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『言語化力』を読んで。

三浦崇宏氏の「言語化力」を読んで、気になった箇所を抜粋して感想をまとめてみました。

「気づけば傷つく だが傷つくほど気づく」

不運なことや嫌なことがあると、すべて言葉で物語ることで「コンテンツ化」して乗り越えるようになった。

何か嫌なことやトラブルがあっても「これでまた仲間に語るネタが1つ増えたな」あるいは「自伝の章立て」が増えたなくらいに考えるようになったのだ。自分の人生を、一つのコンテンツとして捉えたら、ネガティブなことさえ半笑いで受け入れられるようになる。

私も失敗をしたら「糧になった」「コンテンツ(ネタ)になった」と思うようにしている。

真っすぐ言葉にするとき、予測以上の否定・批判を浴びることがある。でもそれで悲しい・怖いと思って言葉にしないことの方がリスクであることを知っているから、迷わず飛び込む。

そもそも失敗を糧・ネタにしないで他にどうするのか?泣き寝入りしたり恨み続けても何も生まれない。折角の失敗。何か生み出さないともったいない。

気づけば傷つくけど、傷つかないと気付かない。気づくというのは大きな価値になると思っている。

自分のスタンスを決めよう

自分のスタンスさえはっきりと決めて居たら、気軽に、スピーディに、ある意味で言うと適当に回答できるはずだ。だから、まず1つ、自分のスタンスを決めてみようぜ。

【スタンスを決めよう】
質問1:自分が絶対に曲げたくない価値観は、どんなものですか?
質問2:どんな社会であってほしいと思いますか?

スタンスを決めると心が楽になる。なぜなら相手にそのスタンスを理解してもらうことで、自分が無理をしなくていいから。ある種の自己開示だけど、「私は嘘をつくのが大嫌いだ」という価値観を伝えたとすると、相手はその価値観を守ろうとしてくれる。そうすると嘘をつく人は周りからいなくなって、価値観が近い人たちと過ごすことができる。

逆に価値観を伝えずに(相手に合わせる)いると、本来の自分らしさを隠したり、相手に合わせる必要ある。結果、とても疲れるし続かない。

だからスタンスを決めて開示することは、結果自分の思い通りにコトを運べると思う。

相手の立場を想像しよう

たとえば醤油を、健康のために塩分を控えたい中年男性に売るのであれば「適量をかけられますよ」と言う。グルメな主婦に売るのであれば「高級料亭でも使われてますよ」と言う。

相手がどう言われたら嬉しいか、ではなく、相手がどんなメリットを知ったらその行動が変わるか、という観点が必要だ。もちろん簡単なことではない。相手と対話する中で、相手に対する理解を深めていくのだ。

言葉の優先順位の話。どんな言葉をかければ相手が動いてくれるか?を考えることはとても大事。

つい最近、私が尊敬する先輩が「相手方の利害を見極め、言葉に出すことは大事」と言っていた。例えばビジネスの場合、相手が望むものが「昇進」だった場合、昇進を約束する代わりにプロセスについてはすべて任せてくれ、という交渉ができるかもしれない。

表面的な相性に囚われず、その先の目的達成のために最短の言葉を見つけていきたい。

直観を言葉にしよう

そのとき感じたことを、どれだけ丁寧に言葉にして人に伝えられるか。直観は100%正確に言葉にすることはできない。しかし、その100%正確ではない、ということに対して謙虚になりながら言葉を重ねていくしかない。言葉こそが我々のたった一つの武器だ。これがなければ世の中と対峙することなんてできない。

「めちゃめちゃ怯えろ、そしてそれをやれ。」

世界で最もイケてる広告クリエイティブを開発するバーガーキングのクリエイティブチームのスローガンだ。

直観というのは大抵正しい。でもクライアントの提案で「直観です」と答えるだけでは納得してもらえない。だから、自分の直感をできるだけ言語化することが必要なんだと思う。

バーガーキングはマクドナルドに対して縦読みで喧嘩を売っていた。

時流に合わせた縦読みといい、寄り添うようで突き落とすような煽り方は、下手したら炎上してもおかしくない取り組みだったと思う。だけど私はこの断幕をつくり、掲出しようと決めた企業姿勢に憧れを抱いた。

「これはないよ」「ありえない」という人がいる一方で「もっとやれ」「おもしろい」と感じる人がいる。賛否両論があるクリエイティブ・コンテンツをつくることは大義がある。

言葉で人を動かすポイントは3つある

言葉で人を動かす。難しいように思えるが、そんなことはない。なぜならば、人は言葉でしか動けないからだ。無意識でやっていることもたくさんあるだろう。ちょっと意識を変えるだけで、ガラリと日常が変わるはずだ。その上で、言葉で人を動かすときの重要なポイントについてまとめよう。

①目的を明確にすること
②目的に向かうプロセスを明確にすること
③主語を複数にすること

①目的を明確にすること
ただ「動け」と言うよりも「鬼を退治しに行こう」と目的をはっきりさせると動きやすい。「何のために」が明確にならないと人は本気になれない。

②目的に向かうプロセスを明確にすること
「みんなで頑張ってカンヌ獲ろうぜ!」ではなく「ここまで頑張ればカンヌ獲れるぞ!」という言い方をする。「一緒に頑張ろう」ではなく「これくらい頑張れば獲れるから、ここまで頑張ろう」と線を引くことができるとわかりやすい。

③主語を複数にすること
「鬼を退治してこい」ではなく「一緒に鬼退治しに行こう」と言う。「あなたが退治する」のではなく「ぼくらで一緒に退治しに行く」というように主語を複数にする。

ゴールデンサークル理論と似ている。

まず「なぜやるのか?」で背景を伝え、そのための目的を伝える。その後、How(どうやって)・What(なにを)を具体的に伝えることで「このくらい頑張ればいいのか」がわかる。そして最後に「当事者になって私もやります!」と旗を振って先頭を歩く。リーダーシップとマネジメントの両輪がないとチームは機能しない。

鮮やかに妥協しよう

「妥協」には折れること、負けることというイメージがある。しかし、関係者全員のメリットになるような鮮やかな妥協ができたとき、それは「負け」ではない。全員にとっての勝利になる。

妥協はしたくないけど、「自分自身が成し遂げたい最終目的」が叶うのであれば「妥協してもいい部分」と言うのもあると思う。

例えばディズニーランドに行きたい、だけど「平日休めないから土日に行く」も妥協だし、寒い日だったら「かわいい薄着で行きたい」けど「風邪ひきたくない」から厚着をする、など。

自分の中で「成し遂げたい最終目的」さえブレなければ妥協を妥協と感じないはず。

言葉のバイブル:宮本から君へ

三浦さんからはホントに多くの言葉のお守りをもらった。

言葉はお守りだと思う。いざという時に心の中からそっと取り出して、自信をもらう。言葉そのものに力はない。それだけでは無力だと思う。だけど、言葉に想いや感情や経験や個性が乗ってきて、強く響く言葉になると思う。

最後に自分が最も力をもらった言葉のバイブルを紹介したい。

宮本浩という1人の新人営業マンの「まっすぐ」さ、暴力的なまでの「誠実」さに心を動かされた。

詳しくは↑の記事に書いてあるので、良かったら読んでみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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