転職だと自分に経験もスキルもあるので売り手市場の側面もかなり強いのですが、企業に認められたからには求められるものが大きくなります。

この部分は大きなリスクです。今の会社に居れば不満はあるかもしれない。でも勝手知ったる環境で仕事ができるというのはかなり大きなことです。実はそれはこの状況で転職が決まった後でふと不安になる部分だったりします。

そして「本当に自分は転職して大丈夫なのだろうか?」と入社日まで不安が続くことになります。私の場合は転職を報告した後で部長にさんざんこの点を指摘され、見事にドツボにハマったことが懐かしいです。

部長も優しさなのか、それとも単に管理者として転職を止めるためのロジックとしてこれを持ち込んできたのかはわかりませんが、なかなか迷わせてくれます。

隣の芝生は青く見えるときはこの部分って案外忘れてるんですよね。そして、今の環境があまり良くないものに思えている。ただ、青いと思っていた芝生が案外青いだけじゃないことに気付くことになるのです。

キャリアは生き物なので、思い描いた通りのルートは取れない

転職活動自体なかなか厳しいものですし、スキルも経験もない若いころでもそれらを備えた立場になった後でも更に大変なのは転職直後だったりします。

そういう意味で考えると、案外転職しない方が色々と楽なのかなとは思うんですよ。今より悪くなることは無いですし、何より環境を変えることによって大変な想いをせずに済むわけですから。

ただ、4回転職した立場から言うと、目的意識とゴールを持った転職活動は自分の可能性を広げるためにとても重要だと思いました。

例えば私が学習塾に居たままだと、私の将来は学習塾の運営をする以外に尖ったキャリアが生まれないことになります。勿論学習塾を愛し一生働く覚悟が出来ればそれで良いのですがそうではないことに入社直後に気づかされましたので、早い段階で転職したのは良い決断だったと思います。英語というスキルも身に付きました。

キャリアというのは生き物のような側面があると思います。最初に思い描いたところに行き着くことは殆ど無いと言っていいです。ですから、自分の置かれた立場の中で磨けるスキルと積める経験を見据えてどこに行けば更に光れるかを考えていく必要があります。

私の経験上黙っていてもキャリアパスを提示し、社会人として成長させてくれる会社は殆どありません。自分で考え、行動しないと歳を重ねて自分の可能性は先細りしていくこともよくあることです。

ですから転職という選択肢がすべてではないし、転職後に自分の未来が必ずしも明るくなるとは言い難いのですが、カードの一つとして転職を常に持ち続けておくことは大事だと思います。

「ネガティブ退職は良い結果を生まない」理由とは

最後になりますが、これは前の会社の同僚から言われたことで大変私の中で大事だと思っていることがあるので触れていきます。

「ネガティブ退職は良い結果を生まない」ということです。

自分がその会社や環境に居たくないからということが起点になって転職活動を進めると、どのようなことが起きるか。

まずは志望先の会社に提示する転職理由がハリボテになってしまうということです。さすがに「今の会社が酷くてどうしても辞めたいのです」という人間を積極的に取りたいと思う会社はそうはありません。であればもっと高いモチベーションをもって活動している方を取りたいと思うことでしょう。

ですから異なる理由を考えることになります。これ、もう完全に自分を偽っていることになります。まぁ転職したい理由って別にネガティブな要因だけではないと思うのでそれを出すことにはなると思いますが、どうにもパンチが弱くなってしまうんです。ネガティブの方が強いとこうなりがちです。

そして、キャリアアップを目指すにしても変なタイミングでの転職になってしまうので、スキルや経験を身に着けたいと言っても整合性がどうにも取れないことになってしまいますし、即戦力としての転職でもやはり動機とやりたいことがぼやけてしまいます。

ネガティブ退職の状況だと会社を辞めたいのは当然といえば当然なのですが、普通の転職の時だと筋が通る転職に至った経緯やアピール可能な自分に出来ることが弱くなってしまうことは事実です。上手く行きにくいのにはそれなりの理由が存在するということです。

少し長くなりましたが、これを読んだ方が少しでも有意義な転職活動を行ってくださることを願っております。

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