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【台風15号|静岡】 自然災害下、マーケターが具体的に行動を起こした3つのこと。

どうも、静岡でマーケターをやっています桜井と申します。
普段は地方の事業者さんを中心にマーケティング・ブランディング領域のお手伝いを行なっています。

9月23日に発生した台風15号における水害により、静岡県全体で土砂災害や河川の氾濫、家屋の浸水、ライフラインの断絶など大きな被害がありました。一部の地域では地形が変わるほどの被害を受け、消防隊や警察官、ボランティアの方などたくさんの方々が懸命な復旧活動を進めていますが、いまだ再建の目処が立っていません。

今回の自然災害において、「マーケティング」がどのような力を発揮し支援活動に活きるのか?または活かすべきか?についてまとめてみたいと思います。もし、これからさまざまな災害が起こった際に、同じようにマーケティングを扱う人たちがどのように立ち回ればいいのか?の参考になればうれしいです。



そもそも災害においてマーケティングは無力なのか?

私は自衛隊でもなければ電気・ガス・水道などのライフラインに関わる専門家でもなく、行政(公)の人間でもありません。地方にいる、ありふれた「ちょっとマーケティングに詳しいやつ」です。そんな私が災害直後、役になど立てないと思っていました。

東日本大震災が起きたときや、ロシアとウクライナが戦争をはじめたとき、私ができたことといえば、少しばかりの義援金とただ平穏な日々が戻ってくることを祈るだけでした。

とても無力感を感じました。なぜなら、何も力になれていないからです。「自分自身の職能を活かせないか?」「より多くの人の役に立つことができないか?」を日々考えては妙案を思いつけず勝手に落ち込む毎日を過ごしていました。

今回、静岡市を中心にした大規模な水害が発生した際、とてもショックで心を痛めていた一方で、「ようやく役に立てることがあるかもしれない」「役に立つような行動をとってみよう」と感じました。

具体的に行動を起こした3つのこと。

1.SNSで発信する

まず水害が明るみでた翌日AMに以下の発信をしました。

正直、家屋の浸水や泥の除去などで事業再生にまで頭が回っていない方がほとんどだったんじゃないかと思います。その心情は理解した上で、このツイートがゆくゆく残るんじゃないか?という想いも込めて発信しました。

結果、数件のDMをいただき、現在もご相談に乗りながら対策を検討し伴走を行なっています。また個人的には被害が人材な事業者さんには直接ご連絡させていただき、できることをお手伝いしています。

まだ受け付けていますので、もしお困りの事業者さんがいらっしゃればお気軽にお声がけくださいね。すべてを解決することはできないかもしれませんが、一緒に悩み考えることはできるかもしれません。


それ以外にも静岡市の公式アカウントにリプライをして声を掛けてみました。結果、連絡をいただくことはありませんでしたが、民間の企業さまよりいくつかご相談をいただくキッカケとなりました。

マーケターである私は、幸いにも言語化力・発信力については人並み以上のスキルを持っていたため、「自分を必要としてくれる人への声かけ」や「必要な物資状況」「最新の被害状況」などを拡散する役割を担うことができました。

また私の仲間であるWebマーケティング界隈のメンバーが散らばった情報をnotionにまとめてくれました。これにより情報が整理され、知りたい情報を手に入れやすくなりました(感謝)。


2.被害現場に足を運ぶ

「マーケティングは実戦学である」というのは私の師である森岡毅さんの言葉です。その言葉の通り、問題・課題は机の上で考えるのではなく、現場に行き、顧客と同じ行動を取り、追体験することで徐々にわかってくると信じています。

コロナによってDX・副業・リモートなど、効率的な働き方が進んだ一方で、「他者の心情に寄り添うこと」はまだまだリアルでしかなしえない領域があるんじゃないかと思っています。

私もお邪魔にならない範囲で現場に足を運び、被害に遭われた皆さまの声を聞いたり、泥かきを一緒に手伝ったり、物資を運んだりと奔走しました。

ニュースでは報道されない情報や、一次情報ならではの鮮度ある情報が得られますが、現場に行くことの1番の良いところは「困っている人の顔や声、態度を目の当たりできること」ではないでしょうか。

テレビやスマホからの情報はどこか物質的で他人事のように感じてしまうことがあります。しかし、現場に行くとそれらが目の前で起こっています。このリアル感を目の当たりにすることで「自分ゴト化」でき、より問題に向き合うことができるんじゃないかと思っています。

これは私の性分にもなっているのですが、「袖振り合うも多生の縁」という言葉を大切にしています。出会ってしまったら何かしてあげたくなる、というお節介な性格もあり、「私になにかできることはないだろうか」「このまま何もせずに帰るというのはちょっと違うんじゃないか」と考えてしまいます。現場に行く、というのはいろんなご縁が強くなる、ということでもあると思います。


