職種転換
ちょうど12年前の4月に、私はカスタマーエンジニアからシステムエンジニアに職種が変わった。自分の意思とは関係なかった。
もともと、そこらに転がってる壊れた家電製品のネジを外して分解するのが大好きな変わった女児だったらしいから、サーバのハードウェアキッティングや、レールをラックにガシャン!と嵌め込む作業は楽しかった。
転機は、とあるソフト系の子会社から転籍してきたおじさんが、ハード屋の中に、サーバの設計からPMまでこなせる部署を作りたいと言いだしたことから始まった。
当時、まだ珍しかったLinuxの構築部隊にOJTに行って帰ってきたばかりの私は「ちょうどいい!」と、その新設部署に借り出される。
直後は自分の職種が変わるなんて思いもせず、のほほんとしていた。
しかし回ってくる仕事はそのおじさんと一緒に客先に行ってメールシステムの基盤設計の内容詰めて来いとか、外注業者とSOWを決めて来いとか、謎の指令ばかり。昨日までドライバー片手に土方仕事してた人間に、何の知識も与えず、そんなことばかり言われたって、混乱するだけである。
実際、同じタイミングで異動した先輩は、数ヶ月後、会社を辞めた。
そして、発起人こおじさんは、その部署を軌道に乗せることができず、部署ごとソフト屋の方へ持っていかれ、結果、私は「ソフト屋の人」になった。
はっきり言って、ハード屋とソフト屋は、考え方の構造が全く違うし、下手したらお互いを敵だと思う場合も多数ある。
私は何年もかけて、その溝を「埋める」ではなく「違う国の人だから仕方がないと理解する」ことで、なんとかやってきた。
そして今年、最近ではあまり出番のなくなったハード屋の一部を、基盤構築部隊に何人か連れてきて、構築要員として育成することになったらしい。
一足先に連れてこられた私は、その人たちの「リーダー」だそうだ。。全く以って迷惑な。。。
これから何年かは、12年前の自分と同じ思いをする人々を見ることになるような気がする。
自分は、そんな彼らに、リーダーとして、何をしてあげればいいんだろうか。。、
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