見出し画像

【読書】僕の人生に影響を与えた本② これからの「正義」の話をしよう

前回『7つの習慣』についてご紹介させていただいた【僕の人生に影響を与えた本】シリーズの第2弾です。

今回はハーバード大学教授で哲学者の Michael Sandel さんのこちらの本↓
# 定価は2300円+税なのでかなりお買い得になっている…!

先に言ってしまうと,動画を見る方が話が分かりやすく楽しめるかもしれません。
# リンクつけておきます

▶︎ 本書について

とても堅苦しい本のように見えますが,実際は意外とそんなことはなく,堅苦しい哲学の解説を横に置いておいても楽しく読める本だと思います。
# いや,とはいえ堅苦しいかも…

内容の展開の仕方がユニークで,各著名な哲学者の主張を解説することが本書の軸ではなく,社会的な問題を提示して,その問題に対して様々な観点から『正しい行い』についての議論を深めていくため,哲学の知識がなくても興味を持って読み進めることができます。
# 読み方次第ですが
# 哲学について詳しく知りたい人にも面白い本です

✔︎ 1人を殺せば5人が助かる状況があるとして,あなたはその1人を殺すべきか?

✔︎ お金持ちに高い税金を課し,貧しい人々に再分配するのは公正なことだろうか?

✔︎ 前の世代が犯した過ちについて,私たちに償いの義務はあるのだろうか?

最大多数の最大幸福を優先すべき?
個人の自由を尊重すべき?
美徳を促進すべき?

これらはただ1つの正しい答えを導き出すことのできない『正解のない問題』であり,つまるところ『正義をめぐる哲学の問題』なわけですが,私たちが社会で直面する,正解のない ー にもかかわらず決断を迫られる ー 問題なのです。

本書(及び動画)ではこのような『正義をめぐる哲学の問題』について,様々な角度から議論を戦わせて,問題に向き合い,より良い社会を作るためのヒントを探っていきます。

ちなみに,同様の題材を取り扱っている『白熱教室』を動画で閲覧することもできるので,そちらの方が頭に入ってきやすいかもしれません。
# それぞれの問題に関わってくる哲学の考え方をきちんと学びたい場合には書籍がおすすめ。

オリジナルはハーバード大学での白熱教室ですが,東京大学や東北大学でも講義を開催され,その動画が公開されています。
# 大学生の頃に東京大学バージョンの動画を何度も繰り返し見ていたのが懐かしい

▶︎ 僕の人生への影響

僕はこの本から『物事の判断軸』を学びました。

本書を読むまでも,自分の正義感や倫理観に則った判断をしているつもりではありましたが,明確な基準を持っておらず,その場の漠然とした感覚で物事を判断していたように思います。

そのため,思い悩み,答えを出せないこともしばしばありました。

元々はそんな感じでしたが,この本が『自分にとっての正義』『大切にしたい倫理観』『自分なりの優先事項』について考えるきっかけを与えてくれました。

自分の根幹をなすもの,絶対に変えられない・変えられないもの,柔軟に変えるべきもの,などなど考えることはたくさんありますが,これらを統合して『自分の判断軸』を形成しています。

この本を読んでからは,難しい問題や困難にぶつかったときには,その時点で持ち合わせている判断軸を元に結論を出しつつ,その判断軸が正しいのか,過不足はないかなど,日々改善し洗練していくことを意識しています。

▶︎ おわりに

本書では種々の社会的な問題を提示しながら,色々な人の意見を取り上げているので,なかなか自分でゼロから思いつくことが難しくても,自分の正義や価値観に近い意見を見つけやすく,自分の判断軸を考えるのにはとても良い本(良い動画)だと思います。

似たような意見や価値観をベースにさらに自分なりの考え方を深めていくことで自分なりの判断軸を形成することができると思います。

日々の生活や仕事の中で,判断力や決断力が弱いと思われる方はぜひ本書を手に取ってみてください。

本日もお忙しい中お時間をとって読んでいただきありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!