3.事業支援を行う

最後3つ目は事業支援です。マーケターとしてはここが本業というところでしょうか。マーケティングは「売れる必然をつくる」ということであり、どんな状況であっても結果を出すために最善をつくさなければならないと思っています。

水害から1ヶ月弱が経ち、徐々に被害状況も正確に把握できてきました。

私自身も春頃から携わっている本川根・寸又峡エリアの被害は甚大で、復旧の目処は立っていません。特に「大井川鉄道」と「夢のつり橋」の2本柱を失ってしまった今、紅葉シーズンの集客は非常に厳しいものとなると予測しています。

寸又峡とは静岡の北、かなり山奥です(阪口さんnoteより流用

今や大井川鐵道の代名詞となったトーマスは毎年多くの観光客を誘致してくれていたのですが、こちらも台風15号の被害により未だ全線復旧(一部区間のみ復旧見込)の目処は立っていません。

(HPより)
12月上旬の部分再開の目途が立ちましたので、きかんしゃトーマス号は【新金谷駅⇔家山駅】の間で往復遊覧運転(1日2便)を実施させていただきます。通常の運転区間とは異なります。

大井川鐵道HPより


最後に、私がお手伝いしている事業のお話を少しだけさせてください。

現在、↑のニュースにもなっている本川根・寸又峡エリアで借り切りサウナをつくっています。マーケティング戦略・ブランドコンセプトをつくり、地道に準備をしていた矢先、台風15号における水害によって、寸又峡温泉につながる「大井川鐵道」と人気観光地であった「夢の吊り橋」が被災してしまいました。

またバレルサウナの加工業者さまも台風の被害を受け、加工に使用する機械が壊れてしまい、大きな痛手となってしまっています。

『サウナ寸又峡-Trip Train(トリップトレイン)-』ブランドコンセプト

出会いと五感を乗せて旅するサウナ
想いと感覚を解放する非日常空間へ


サウナは五感を刺激するもの。私たちが目指すのは、サウナによって想いや感覚を解放、共有し、友達、家族、大切な人との絆を深めるプライベート空間を作ることです。

私たちは、『人々の生活に寄り添えるサウナ』という想いを込めて『TripTrain(トリップトレイン)』というバレルサウナブランドを立ち上げました。友人と語り合ったり笑いあったりしたいときにサウナに入り、悲しいことや辛いことがあったときにもサウナに入る。時には人生において重要な決断を迫られたときにもサウナに入って決断する。このように、サウナがもっと人々の生活に寄り添い、文化になる未来を創っていきます。

「TripTrain」HPより抜粋
森林浴の中、非日常の空間が広がります。
ウッドデッキ上にバレルサウナ・水風呂・焚き火スペースがあります。
静岡県産ヒノキ材を使用し、職人が1台ずつ製造。
サウナのすぐ下には天然温泉も併設しています。

コロナにより、ただでさえ利用者が減っている寸又峡温泉。ここに台風15号によって大井川鐵道、夢の吊り橋などの人気観光地が被災し、寸又峡温泉街はじめ川根本町の観光はさらに厳しい状態に陥ってしまっています。

このような背景があり、私たちがつくる貸切サウナが川根本町・寸又峡温泉全体の観光業を救うきっかけになるのではないか?と考え、事業スタートの前に今回クラウドファンディングを行うことになりました。

全国のサウナーの方、温泉好きの方、マーケターの方、観光事業者の方、その他応援してくださるすべての方にこの想いとお知らせが届いたら嬉しいな・・・と思っています。


最後にひとつだけ。

今回の水害における行動によってたくさんの応援の言葉をいただき嬉しく感じた一方で、心無い声をそれなりにあることがわかりました。

人と違うことをしていたり、新しいチャレンジをしていると、(悪い意味で)性格のひねくれた人たちが偽善だの自己ブランディングだの穿った意見を突きつけてきます。

私の元にもいくつかの声が届きましたが、ショックというよりも驚きの方が大きかった(よくそんなひねくれた考えができるな、、という意味で)。

だけど、応援いただける皆さんからの「やらない善よりやる偽善」「人のために善を為すと書いて偽善」という言葉をもとにこれからも世のため・人のため自分の力を使っていきたいと思います。

そして今回の一連の取り組みを反省し今度どう活かしていくか?について考えていくイベントも立ち上げてみました。興味のある方がいらっしゃればぜひ!


■まとめ:台風15号の災害について

その他、今回の被害状況がまとまっている記事・動画をご紹介させていただきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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