罰金と横断幕でサポーターが対立してたので浦和レッズに対話を求めた話

浦和レッズと他チームのサポーターとの対立を見て

浦和レッズのサポーターがコロナのガイドライン違反をして罰金を科せられ、次の試合でそれに反発するかのような横断幕を掲げて更に批判されている件についてツイッター上でレッズと他チームのサポーターとかなり激しいやり取りをした。

その経緯については以下のパスをご参照いただきたい。

これだけの熱意が良い方向に向かえばさぞや観客が集まることだろうと思いながらも、少し調べてみると2008年の47000人を境に約10年で13000人も平均動員が減っているのだという。3割近い減少と考えるとかなりのダメージだ。

コロナの影響で更に減っているものの、Jリーグではそれでも観客動員がナンバーワンだ。ただ、かなり下との差は迫っていることも確かである。

勿論最盛期と比べるとチームの活気も違うし、若い選手がすぐに海外移籍することもありJリーグにスター選手が居ないという状況も当時とは異なる。

それに加えてトラブルを起こしやすく、ニュースになりやすいサポーターの存在はチームにとってもかなり頭の痛いところだと思う。

実際私も他チームのサポーターの方が相当腹に据えかねていることを実感したし、それに対してレッズのサポーターもかなり怒っていて、矛先が私に向かってきたのでかなり怖い思いをしたことも事実だ。

相撲ライター・スポーツライターとして何が出来るか

ただ、それなりに大きな媒体で記事を書かせてもらっている立場としてただ「勿体ない」で済ませるのはどうなのだろうか?という正義感というか、責任感が芽生えてきた。

というか、誰かこの問題に深く踏み込んで解決を試みたライターや関係者は今までいなかったのだろうか?今に始まったことでないことは事実だし、この手の対立はスポーツ産業を衰退させる大きな問題だ。

大相撲の世界でも古参ファンが新参を締め付けたり、コミュニティ内での対立がファン離れを生んだりということもある。競技とは異なるところでストレスを抱えた結果せっかく定着してくれたファンを失うというという点でこれは同じ問題だ。

ただ、相撲で発生している問題と今回のものは規模が異なる。何しろ浦和対他チームという対立構図で、他チームのサポーターが軒並みうんざりしているのである。

私の元に「レッズのサポーターには言っても無駄だからやめた方がいいですよ」というメッセージが複数送られてきているのも非常に根が深いと思う。

正しいかは別にしてうんざりしているのはレッズのサポーターも同じことだ。このような面倒を抱えた状態でサッカーを観たいか?となると、熱意が無ければ離れてしまうことだろう。

これは正に「全てのジャンルはマニアが潰す」の縮図のような話ではないか。ツイッターで私は「相撲ライターがしゃしゃり出るな」と言われたが、これだけこじれた話についてサッカーライターがそもそも介入していないのだから、むしろ部外者でなければ入っていけないのではないかとも思う。

そもそも部外者が出てくるなと彼らは言うが、サッカー村の住人が介入したら素直に聞くのだろうか?彼らが対立しているのはサッカー村の住人ではないか。部外者なのか村の人間なのかが問題なのではないのだ。

だから私は、浦和レッズの公式サイトの問い合わせ欄に今回の件を投稿した。論旨としては「レッズ側とサポーター側で対話の場を設けるべきだ」ということである。

浦和レッズの公式サイトに送った内容について

今回の問題は実にシンプルだ。
整理すると以下のとおりである。

■主張
・レッズ側とサポーター側で対話の場を設けるべきだ

■現状
・Jリーグは感染対策ガイドラインに基づく対応をサポーターに求めている
・浦和レッズもそれに同意し、試合を主催している
・しかし、サポーターの中にこれを守らない人が少なからず居る。

■問題点
・サポーターが感染対策ガイドラインを守らないこと

■解決策
①Jリーグが感染対策ガイドラインを見直す
②サポーターが感染対策ガイドラインを守る

■①が非現実的である理由
・レッズサポーターが問題を起こしているので、要求出来る状況にない
・他チームサポーターは遵守しており、レッズサポーターの態度に強く反発している
・Jリーグは実証実験を進めており、ガイドラインを見直す環境を整備している

■結論:
・現状では浦和レッズとしてはガイドラインの遵守をサポーターに徹底してもらう必要があるが、サポーターは反発している。
・チームとしてレッズはサポーターと対話して何が不満なのか、何故守らないのかを吸い上げ、リーグとしての方針を提示して彼らを納得させる必要がある。

おわりに:皆さんに協力してほしいこと

このような提案を浦和レッズにしてみて感じたのは、果たしてレッズは私の提案をどれだけ現実的なこととして考えてくれるか?ということだった。

全く別ジャンルのライターが昨日のやり取りを通じて感じたことがどれだけ刺さるのかは分からない。恐らく同じように対話の必要性を感じていたならば実行に移す可能性はある。ただ、必要なこととはいえなかなか行動には移しがたいところもあると思う。

サポーターとしては自分が正しいと信じている。その中で、行いを諫めねばならない。いわば、サポーターに自分たちが悪いと認めさせる格好になる。こんなことをしたら激昂することは確実だ。だから対話には工夫が必要だ。

ただこれを行わない先にあるのは、ファン同士の対立の激化に伴う業界そのものの衰退だ。

より過激な方法論ということになれば、ガイドラインを遵守しないファンを追放するということになるだろうが、過去と現在の動員を支えている功労者という側面もある。他チームのファンからすれば追放という強硬手段を求めるのではないかと思うが、今はそれをする段階ではない。

逆に言えば、対話をしてもガイドラインを守らないとなるとJリーグとクラブの規定に反発する存在ということになり、今後さらなる問題を起こしたときに追放を正当化する結果にもなりうる。また、仮に対話に応じなくてもクラブ側に追放の大義名分を与えることになる。

私はそのようなことになることは望んでいないし、何よりジャンルは違えど熱意をもってスポーツを愛する同士だから共感するところも大きい。

だから、現時点ではレッズのサポーターに今の対応について理解を求めるというスタンスが必要なのではないかと思うのだ。

今まで通り無策のままサポーター同士で対立を繰り返すのも違うし、いきなり追放するのはあまりにも乱暴な話だ。また、解決に向けて動かねばサポーターもチームもサッカー業界そのものもダメージを受けるという誰も得しない状況が続いてしまう。

ただでさえコロナの影響で動員も落ちているし、日本代表人気の低下も顕著だ。ファン同士でいがみ合っている場合ではないのだ。

この記事に共感してくれるのであれば「スキ」を押してほしいし、SNSで拡散してほしい。今の状況を変えることが小さいながらもサッカーの将来を良い方向に導くのではないかと思ったからこそ、部外者という立場ではあったが少々思い切った行動をした次第だ。

まだ誰もこの問題について解決に向けて第一歩を踏み出す人が居ない。それが恐らく一番大きな問題だ。仮にこの記事が多くの方の目に留まることがあれば、浦和レッズも動かざるを得ない状況になるかもしれない。だから、その後押しをこの提案によって為されたとしたら良いことだと私は思うのだ。

この提案に乗ってくださっても良いし、別の案があれば同じようにレッズに提案するとよいと思う。少なくとも今は動くべき状況だと知ってもらわねばならない。影響力の強い提案が出てくるか、提案自体の量が多いか、どちらでもよい。

少なくともファン同士が対立している今の状況だけは打開せねばならないし、それを眺めているのも違うだろう。
皆様の反応をお待ちしたい。

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