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【TED】#9 A simple way to break a bad habit: Judson Brewer

TED の閲覧記録です。今回の動画はこちら↓(9分16秒,2015年11月)

▶︎ 結論

悪い習慣は頭で認知して断ち切ろうとするのではなく,その行為自体に好奇心を持って観察することで悪習から自然と離れることができるのである(マインドフルネストレーニング)。

▶︎ 内容と学び

頭では良くないと分かっている行為でも,悪い習慣として続けてしまうのは,脳内で以下のプロセスが繰り返されているためである。

『トリガー(きっかけ) → 行動 → 報酬』

・『食べ物を見る』→『食べる』→『気分が良くなる』→ 繰り返し
・『悲しみ,怒り』→ 『食べる』→『気分が良くなる』→ 繰り返し
・『タバコを吸うモデルを見る』→『カッコよくなるためにタバコを吸う』→『いい気分になる』→ 繰り返し

このような経験を経て,脳はいずれ『ストレス』→『食べる・タバコを吸う』→『気分が良くなる』というプロセスを学習するため,肥満や喫煙が病気の罹患・死亡要因の中でも回避できるものの代表的な例にもかかわらず,悪習と化してしまうのである。

では,どうすればこの悪習を断ち切ることができるのか?

マインドフルネストレーニングの実験において,参加者に何かを強制するのではなく悪習となっている行動自体に好奇心を持ってよく観察するように促したところ(例えば,喫煙をした際にどんな気分になるのか関心を持って観察してもらう),もともと頭では悪い習慣であると分かっていたその行動から自然と離れることができたのである。

このとき,前頭前野は一生懸命人が行動を変えられるように『認知的制御』を行なっている(人間は行動を制御するために認知を使っている)ため,前頭前野が司る知能のレベルでは『喫煙すべきではない』と理解している。

しかし残念なことに,この前頭前野は強いストレスを受けると働かなくなってしまい,ストレス環境下ではそれほど役に立たないのである。
そして,前頭前野が働かなくなってしまうと,昔ながらの習慣に逆戻りしてしまう。

自分自身の行為への幻滅が重要な理由はここにある。

習慣に従った結果を見つめることで,骨身に染みるほど深いレベルで悪習の実態を自覚することができるのである。
こうすると,そもそもその行為自体への興味が薄まるため,行動を無理に抑えたり,我慢したりすることもなくなる。
つまり,悪習に囚われた結果を客観的に見据え,心底嫌気がさすことで,昔の悪い習慣から自然に離れることができるのである。

▶︎ 所感

私自身も良くないと思いつつ続けてしまっている悪習(Youtubeを見すぎるとか,SNSに割く時間が多いとか)がいくつかあります。
確かにこの動画が示すように,頭では良くないと思っていても,心の奥底ではそのことと真剣には向き合えておらず,なあなあにしている感があるように思います。
頭の中で考えて取り組んでも,腹落ち感がないため継続につながらないことは多くあります。

Youtube や SNS を強制的に避けようとするのではなく,その行為自体により興味関心を持って観察することで,体験として良くない行為であることを実感することが大切であると学びました。

また,私の経験から,行為自体に焦点を当てて観察することに加えて,その行為の周辺情報について知識を得ることが悪習を断ち切ることの一助になると考えています。
例えば,私は牛肉や加工肉(ソーセージやハムなど)がとても好きで,それを食べる行為自体に焦点を当てて観察しても,美味しいと思う状況は変わりませんでした。
しかし,牛肉や加工肉が健康面に及ぼす影響や加工肉を作るためにかかる地球環境への負荷などについて勉強をしたところ,牛肉や加工肉に対する認識が変わり(一種の幻滅さえ覚え),牛肉や加工肉を食べるという行為から自然と離れることができました。

悪習を断ち切りたいと思った際には,強い精神力で乗り切ろうと考えるのではなく,まずは腹落ち感を持って悪習を止めることができる方法を探すことが大切だと学ぶことができました。

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