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自力優勝は消えてもBGBOSS野球は面白い 交流戦直前までの総括

プロ野球はいよいよ交流戦。
日ハムはGWに自力優勝が消えてしまったが、BIGBOSS率いる日ハムの試合は面白い。シーズン序盤とは全く違うチームに変貌を遂げているからだ。昨年の活気がまるで感じられない葬式のような雰囲気が一掃されて、ベンチは和気藹々と明るい雰囲気に包まれているいる。

監督の仕事は人心掌握だと、故・野村監督は何かの著作で記していたと記憶しているが(確か)、選手をいかに意識改革していくか、これこそ監督の一番大きな役割なのだ。これはすぐに浸透するものではない。だが、ベンチの雰囲気は、選手がとてものびのびと元気一杯なのがテレビを通しても感じられる。

優勝するしないに関係なく、ついつい日ハム試合の行方が気になってしまう。おかげで、読むべき本、読みたい本がちっとも減らず、積ん読がたまっていくのがなんとも歯がゆい(単なる言い訳w)。

4月は負けが続いたが、それでも不思議と悲壮な感じは抱かなかった。同じく負けが続いていた阪神と日ハムがよく比較対比され、ネットの某コメント欄では、BIGBOSSへの誹謗中傷、それも大喜利のような心ないコメントが溢れかえっていた。勝つと酷いコメントはあっさりと消えて、選手への賞賛が並ぶ。真のファンならば、負けが続くときこそ、耐え忍び、前向きに応援しなければならない。

ダンカンもサンスポの名コラム「虎の通信簿」で阪神が日本ワーストの不名誉な開幕9連敗を達成したとき「たとえ143試合全敗だろうが、虎党は見捨てたりするかいな!! だって、やっぱり、やっぱり…、阪神タイガースが好っきやねん!!♡♡♡♡♡♡♡♡♡(9連愛送ったるわー)」と書いている。日ハムの自力優勝が消えても、若手選手が成長していくプロセスを見守る、それがとても面白いのだ。

5月中旬からは勝ちが続いて、これまで久しく見なかったソフトバンク相手に3連勝!開幕戦3連敗のリベンジを果たした。一方で、完封ゼロ負けも8戦あり、好投手相手に手も足も出ないという試合も散見される。こういう試合で少しでも泥臭い試合を展開する力を付ければ、さらなる上位を狙うことも十分可能だ。

首位打者で盗塁王の松本剛をはじめ、石井一成、清宮、野村、万波、浅間、今川が近藤離脱の穴を埋めている。鼻を骨折しても出続ける野村(しかも一日4安打も達成した)、バント失敗の悔しさからうまくスキルアップした今川、もう少しでサイクル達成しかけた万波など、結果が少しずつ出てきているのがわかる。

また、盗塁が面白いように決まるのが爽快だ。2ストライクからの重盗もあった。こういうトリッキーなプレイを決めることができるのは、現役時代にBIGBOSSともに闘った紺田コーチの力量も大きいだろう。

投手の勝ちパターンも少しずつ見えてきた。

上沢伊藤という大黒柱、そして加藤の3人が先発陣の屋台骨となっている。加藤はマダックスも達成した。先日先発した生田目はあと少しというところで降板してしまったが、ぜひ這い上がってきて欲しい。立野、河野、上原もさらなるレベルアップが望まれる。上原は二刀流に挑戦しているので、交流戦での活躍が待ち遠しい。

中継ぎは、セットアッパー堀、クローザー北山という必勝リレーがほぼ確立した。吉田輝星がストレートに磨きがかかってきた。ピンチを招くこともあるが、それでもしっかりと抑えるところは頼もしい。宮西も最近は安定してきて、800試合登板を達成した。本当にすごい偉業。岩瀬の持つ記録1002試合登板を目指して、前人未到の記録を達成して欲しい。谷川も好投を見せている。かつての守護神、石川直也も手術から復活し、見るからに重いボールが相手バッターを苦しめる。これだけの中継ぎ陣が揃うと、心強いことこの上ない。

勝ちパターンにこだわるのはBIGBOSS流のやり方ではないだろう。むしろ、勝ちパターンをあっさりと捨てて、さらにもっと良い方法がないかを模索し続けるのがBIGBOSS流だ。
特に打順は全く固定されることがない。
むしろ、固定するよりはもっといいオーダーがあるはずだ、という考えがBIGBOSSの念頭にあるのだろう。清宮、野村、万波という若手のクリーンナップも何戦も続けずに、パターンを変えてきた。今シーズンはずっと理想の打順を模索し続けると思われる。

また、かつてヒルマン監督時代の主力選手だった、森本やセギノール、稲葉の登場曲が万波や清宮、野村が登場するときに流れる演出がエモい。もちろん、BIGBOSSの登場曲Dr. Dre の「The Next Episode」も使用されている。

かつての雰囲気を知るファンにとっては、登場曲を聴くだけであの時代の記憶と熱狂が甦ってくる。2006年には、優勝したヒルマン監督の名言「シンジラレナーイ」は流行語大賞にもノミネートされた。きっと、BIGBOSS語録から流行語にノミネートされる新しい名言が生まれるだろう。

BIGBOSS野球が交流戦でどう通じるのか。最低でも3位にまで食い込むくらい順位を上げて欲しい。最下位からクライマックスシリーズという下剋上へ突き進むのだ。


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